パーティの開始を揺れながら待つ客席の前に、バンドメンバーが登場すると今宵の主役、佐藤千亜妃がステージに現れる。拍手がやむと同時に佐藤のメロウな歌声が響き、「PLANET」からスタート。続けて、「Lovinʼ You」、「Spangle」とソロ名義での1stアルバム『PLANET』（2019）からの楽曲をムーディに歌い上げていく。

MCでは『EPは聴いてきてくれた？』という佐藤の問いかけに拍手で応える客席に対して、『いろんなシチュエーションが入ったお気に入りの一枚になりました』と、ここからは『NIGHT TAPE』の楽曲をプレイ（『NIGHT TAPE』のインタビューでは、今作の制作について語っているので、ぜひ一読いただきたい）。同作の収録と同じセットリストでお届け! ということでまずは、先行シングルにもなった「S.S.S.」から。

バンドサウンドならではの奥行きのあるサウンドが自然と身体を揺らすと、“みんなで合唱したいと思って作った”という「夜をループ」を披露。〈夜をループ ループ ループ〉で会場全体がクラップをし、声を出せないながらに“合唱”してみせた。

一転して、敵わなかった恋に想いを馳せた曲「真夏の蝶番」では切ないムードへと誘い、新境地とも言えるラップに挑戦した「PAPER MOON」では、ナチュラルなフロウと心地の良いボーカルで、オーディエンスをアンニュイに踊られた。余韻に浸る中、バンドセットにアレンジされた「Summer Gate〜edbl Remix〜」ではグルーヴィな雰囲気に。

改めてバンドメンバーの紹介を挟むと、ライブも終盤。『後半戦はチルを一回忘れて、はっちゃけてほしい』と「You Make Me Happy」をチョイスすると、自然とクラップが沸き上がり、途中のメンバーのソロ演奏にアガる場面も。その後、幸福感の高いメロディで「カタワレ」を歌い、久しぶりに披露するという「大キライ」をスペシャルバージョンでパフォーマンスした。ラストは、『思いがけない辛いこともあるけれど、この夜くらいは、『NIGHT TAPE』を聴いているときくらいは、許されるような気持ちになれたら嬉しい』と自らギターを握り、「Bedtime Eyes」を優しく歌い上げた。

アンコールでは、『リスクのある中、わざわざ足を運んでくれたみんなに感謝しています』と「リナリア」と、弾き語りで「空から落ちる星のように」を披露し、暖かい空気に包まれたまま幕を閉じた。

Set list
1. PLANET
2. Lovinʼ You
3.Spangle
4.S.S.S.
5.夜をループ
6.真夏の蝶番
7.PAPER MOON
8. Summer Gate〜edbl Remix〜
9. You Make Me Happy
10.カタワレ
11.大キライ
12.Bedtime Eyes

Set list Playlist：
https://asab.lnk.to/looplooploopsetlist