4月にリリースした「ABARERO」、6月リリースの「こっから」と、今年に入り本格的なヒップホップナンバーを放ってきたSixTONES。さて次はどんな曲が……と思ったらガラッと趣向を変えたスリリングなダンスチューンが届けられた。ビジュアルもシックなジャケットに身を包んだ出で立ちで、ひさしぶりのスタイリッシュなSixTONESだ。今作「CREAK」は松村北斗と、なにわ男子・西畑大吾のW主演ドラマ『ノッキンオン・ロックドドア』(テレビ朝日系)の主題歌。ドラマは【不可能(HOW)】専門探偵の探偵・御殿場倒理(松村)と、【不可解(WHY)】専門探偵・片無氷雨(西畑)のタッグで奇妙な難事件を解決していくミステリーだ。「CREAK」の歌詞にも<今、手招く Knockin’ on, Knockin’ on 不可能への道><暴かれたる Knockin’ on, Knockin’ on 不可解の扉>と、その2つの要素が盛り込まれ、ドラマの内容にしっかりリンクしている。それでいて<How & Whyは自分に問え><答えはずっとそばにある>と、聴く者の心のドアもノックしているような言葉も並ぶ。作詞・作曲は「NAVIGATOR」も手がけた髙木誠司(曲は桑田健吾と共作)。「NAVIGATOR」同様、今作もスリリングなストリングスでミステリアスなムードを牽引。また6人がマイクを持つからこそ可能になる、まさに息もつかせぬテンポで次々と言葉を畳み掛け、緊迫感をあと押しする。そんな性急な楽曲でも、もちろん彼らは踊る。コレオグラファーはSAYA YAMAMARU。「ABARERO」、「こっから」の振付も手がけ、“SixTONESを踊らせるならSAYA YAMAMARU”とでも言いたくなるような相性を持つ。彼女は今作の振付について「シンプルな目で見ればカッコイイSixTONES。深い目で見ればカッコイイの先が見えてくる今回のSixTONES。2つを覗いてみようとした時改めて彼らの凄さが物語ると思います!」とコメントしている(https://twitter.com/sayayamamaruNEW/status/1687671650899382272)。HOWとWHY。息もつかせぬ歌とダンス。シンプルにカッコイイSixTONESとカッコイイの先を見せるSixTONES。様々な角度から、SixTONESの2面を楽しめる1曲だ。
今作には、初めてのメンバーソロ曲もパッケージ。初回盤Aには松村の「ガラス花」、髙地優吾の「MUSIC IN ME」、ジェシーの「Never Ending Love」、初回盤Bには京本大我の「We can’t go back」、森本慎太郎の「Love is…」、田中樹の「Sorry」が収録されている。初回盤Aの3曲は自分の内面、仲間への感謝、人への愛情など“愛”を歌い、初回盤Bの3曲は相手への想いや上手くいかないもどかしさなど“恋”を歌う3曲という視点で振り分けられており、ここでもまたSixTONESの2面を見ることができる。
松村の「ガラス花」は、10月公開の映画『キリエのうた』で共演しているアイナ・ジ・エンドが作詞作曲を担当。アイナが松村から受けた印象を元に作られた楽曲で、アイナらしいイノセントでありながら哀愁を漂わせた言葉を、松村がまっすぐに歌う。「ノッキンオン・ロックドドア」になぞらえて言うなら、この曲における松村の“Why”(動機)は「アイナに作ってもらった曲を歌いたい」、“How”(トリック)は「まっすぐに歌うこと」だろう。「MUSIC IN ME」は港町・横浜出身の髙地らしいチルホップ。自身がポジティブソングに救われてきたがゆえに、そういった楽曲を発信していきたいという言葉通り、<泣きたくなるような瞬間も/不安が襲う日もあった/君の笑顔見つけたら/そんなのどうでも良くなった>と、仲間やファンへの想いをストレートに歌う。一人で歌うからこそ、ラップもメロディも細かくニュアンスを変え、飽きの来ないボーカルを聞かせているのもポイント。この曲における髙地のWhyは「ポジティブソングをファンに届けたい」、Howは「自身の好きな曲調で」と言える。ジェシーの「Never Ending Love」は念願の堂本剛提供曲。7〜8年から2人の間では「いつか」と話をしていたそうで、ようやくの実現となった。テーマは「愛!人生!」。ジェシーはこの曲について「良い意味で『変態』な楽曲」と説明しているが、ピアノを主としたバラードから変化を遂げていく、確かに変態な楽曲を、しっかり一人で表現しきるジェシーも良い意味で変態でしょうよ。この曲における“How”は「堂本剛と曲を作りたい」、“How”は「その歌唱力、表現力を最大限に引き出して」だ。
京本の「We can’t go back」は京本が自身で制作した楽曲。当初、今回のソロ曲についてスタッフ陣との間で「自作曲は無し」という話になっていたという。しかし京本は自作曲で勝負したいと思い、録り溜めてきたデモをいくつも聞かせ、自作曲でのソロ曲にこぎつけた。採用された「We can’t go back」は7年前につくったというロックバラード。当時よりも人生経験を重ね説得力の増したであろう歌詞を、経験と努力によって培われた歌唱力で表現し、純度100パーセントの楽曲が出来上がった。この曲の“Why”は「自作曲で勝負したい」という強い想い、“How”は「7年間かけて手に入れた、自身の歌声とサポートしてくれる演奏者たちによる良い音」だろう。森本の「Love is…」は森本が学生時代からずっと憧れていた平井大による提供曲。「普段見せる自分とはまた違う自分も見せたい」との想いも抱いて作られた同曲は、森本のピュアさを武器にした恋愛曲に。普段はふざけてみせることも多い森本が、終始甘い声を聴かせるのも良い。森本の“Why”は「平井大とのタッグにより新しい自分を見せたい」、“How”は「普段とはまた違う表現方法で」と言えるだろう。田中のソロ曲は、グループの楽曲候補としてデモ曲にあったという「Sorry」。このデモを気に入っていた田中は、同曲をより深く丁寧に表現できたらとの想いで、ソロ曲に選んだ。畳み掛けるラップの印象が強い田中だが、この曲では、確かにSixTONESとしてはお得意のR&Bを、気だるく、かつ艶やかに歌い上げる。ラップパートのリリックは自作であることは、田中の矜持であると同時に彼がこれまでに築いてきたものを感じる。田中の“Why”は「気に入っていたこの曲をより深く丁寧に表現」に尽きるだろう。“How”は「自身がこれまで培ってきたラップスキルと色気を生かして」だ。
通常盤には、カップリングとして「Eye to Eye」「WHY NOT」「こっから -Old School Breakin’ Remix-」「CREAK -instrumental-」が収録されている。「Eye to Eye」はタイトルの通り、“目を合わせて話そう”というメッセージを乗せた爽やかなナンバー。ひときわ伸びやかでエネルギッシュなボーカル印象的だ。「CREAK」で聞かせる怪しげで急いたボーカルとはまた違う表情を、ボーカルでも魅せる。「WHY NOT」は「JAPONICA STYLE」の作詞作曲も手がけたTakuya Haradaによる1曲。恋愛の深みにはまっていく様子を艶やかに歌い上げる、SixTONESお得意なナンバーだ。……と書いてふと気付く。「CREAK」のようなスリリングなダークナンバーも、「Eye to Eye」のような爽やかな楽曲も、「WHY NOT」のような艶やかな曲も、SixTONESのお得意な楽曲になっているな?と。デビューしてから3年半、音楽と真剣に向き合い、表現を突き詰め、同時に造形を深めてきた積み重ねが、こうして“SixTONESらしさ”を増やすことにつながっている。そしてその中で自身の中で生まれてきたクリエイティビティが、今回のソロ曲にもつながっている。表現者であり、クリエイターでもあるSixTONES。この先、彼らはどのような扉を開いていくのか。
なおSixTONESは明日9月1日放送の「バズリズム」(日本テレビ系)にて「CREAK」をパフォーマンスする。YouTubeでは「Dance Performance Only ver.」も公開され、さらに話題を集めている同曲のパフォーマンス。音楽番組での披露にも期待しよう。
INFORMATION
SixTONES 「CREAK」
初回盤A
価格¥1,760
CD+DVD
スリーブケース仕様
CD
1.CREAK
2.ガラス花
3.MUSIC IN ME
4.Never Ending Love
DVD
CREAK -Music Video-
CREAK -Music Video Making-
CREAK -Music Video Solo Movie-
初回盤B
価格¥1,980
CD+DVD
スリーブケース仕様
CD
1.CREAK
2.We can’t go back
3.Love is…
4.Sorry
DVD
Documentary of SixTONES Solo Project
通常盤
価格¥1,100
CDのみ
初回仕様:スリーブケース仕様+フォトブック20P
CD
1.CREAK
2.Eye to Eye
3.WHY NOT
4.こっから -Old School Breakin’ Remix-
5.CREAK -Instrumental-