LIVE REPORT:BE FES!! 2024 KICK OFF LIVE
ビームスが創る音楽との遊び場

Photography—Hiroki Asano、Text—Chie Kobayashi、Edit_Kazuhiko Yokoyama

LIVE REPORT:BE FES!! 2024 KICK OFF LIVE
ビームスが創る音楽との遊び場

Photography—Hiroki Asano、Text—Chie Kobayashi、Edit_Kazuhiko Yokoyama

2022年より音楽好きスタッフが結集して始動したビームス主催の音楽フェスティバル“BEAMS MUSIC FESTIVAL『BE FES!!』。2024年のキックオフイベントとして位置付けし、2024年2月16日に東京・WWWと東京・WWW Xにて開催された。イベントは「BE FES!! 2024 KICK OFF PARTY」「BE FES!! 2024 KICK OFF LIVE」とジャンル分けをした2会場で銘打たれ、PARTYにはSkaai鈴木真海子(chelmico)、CFN MALIKのラッパー3人が、LIVEにはALI思い出野郎Aチームtenbin Oのバンド3組が集った。ここでは「BE FES!! 2024 KICK OFF LIVE」の模様をレポートする。

会場に入ると、キャンパス作品を展開するアーティスト・think.氏による装飾がお出迎え。「BE FES!!」のポスターにステンシルを使用したデザインがほどこされた、リスペクトと遊び心あふれるデザインですでに心が踊る。ライブスペースへと進むと、ステージの前には大きなシャンデリアが鎮座。華やかにライブの開幕を待っていた。

最初にステージに登場したのはKD(Ba, Vo)、石井さやか(Gt, Cho)、松浦空洋(Dr, Cho)からなるトリオバンド・tenbin O。登場するなり新曲「tenbinbin」でライブを始め、一気に引き込んでいく。「Waste of Time」では3人の分厚いコーラスが場内に響きわたり、「Blind Love」では石井のギター技巧が光る。3人というミニマルな編成でありながら、それを感じさせない音の厚みと深さでディープな世界へと連れ出していく。3曲を終えるとKDが「今日は呼んでくれてありがとう。楽しんでいってください」とさらりと挨拶。最後には躍動感あふれるリズムに乗せ「Happy Medium」へ。3人の高まる熱量がうねりを生み出し、イベントの始まりを熱く告げた。

ライブの間にはビームススタッフが「BE FES!!」後に渋谷でお勧めする過ごし方として、会場近辺のフード店やバーなどを紹介するムービーが上映される。しかも紹介されるのは穴場スポットばかり。ライブだけでなく、この夜をまるっと楽しんでほしいというビームススタッフの思いが隅々まで詰まっている。

続くALIはホーンを従えた華やかなステージング。「仁義なき戦い〜Under My Skin」でしっとりとその幕を開けると、LEO(Vo)が「ハートに火をつけにきたぞ!」と声を上げ「VIM」で一気にヒートアップ。「GABBA GABBA HEY HEY」ではスカのリズムで踊らせたあとにロックンロールチューン「Going up the country 」を奏でるなど、さまざまなルーツをALI色に変えて出力していく。

後半はラッパーのGOMESSを迎えた編成で「Wild Side」、アニメ「呪術廻戦」のエンディングテーマ「LOST IN PARADISE」を連投。「洋服も音楽も嫌になっちゃうことや、やってらんないことを乗り越えるための武器だと思うから、今日この瞬間が、少しでも今日来てる人のみんなの心の片隅に入って少しでも力になればなと思います」とステージへの思いを告げラストナンバー「Funky Nassau」へ。︎LEOがALIというバンドについて「俺たちはホーンがソロ取ったり、ギターがソロ取ったり、言葉にならないものをワーワーやってんですけど」と説明していた通り、歌詞だけが伝えたいことではないと言わんばかりに各パートがエモーショナルなソロを聴かせる。最後にLEOが「次はお前らの番だー!」とフロアに投げかければ、フロアも声を上げ体を揺らし、会場全体でALIのステージを作り上げた。

最後は、サポートメンバーを含め11人という大所帯で朗らかな空気を運び込んだ思い出野郎Aチーム。<楽しく暮らそう 時々踊って 絶えない悲しみを 笑い飛ばそう>と歌う「楽しく暮らそう」でライブをスタートさせると、<僕たちは耐え続けるためにこの街にいるんじゃない 耐えず鳴り続ける音楽で踊るためにここにいるんだ>と歌う「独りの夜は」を続け、まさに楽曲の歌詞の通りにフロアを盛り上げ、踊らせていく。「ファッションに興味のあるおしゃれキッズが多い中、ジャージで来てしまったんですけども」と笑いを取りつつも、中盤には「それはかつてあって」や「フラットなフロア」とメッセージ性を込めた楽曲群を、豊潤なサウンドで届けていく。軽やかなサウンドで踊らせながらも、手話通訳をサポートメンバーに迎え入れ、すべての人にそのメッセージを伝えようとするほどに、バンドの主張もしっかり織り込んでいくのが思い出野郎Aチームだ。

「笑い話の夜」から「ダンスに間に合う」を続けて大団円を迎えたあと、アンコールに応えて再びステージに戻ってくると、「めちゃくちゃ最高でした! また呼んでください」と挨拶。さらに着用しているジャージのオレンジ部分を指差し「次はBEAMSのオレンジで作ってもらいますので」と添える。そして手話を使ったコールアンドレスポンスで盛り上がった「アホな友達」でライブはフィナーレ。大盛り上がりのうちに、パーティはお開きとなった。

INFORMATION

BE FES!! 2024 KICK OFF LIVE

日時:2/16(金) 開場 18:00/開演:19:00
会場:WWW X
出演:ALI / 思い出野郎Aチーム / tenbin O

INFORMATION

BEAMS

1976年、東京・原宿で創業。1号店「American Life Shop BEAMS」に続き、世界の様々なライフスタイルをコンセプトにした店舗を展開し、ファッション・雑貨・インテリア・音楽・アート・食品などにいたるまで、国内外のブランドや作品を多角的に紹介するセレクトショップの先駆けとして時代をリードしてきました。特にコラボレーションを通じて新たな価値を生み出す仕掛け役として豊富な実績を持ち、企業との協業や官民連携においてもクリエイティブなソリューションを提供しています。日本とアジア地域に約160店舗を擁し、モノ・コト・ヒトを軸にしたコミュニティが織り成すカルチャーは、各地で幅広い世代に支持されています。

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