INFORMATION
『GENE』ーa子
On Sale
01.good morning
02.惑星
03.あたしの全部を愛せない
04.miss u
05.ベージュと桃色
06.天使
07.samurai
08.情緒
09.racy
10.つまらん
11.LAZY
12.愛はいつも
13.ボーダーライン
https://akolondog.net/
@mjgptw___ad
目の覚めるような赤髪がアイコニックなアーティスト・a子が今、日本のみならず世界をも席巻している。今年3月にアメリカで開催されたSXSW 2024に、日本アーティスト最多の3ステージ出演を果たしたかと思えば、6月には台湾や韓国でライブを披露。この夏も自身のツアーや各地フェスへの出演を控えるなど、怒涛の快進撃を続けている。
そして先日、1stアルバム『GENE』をリリース。今の彼女を構成する個性豊かな13曲が収録された、ベストアルバムのような作品だ。果て無く広がるa子の夢を共に追いかけるべく、本作についての話を中心に、彼女のこれまでとこれからを聞く。
a子
ーまずは、a子さんの音楽的バックグラウンドから伺っていきたいと思います。
中学2年くらいの頃から、地元の姫路にあるレコードショップのおじいちゃんに音楽を教えてもらうようになったんです。エリック・クラプトン、ビートルズ、マドンナ….名だたるレジェンドたちの楽曲を教えてもらった中で、当時は特にソフト・マシーンが気に入って、一番よく聴いていました。ちゃんと音楽を聴くようになったのは、そのおじいちゃんの影響ですね。ギターを触り始めたのは小学校を卒業するくらいの頃で、父が私にプレゼントするという体でギターを買ってきたんです。父が弾いていない合間を見計らって、私も弾いていました。耳コピみたいな感じで、自己流で弾き始めたので、未だに手の形はめちゃくちゃみたいです(笑)。小学生くらいから徐々に自分で曲を作るようになって、といった感じです。
ーレコード店主からの英才教育の賜物が今のa子さんなんですね。J-POPなどは聴いていました?
もちろんです。最近では(自身のプレイリストを見ながら)、BENNIE Kが2002年にリリースした『cube』というアルバムにハマっていたり、あとは宇多田ヒカルさんや工藤静香さんも好きで、「メタモリフォーゼ」をリファレンスにして曲を作ったりもしています。私がオリエンタルな雰囲気のリフを作りがちなのは、坂本龍一さんやNujabesの影響だと思います。あとは、今作『GENE』を作っている時に、オリヴィア・ロドリゴが『GUTS』を発表したんですが、それがかっこよすぎて、私のバンドのバンマスの中村エイジと二人できゃーきゃー言っていました(笑)。自分の制作期間に、やばい作品がリリースされると刺激されるし、ワクワクするんです。自分もこういう音楽を作りたいなって。
ーa子さんを象徴するのが、ドリーミーな雰囲気を持ったウィスパーボイスだと思います。現在のスタイルはいつ頃、確立したんですか?
学生時代は地声に近い、低めの声質で歌っていましたが、ずっと自分の声が好きじゃなくて、どうしたら好きになれるのか考えていたんです。私が上京したての頃、クレイロやメン・アイ・トラストのようなドリームポップが流行っていて、彼女たちの歌い方が、ウィスパーな雰囲気だったんです。そこに登場した、ビリー・アイリッシュの存在も大きかったです。ウィスパーなのに、ポップシーンで輝くってすごい。いろんな音楽のスタイルがあるなと思ったし、自分の声質はウィスパーがハマるかもしれないという可能性をみつけて、練習したんです。
ーボーカルも楽器の一部のようで、メロディに溶け込んでいますよね。ヘアスタイルやスタイリングもa子さんの世界観を作る大きな要素だと思いますが、ミューズ的な存在はいますか?
赤髪なのは、私の好きなデヴィッド・ボウイの影響からです。もう赤髪歴4年になります。ライブをすると前列のお客さんも赤髪だったりするので、すごく嬉しいです。
ーa子さんが主宰するクリエイティブチーム・londogについても詳しく伺いたいと思います。
londogは、音楽を作るチームとMVやジャケットなどのビジュアルを作るチームのふたつから構成されています。上京してきて、ひとりでは何もできないということを悟り、じゃあできる人を探そうということで、一緒にシェアハウスをしていた外国の友人に、ジャズバーを教えてもらって、仲間探しをはじめました。最初に出会ったのがドラマーの大西くん。彼が知り合いに声をかけてくれて、今のバンドメンバーと繋がっていきました。クリエイティブチームには、スタイリストやヘアメイク、3Dアーティストなどが所属していて、それぞれ出会ったタイミングで声をかけたメンバーで構成されています。インディーズ時代はMVを作るにも監督がいなかったので、私が絵コンテを書いて、監督をしながら、撮られながら、現場を回しながら作っていて。でもやっぱり今見返すと、だいぶ独特な作品になっているなと思います(笑)。メジャーデビューしてからは、映像監督のShun Takedaくんと一緒に作っていて、私がやりたいことに真摯に向き合ってくれるとても素敵な方です。いいメンバーに恵まれました。
ー1stアルバム『GENE』が7月10日にリリースされましたね。今作はa子さんにとってどんな作品に仕上がりましたか?
インディーズ時代の自分の転換期になった曲や、昔からあるデモの中から、今作の雰囲気に合いそうな楽曲を入れてみたので、『GENE』は今の自分にとって、ベストアルバムのような作品です。私が作る音楽は、映画や小説の中の言葉、YouTube、SNS、もちろん音楽など、私のこれまでのインプットの積み重ねからできていて、それを聴いてくれた人も、何かを感じて行動に移したり、ポジティブな連鎖が続いてくれたら嬉しいなと思って。それを“遺伝子”として表現しました。
ー打ち込みからバンドサウンドまで、楽曲の幅がとても広い作品で、a子さんの様々な表情が楽しめますよね。制作期間はどれくらいだったんですか?
実はこのアルバムを作っているときに7曲くらいデモデータが消えたんです。パニック(笑)。londog全員で知恵を振り絞って試行錯誤した結果、なんとか復旧したのが昨年6月くらい。そこから盛り返していって、ようやく完成しました。
ー先ほどおっしゃっていた、“インディーズ時代の転換期になった曲”について詳しく教えてください。
例えば「天使」は、初めて作った四つ打ちの曲なんです。より多くの人に、自分の音楽を聴いてもらうためにはどうすれば良いのか、ちょうど考えていた時期に作った曲で、私の中では耳馴染みの良いJ-POP=四つ打ちのイメージだったので、挑戦してみました。私の夢はいつかa子にしかできない新しいジャンル、聴いたことのない音楽を作ることで、多様な音楽が出し尽くされた世の中ではありますが、ジャンルの組み合わせ方によっては、新しいメロディがみつかるかもしれない。そう思って、「天使」はハウスとロックを組み合わせた実験的な曲です。歌詞も、耳に引っかかる言葉をチョイスして作りました。
「情緒」も同じように、トップチャートに入ることを意識して作りましたが、私も中村さんも視野が狭かったなと、今となっては思います(笑)。この曲が完成した当時は、J-POPのように聴きやすい曲ができたと思って、二人でニコニコしていたのですが、今改めて聴くと、めちゃくちゃインディーロック、ドリームポップ寄りな曲を作っているんですよね(笑)。ピアノの音は久石譲さんの「あの夏へ」をイメージしていて、ドラムも初めて生で録音してみたり。この曲も新しいチャレンジが詰まった曲です。あと、新曲の「ボーダーライン」は、音の足し算、引き算をすごく意識して作った曲。いつも曲を作る時は音を重ねてしまいがちで引き算するのが苦手だから、最初から足し算しないことを意識して作りました。曲調は爽やかなポップスで、歌詞は愛をテーマに、フランス映画のような世界観を意識して書いています。
ー同じく「miss u」も色彩豊かな恋愛映画を観ているような雰囲気ですよね。
この楽曲のリファレンスはJUDY AND MARYの「そばかす」で、サウンドはオリヴィア・ロドリゴから影響を受けています。やっぱり90年代の楽曲っていいんですよね。ピンクパンサレスが象徴するように、90年代〜2000年代初期の雰囲気が今の音楽のムードだと感じていて、私たち自身も、その当時の音楽をリファレンスに曲を作りたいという流れでできた曲です。
ー最後に、多彩な活動をするa子さんが今後挑戦してみたいことを教えてください。
わかりやすい野望でいくと、今、ウィローにハマっていて。可愛いし、音楽もすごく素敵。いつか、ウィスパーボイス以外で、自分が納得できる歌い方ができたら、そっちでも曲を作ってみたいなと思います。
FUGUIHUA / @fuguihua_official
先日、「ボーダーライン」のMVが公開されたばかりのa子にこれからも目が離せない。
INFORMATION
On Sale
01.good morning
02.惑星
03.あたしの全部を愛せない
04.miss u
05.ベージュと桃色
06.天使
07.samurai
08.情緒
09.racy
10.つまらん
11.LAZY
12.愛はいつも
13.ボーダーライン
https://akolondog.net/
@mjgptw___ad