MUSIC 2026.09.03

速レポ:Age Factory x ENTH x Paledusk presents “GOBLIN” TOUR 2026 at Zepp Haneda 2026.09.02 report ーバンドだけでなくみんな含めてGOBLINー

EYESCREAM編集部
Edit&Text_Ryo Tajima(DMRT)

Zepp Hanedaがある天空橋駅近辺のエリアにはZepp Haneda以外何もない。バスターミナルから向こうを眺めるとコンクリートの地平線が見え、飛行機が飛んでいくどデカい重低音が聞こえてくる。それだけでまったくもって他に何もない。そんな天空橋駅の周辺に何やらイカめしい連中が跋扈している。背中やフロントに“GOBLIN”と掲げられたTシャツを着込み、物々しい様相で沸々としている。恐ろしいことだ。

何もない天空橋駅周辺がなんでこんなことになっているのかと言うと、今日がAge Factory x ENTH x Paledusk presents “GOBLIN” TOUR 2026の千秋楽だから。その東京公演がこれからZepp Hanedaで開催される。
GOBLINは、現在のパンク、ラウドのシーンにおいてもっとも注目を集めている3マンライブツアーだ。Age Factory、ENTH、Paleduskの3バンド共催という形で行われており、その3バンドとも音楽性は異なれど、次世代のシーンの中枢を担っていくバンドとしてリスナーや関係者の期待を集めている。各々、ライブ時のフロアはカオス状態。各バンドのオーディエンスが持つパッションはハンパなもんではなく、異常な熱量が溢れ出す。そんなバンドが3つも集まって全国をツアーして回ってZepp Hanedaに到達したわけだから、それはもうとてつもないエナジーがZepp Hanedaに集まっていたであろうことは読者の皆様にもよく理解できることであろう。
GOBLINがスタートしたのは昨年、2025年。2年連続2度目の開催であり、会場も昨年に比べてスケールアップし、Zeppツアーという形で行われた。フロアだけではなくバンド自体のエネルギー量も言うまでもなく尋常ではなく、今回のGOBLINもツアー各所、大いに盛り上がりすぎていた様子。この辺り、どういうことが実際に起きていたのか、打ち上げでどんな事件が起きていたのかということについて、PaleduskのVo、KAITOのYouTubeチャンネル『ペイルダスクKaitoのチャンネル』でも公開されているので観てみるといい。ある意味、ドン引きするほどすごいのが理解できる。

そして、このチャンネルのプログラムを観てもわかるのだが、この日の出順(ENTH→Age Factory→Paledusk)はじゃんけんで決められた。彼ららしいウィットに富んだやり方である。では、ここからツアーファイナル、Zepp Haneda公演について振り返っていく。

ENTH

貫禄を見せつけたパッションあふれるモッシュタイム

トップバッターはENTH。定刻、暗転と共にフロアの大歓声が上がり、恒例のSE「☆愛♡醒☆」をシンガロングし、メンバーがステージに登場。テキーラタイムの乾杯を経て、「1番手、ENTH。1番取りにきました!」とダト・ダト・カイキ・カイキの宣戦布告から「Gentleman Kill」でライブがスタート。この、同世代の仲間である対バンに対してバチバチの気合いを入れて真っ向から向き合って気合いをぶつけ合う感じ、これこそGOBLINの醍醐味である。MCひと言目から完全にGOBLINの世界観へ持っていき、次々に曲を投下。一方でツアーが終わってしまうことへの寂しさを語ったかと思うと「ファイナルとか知らねぇから。やること一緒だから。違いますか?」と常にオーディエンスに檄を飛ばし続ける。言うまでもなく、楽曲に合わせてクラウドサーフとモッシュが止まることはなく、ENTHらしいごきげんで過激なダンスタイムが続いていった。フロアも調子良く、曲の合間で「もっとイケるぜ!」とバンドを焚き付けるなど一体感も抜群だ。MCでは「熊本地震への募金をしているんだけど、俺たちが呼びかけたら、(募金を)たくさん入れてくれて。ネットじゃGOBLINは治安がどうのなんて言われるけど……。いいヤツばっかじゃん!」とダト・ダト・カイキ・カイキ。すごいことになるんだろうなと戦々恐々としていた「ムーンレイカー」では、Zepp Haneda中がクラウドサーフに覆われる事態へ。終盤には「ライブハウスはみんなの好きを爆発させるところだから。ダイスキエネルギーを思いっきり表現してくれるかな?」と、この場所がいつものライブハウスの延長線上にあることを話す。その後も最高のツアーだったと話しながら「みんなとまた会えますように」と急遽、1曲追加した「TEARS」で締め。そのMCの運びたるや、トリのバンドが最後に語りかけるような深く愛のある内容で、実に貫禄があった。ENTH、MCでも完全に1番を持っていこうとしている。その情熱あふれる姿勢とライブに完全に食らってしまった。

Age Factory

どんな場でもバンド世界観を完全構築 感情揺さぶる歌とアクト

2番手、Age Factory。場内に「陽炎」が流れ始めるとフロアの空気が一気に変わった。少し空気が重くなったような印象を受けつつフロアからは拍手の嵐、照明がパッと清水英介を照らし出し「RIVER」で始まり。振り向けば、2階もほぼオールスタンディング。そんな光景からオーディエンスの期待値の高さが理解できた。この日もAge Factoryはいつものように物語性を持ったセットリストを展開していったのだが、フロアの熱気は序盤からフルマックスで、BPMの速い遅いに関係なく、完全に演奏にマッチした反応を見せる。シンガロングにクラウドサーフが止まらない中、ヒリヒリした平熱感の中でライブが進んでいった。先ほどのENTHのライブが赤い炎なのだとすれば、Age Factoryは青い炎。曲から曲へと繋いでAge Factoryの抒情感ある世界観をステージに構築していく。4曲ほど演奏してから清水英介の挨拶。「改めて、GOBLINツアーファイナル来てくれてありがとう。こんなに短く感じるツアーはなかった。それぐらいすごかった。でも、まだ(ここにいる)全員の夏、終わってないでしょ。東京、いけますか?」と誘って「向日葵」、「TONBO」に。存分に身体を揺らした後、清水英介はピンマイクでステージ中央に立ち、フロアを煽り続けながら、いつも以上に熱の帯びたシャウトで「CLOSE EYE」。真っ赤な照明の下、GOBLINならではの攻撃的過ぎるAge Factoryが凄まじい。その後はJUBEEを呼び込んでの「AXL」。最後には「このZeppツアーに希望を感じました。めっちゃいいツアーだったと思う」「何の悔いもないよ。最高だった。また会おう」と清水英介。ラストは神々しいほどにピットまみれのシンガロング大会となった「GOLD」で大団円。残すはPaledusk、さて。この2バンドのライブを経てどんなライブを見せてくれるのか。

Paledusk

圧倒的な気迫とパフォーマンスで生み出した混沌

赤い照明にサイレン、Paleduskのライブが始まることを告げる「LOSE YOUR SELF」と共に続々とメンバーがステージへ。最後に登場したVoのKAITOのひと言めは「全員コロして帰るぞ! かかってこい」と前のめり過ぎる大発言。それもそう、あれだけのすさまじいライブを見せつけられた後である。GOBLINのトリっていうのは実にプレッシャーなのではないだろうか。実際に序盤のMCでもKAITOは「ENTHとAge Factoryに食らわせられたので、俺たちがやるべきことがハッキリしました。全部出しきってやるしかないです」と話していた。まさにそんな心境だったのだろう。そんなプレッシャーを跳ね除けるように人気曲を次々に投下しながらシンガロングにピットを生み出していくPaledusk。最初のハイライトは3曲目「I’m ready to die for my friends」だろう。ゲストで大阪からVIGORMANを招聘した本楽曲。そのリリックといい、今日のGOBLINにマッチしているように感じられた。今回のGOBLINでも各地、大合唱を生み出した「PALEHELL」では本日も大シンガロング。そんな光景を目に焼き付けるように、Paleduskの面々は各々にフロアを真っ直ぐ見つめており、そんなところからもGOBLINツアーファイナルのトリとしての覚悟が感じられた。と、同時に、会場との絶対的な一体感を感じたのか、笑顔が増えていくKAITO。「(GOBLINツアーを)やってよかったと本心から思えます」と話しつつ、オーディエンスも含めて、この場にいるみんながGOBLINだと思っていると、この場への愛をストレートに伝えた。ラストの「Lights」前では「惨敗したと思ったけど、みんな勝ったと思うわ!」と言い放ち、フロアも賛同の拍手と歓声で受け答え、シンガロングのままに終幕へ。
ライブ本編後は、GOBLINのテーマと共に3バンドのメンバー全員がステージに登場し、ひと暴れ。GOBLINらしいカオスをZepp Hanedaに叩きつけ、Age Factory x ENTH x Paledusk presents “GOBLIN” TOUR 2026が終了した。ライブが終わっても歓声が止まらず、一向に外へ出ようとしないオーディエンスに向かって、最後にKAITOが語りかけた言葉が「頼むから帰って」だったことも付け加えておく。

これぞ現代のライブハウスシーン最前線のパンク・ラウドの様相なのだということを実感させられたライブであった。この模様は後日、YouTubeの『Goblinチャンネル』でも何らかの映像が公開されるそうなので期待して待ちたい。KAITOのMCに「GOBLINはまた帰ってきます」という言葉があったが、次にGOBLINが開催される時はどんな事態になるのか。このカオスを体験してしまうと、もはや恐怖でしかない。もちろん、ワクワクとドキドキにあふれた恐怖である。高揚感に酔いながらZepp Hanedaを出た。辺りを見渡す。やはり真っ暗で何もない。

Set list

ENTH
SE. ☆愛♡醒☆
01. Gentleman Kill
02. “TH”
03. SCUM DOGS FART
04. LOVE ME MORE
05. BLESS
06. Urge
07. Poochie(新曲)
08. “EN”
09. ムーンレイカー
10. WHATEVER
11. Will
12. Get Started Together
13. TEARS

Age Factory
SE. 陽炎
01. RIVER
02. Shadow
03. プールサイドガール
04. Party night in summer dream
05. 向日葵
06. TONBO
07. CLOSE EYE
08. AXL feat. JUBEE
09. See you in my dream
10. GOLD

Paledusk
01. LOSE YOUR SELF
02. AREA PD
03. SLAY!!
04. I’m ready to die for my friends feat.VIGORMAN
05. NO WAY!!
06. PALEHELL
07. 9 SMILES
08. WIND BACK
09. RUMBLE
10. HUGs
11. Lights

-->