MUSIC 2018.08.19

FOCUS:D.A.N.新作『Sonatine』に聴くフィジカルなグルーヴ
from EYESCREAM NO.167

Photography—Riki Yamada Text—Ryo Tajima
EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

7月18日に2ndアルバム『Sonatine』をリリースしたD.A.N.。現在発売中のEYESCREAM9月号では、今作について3人に話を聞いた。このアルバムはどんな思考のうえに成立しているのか。彼らが奏でる色鮮やかなサウンドと併せてチェックされたし。

ータイトル『Sonatine』。これはクラシック音楽用語ですか?

櫻木大悟(以下、櫻木)「それもあるんですが、北野武監督の映画「ソナチネ」から影響を受けた部分が大きいですね」

川上輝(以下、川上)「『Sonatine』というタイトルは僕が提案して、改めて映画をメンバー各々で観て作品に合っているのではないか、と」

櫻木「楽曲が全て完成した状態でタイトルを考えているときにハマったので後付けなんですけど、改めて映画「ソナチネ」を観て、映画の構成、色味、音、作品の核の部分にシンパシーを感じたんです。台詞で言うと冒頭に「ヤクザ、疲れちゃったよ」みたいな言い回しがあるんですけど、僕の歌詞にも似たような表現があって、けっこうビックリしちゃったんです」

市川仁也(以下、市川)「シリアスなシーンに含まれているちょっとしたユーモア。日常、非日常が混在していたり、と多面性がある。暴力的なシーンが淡々と描かれている部分など、今作にも通じる部分があると「ソナチネ」を観直して改めて思ったんです」

川上「しかも、それを僕らがタイトルとしてピックアップするというのもアツいじゃないですか。新たな“ソナチネ”になれたらいいなって思いますね」

ー今作ではインストと歌も楽曲バランスが絶妙というか。これは予め決めて制作したんですか?

川上「いえ、考えてやったのではなく全体的にやりたいことをやってみたら結果的にこういうバランスになったんですよ」

櫻木「その曲のアレンジは何が最適かってことを考えてやった結果、歌とリズムの対比が生まれたんです。すごく歌い上げている楽曲と音響的なアプローチに挑戦しているインストと。このコントラストは個人的にすごく好きな点です」

ー作品を通してD.A.N.にしか表現できないグルーヴ感があると感じました。

櫻木「今作では1stを経て得たノウハウを全面的に活かせたと思いますね。レコーディングの面においてもかなり成長したと思います。思いついたアイディアを鮮度の良い状態で録音するのも技術の1つだと思うのですが、その辺りがうまくいったんじゃないかと」

市川「頭の中で鳴っているイメージを純度の高い状態で出すことが、以前よりも明確にできるようになった感じがあります。同時に突発的に出てきたアイディアを3人で掛け合わせることで、予想もしていなかったことが出たりして。前作よりも新鮮さや驚きがあるのではないでしょうか」

川上「うん。今回からアナログ卓でミックスもして、より自分たちのやりたいことに近づけていけるようになったと思いますね。ドラムで言えば、今回はパッと思いついたフレーズもそのままレコーディングしていましたし、録音した音をすぐに聴けて、自分のイメージと実際に出ているものの整合性がすぐに取れたのが良かったですね。制作において骨組みとなるドラムがいい感じで進んでいったのはすごく良かったですね」

櫻木「音響面では、とにかく立体的になるように。生音に関しては録音の音がとてもクオリティが良かったので、その素材の良さを活かしていて、音数を少なくした中で、より強度のあるバンドサウンドになったと感じています。エレクトニックということではなく、バンドサウンドとしても色んな表現をそれぞれの楽曲でアプローチしていると思いますね。そういう意味では忠実さがあるかもしれないですね。鳴っている音を拾って録って出す、という忠実さが」


ーこうして『Sonatine』がリリースされ、今後D.A.N.がやっていきたいことはどんなことですか?

川上「海外でのリリースをしっかりとした形で行いツアーを回りたいですね。海外志向と言われればそうなのかもしれないですけど。そのうえで海外のアーティストと同じように海外で開催されている音楽フェスにも呼ばれるようになっていきたいと考えています。今はそのタイミングかな、と」

市川「今までに2回ほどイギリスツアーを行っていますけど、それをよりフラットな形で行うことができれば」

櫻木「僕らが好きなアーティストが出演している音楽フェスのラインナップを見ていると、この土俵で僕らも音楽をしたいし、できるだろう、と。同じ土俵で、と表現するのが正しいのかはわからないのですが……」

川上「例えるなら、プレミアリーグやチャンピオンズリーグに普通に入っている状態でプレイするような感じだよね。日本人枠で特別に出演するのではなくて、フラットに自分たちが満足できる形で海外で活動したいっていう」

櫻木「うん、そうだね。日本と海外と分けるのではなく、同じ条件のうえで表現するというか。日本と他の国だと市場が違うのも感覚的に感じていて。かなり別れてしまっているのが現状だと思うので、そういう意味でフラットであるべき」

INFORMATION

『Sonatine』

発売中
http://d-a-n-music.com/

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