MUSIC 2018.10.30

FOCUS : Tempalay
ミニアルバム『なんて素晴らしき世界』リリースインタビュー
from EYESCREAM NO.168

Photography—Ryuta Seki
EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

いよいよ国内を超えてアメリカ、アジアにも活躍の場を広げているバンド、TempalayAAAMYYYの正式加入後初となるミニアルバム『なんて素晴らしき世界』が9月26日にリリースされた。EYESCREAM10月号では、本作についてのインタビューを決行。まるで異空間に迷い込んだようなスペイシーなトラック群とあわせて、EYESCREAM.jpでもその模様をお届け。

“ループする世界の中で生きることを表現したら面白いんじゃないか、と思って”

ーアルバム『from JAPAN 2』から約1年ぶりの新作『なんて素晴らしき世界』が発表されました。まず、タイトルが印象的ですね。

小原綾斗(以下、綾斗)「正式にAAAMYYYがメンバーとして加入して新体制になってから初の作品になるので、テーマやメッセージ性など伝わりやすい形で見せたい気持ちがあったんです。2曲目の「素晴らしき世界」という楽曲の歌詞でも表現しているんですけど、例えば渋谷の金曜土曜の明け方なんて、シラフで歩いていると怖いじゃないですか、人が倒れたり騒いだりしていて。誰もがいかれている。自分も酔っていたりトリップしている状態であれば、それが普通に映るわけで、どっちが正しいかわからない。そんな風にヒリヒリした日常が続いていて、見方によってはすごくエキサイティングな街が東京だと思うんですけど、個人的にも、この環境に馴染めるようになってきたんですよ。ワクワクするけど怖い側面もある。その両極端が外側から見るとすごく美しい、それがタイトルに当てはまったんです。同時に、ここで地に足つけてやっていかなくちゃいけない、という自分の思いも込めているんです」

小原綾斗 (Gt&Vo)

ー『なんて素晴らしき世界』には、一貫したコンセプトが表現されていると思うのですが、そのテーマは何ですか?

綾斗「始まりから終わり、といった時間軸を1つの作品に落とし込んだイメージです。具体的には生き死にであったり、地球上で繰り返し起こってきた事象であったり、食事をして消化するといった繋がりがある一連の物事に関することですね。オレたちは、その時間軸における並行世界で生きているわけじゃないですか。例えば、向かいのビルにも生活している人がいて、オレとまったく関わることのない生活があるっていう。それって考えてみれば不思議だし、逆に巡り巡って、その人と関わる瞬間があったりすることには尊さを感じるし。それを個の作品に落とし込んだら面白いんじゃないかな、という感覚でした」

ー何かが始まって終わっていく、というのは歌詞やタイトルでも表現されていますね。

綾斗「そうですね。1曲目の「誕生」から始まり、最後の「カンガルーも考えている」は、何もかも壊れていくという楽曲で、全てが終わってからまた1曲目に戻るという。ずっとループしている世界の中で生きていることを1個のストーリーとして描いたんです」

藤本夏樹 (Dr)

ーメンバー同士では、どのように作品の世界観を共有して制作に臨んだんですか?

綾斗「曲のイメージは画像などで伝えていきました。例えば「カンガルーも考えている」は恐竜が絶滅するときのような、隕石が地球に降ってきている画像で」

AAAMYYY「そんな風に画像で曲のイメージを綾斗が提示してくれたのは初めてだったんですよ。言葉以外の何かで“ここはこういう感じ”って説明してくれたのがすごくわかりやすくて、そこから自分の思う世界観を音で表現するという流れでした。歌詞はレコーディング当日までわからないので、歌入れまでドキドキしながらレックの日を迎えて。イメージの答え合わせをするような気分で今作を作っていきました」

藤本夏樹「画像で共有されたものに関しては、もうそのまま理解するしかないですからね。自分なりに勝手に解釈していきました。作品制作前にコンセプトをじっくり聞いたわけではないけれど、綾斗が考えていることに寄り添って作っていけたと思います」

ーAAAMYYYさんがTempalayに正式加入してから初の作品ですが、制作の仕方が変わった部分はありましたか?

AAAMYYY「いえ、変わった部分はないですね。これまでも綾斗からイメージを聞いて、それを具体的な音にしていくという作業だったので、制作面では『なんて素晴らしき世界』に関しては今まで通りだと思います」

綾斗「メンバーとして加入、とは言っても周りから見れば“今までそうじゃなかったの?”ってくらいのものだと思うんですよね。それぐらいAAAMYYYがTempalayにいることは自然なことだと思います。メンバー加入後に最初にリリースしたのは今作にも収録されている「SONIC WAVE」なんですが、このMVでは、あえてAAAMYYYが主役になるような映像にしました。それも周りの人に対してわかりやすく伝えたい気持ちがあったので、AAAMYYYにフィーチャーしたんです」

AAAMYYY (Cho&Syn)

ー「SONIC WAVE」のMVは中毒性のある90年代デジタルな世界観が印象的ですが、8月末には、このMVのディレクションを手掛けたPERIMETRONとコラボしたポップアップストアを新代田YACHTで開催されていましたよね。

綾斗「そうですね。「SONIC WAVE」のMVに登場するキャラクターをグッズにして販売するという展開でした。というのも、最近は音楽が消化されていくスピードがすごく早いと感じていて、作品をドロップして終わりになってしまうのがすごくもったいないと思うんです。今作のアートワークはYOSHIROTTENさんが担当してくれているんですが、このジャケットにおけるアートワークや『なんて素晴らしき世界』の世界観を再現するような空間をライブで作り出せたらいいな、と考えています。何かしらのテーマ性を出した新しい見せ方を提示できたら、と」

なお、BEAMS × SPACE SHOWER TVの共同プログラム「PLAN B」がお届けする10月のピックアップアーティストは、AAAMYYY。多くのアーティストからオファーの絶えない彼女の飾らない人柄とマルチな才能が切り取られたコンテンツとなっているので、こちらもぜひチェックを。

INFORMATION

『なんて素晴らしき世界』

発売中
https://tempalay.jp/

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