Report:SWEET LOVE SHOWER 2019 ~Bay Area~
-ラブシャとグッドミュージックの蜜月-

Photography_Keiichi Ito,Yohji Uchida Text_Shu Nissen

Report:SWEET LOVE SHOWER 2019 ~Bay Area~
-ラブシャとグッドミュージックの蜜月-

Photography_Keiichi Ito,Yohji Uchida Text_Shu Nissen

スペースシャワーTVの30周年イヤーである2019年、SWEET LOVE SHOWERのDNAを受け継ぐ新プロジェクト、「SWEET LOVE SHOWER 2019 ~Bay Area~」が始動。本イベントは、例年、山中湖開催のラブシャのテーマを継ぎつつ、音楽を中心にさまざまなカルチャーを東京のBay Areaから発信していくものだ。

会場となった新木場 STUDIO COASTのステージには、スペースシャワーTVがいまシーンに提示したい「Good Music」を集めた豪華な面々がラインナップ。チケットは全券種がソールドアウト。開場と同時に多くの来場客と、これから始まるメモリアルな1日への高揚感が、フロアを埋め尽くしていく。

午後14:00、 記念すべき幕開けを飾ったのは、never young beach。「おはよう、みんな!!」と、景気良くライブをスタートさせた。MCでは、当日がスペースシャワーが開局した日と同じ、12月1日であることについて触れ、おめでたい1日のトップバッターでの出演の喜びを伝えた。そして、スペースシャワーTVとの思い出として語った『明るい未来』を披露。2016年6月、MVをヘビーローテーションでオンエアするPOWER PUSHに選ばれた楽曲だ。勢いそのまま、ラストは『お別れの歌』。ヒットナンバーの連発でファンを歓喜させ、序盤から見事なステージを演出した。

SLS Bay Areaの特徴は、メインステージと、その下手側に設置されたBステージの2つの舞台。短いサウンドチェックを挟み、交互にパフォーマンスが展開されていく。続いて登場するKID FRESINOのライブに備え、一斉に観客が左に身体を向けた。ネバヤンの熱狂から、5分と経たないうちにKID FRESINOのステージが始まる。MCは少なめに、ミニマルに楽曲を展開していき、熱いパフォーマンスとクールなアティチュードで、観客を圧倒。バンドサウンドで新境地を切り開いた『Coincidence』など、ジャンルを横断する先進性と、グッドミュージックとしてのヒップホップをシーンに提示する圧倒的センスを改めて感じさせた。

次にステージに姿を表したのは、Tempalay。「来年、来そうやなおれら。毎年言われてるけどね(笑)」と、おどけてみせるが、MC明けの『どうしよう』では、堂々たるパフォーマンス。昨今の躍進の手応えからか、自信に満ち溢れているような印象を受けた。サイケデリックなサウンドとライティングの中で、踊る小原(Gt. Vo)に呼応するように、オーディエンスも、心地良く音の中を漂うように首を振っていた。

程なくして、隣のステージでは、STUTSがサウンドチェックを始める。『Renaissance Beat』が聴こえてくると、ライブの開始を前に、大きな歓声が。STUTSが叩くMPCから鳴るキックやスネアの音が身体の芯まで響く。PUNPEEと手掛けアンセムとなった『夜を使い果たして』で、フロアはすでに最高潮の盛り上がりながら、KID FRESINOをフィーチャリングした『Amber』に、ダメ押しのKID FRESINO本人登場で観客はノックアウト寸前の興奮を味わった。

後半戦に差し掛かり、ここで折坂悠太。独奏、合奏、重奏という異なるアプローチで活動する彼だが、今回は京都を拠点に活躍するメンバーたちが折坂の歌を彩る特別編成「折坂悠太(重奏)」。味わい深い独特の歌唱に加え「皆さん体調はどうですか?」と語りかけるなど、MCでも独特な折坂節で、ほっこりとした雰囲気に。終盤では、ドラマ『監察医 朝顔』の主題歌となった『朝顔』も披露し、折坂悠太とのめくるめく歌の旅はあっという間に過ぎていった。

TENDREは「楽しいイベント!またやりたいな、今度はあっち(メインステージ)で!」とMCで意欲的にアピール。Tempalayのステージ以来、本日2回目の登場となったAAAMYYYとの『KAMERA』もパフォーマンスされ、美しいハーモニーにうっとりと酔いしれてしまう。「最後は踊って帰りましょう!照明はクラブみたいな感じにしてください!」と言い放ち、熱の込もった『RIDE』を聞かせると、STUDIO COASTは一瞬でダンスフロアと化した。

そして、ファイナルアクトを務めるのはハナレグミ。ギター1本の弾き語りで、ライブの定番曲『大安』など、爽快なコールアンドレスポンスで全員を巻き込み楽しんでみたかと思えば、アンコールの2曲目で、しっとりと『光と影』を歌い上げる頃には、その場に居合わせた全員が、歌声を聴くことに没入しきっていた。曲が終わった後の完全な静寂で、ハッと我にかえれば、割れんばかりの拍手喝采。こうして、これ以上ない程の大団円で2019年のSLS Bay Areaは幕を閉じた。

INFORMATION

SWEET LOVE SHOWER 2019 ~Bay Area~

スペースシャワーTVにて
イベントの模様を120分に渡りお届け。

オンエア日時:
2020/1/18(土) 21:00~23:00

出演:
折坂悠太(重奏)/ KID FRESINO / STUTS / TENDRE / Tempalay / never young beach / ハナレグミ
https://www.sweetloveshower.com/bayarea/

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