去る6月27日、Corneliusが東京・六本木スーパーデラックスでシークレットライブを行った。この日は、ニューアルバム『Mellow Waves』の発売日前日。招待客のみに披露されたライブは、その時間の感触が身体に記憶として留まっていく、印象深いものとなった。

ライブメンバーはCorneliusこと小山田圭吾（vo,g）を軸に、堀江博久（key,g）、あらきゆうこ（ds）、Buffalo Daughterの大野由美子（b,key）という布陣。幕が開け、その一音目が放たれるや、そのなかに、音と音のはざまにすっと引き込まれていく。

歌ものとなった『Mellow Waves』の楽曲を含め、新旧織り交ぜたセット。音の解像度は高く、立体的で、フラットに進みながらも身体性を伴った生々しさがある。ときに小山田がギターをかき鳴らしたりとアクセントがあったり、曲によってはハードロックやガレージの荒々しさすらある。なんだけど平熱のままでもあって。
ステージ後方には映像が大きく映し出され、それが一曲ごとにテンションを変えるため一見すると一貫性はなく、それぞれが強烈で多様で、それも含めてライブ全体を振り返ったときに感じたのは“違和”だ。そして通奏低音としてあるのは“今の東京から鳴る音楽”。

アルバムの表題曲「あなたがいるなら」は、坂本慎太郎の歌詞世界に導かれて潜り込んでいくようで、少しかなしく、うつくしい。そうしてノーMCで進んだ60分。終演後、あたりを見渡すとミュージシャンの顔も多く（ちょうど来日していたアート・リンゼイの姿も！）、「攻殻機動隊」や「デザインあ」で知ったという若い世代もいたりと幅広い層が駆けつけていた。

全国ツアー『Mellow Waves Tour 2017』は、10月からスタート。
このイベントの模様とインタビューを合わせた番組「CORNELIUS「Mellow Waves」RELEASE SECRET LIVE & INTERVIEW」がスペースシャワーTVにて7/9(日)23:00～23:30オンエアされる。