クボタカイを紐解く10の質問
10 Questions for the Next Age

Photography-Ray Otabe

クボタカイを紐解く10の質問
10 Questions for the Next Age

Photography-Ray Otabe

いま、クボタカイの勢いが凄い。2017年より「KINGS OF KINGS」や「戦極MCBATTLE」など、大小さまざまなフリースタイルラップの大会に出場。確かな成績を残す一方、シンガーやトラックメーカーとしても頭角を現し、ヒップホップ、R&B、ロック、ポップスまで、ジャンルという縛りから解放された新時代の音楽を発信している。来る4月7日には1stフルアルバム『来光』のリリースを控え、今年更なる活躍が期待される音楽シーンのニューカマーだ。EYESCREAM WEBは東京ステイ中だったクボタカイに、インタビューを試みた。若干21歳の音楽家は何に影響を受け、いま何を感じているのか。クボタカイを紐解く10の質問から、その実像に迫る。

クボタカイ

ー自己紹介をお願いします。

クボタカイ、21歳です。ラッパー、トラックメーカー、シンガー、いろんなことをしています。音楽を作り始めたのは3年前くらい。それ以前は、フリースタイルバトルをしていました。

ー趣味を教えてください。

多趣味な方で、釣り、絵を描くこと、運動、ゲーム……ポケモンは、意外に頭を使うから、面白いんですよ。あとは近所の子供と遊んだり、サーフィンもします。高校時代は、バレーボール部で、チーム自体は全国大会とかも行くレベルで結構強かったけど、僕自身は下手くそで。どうにか生き残るために頭を使い、サーブだけを極めることにしました。なので、サーブはすごいですよ(笑)。満遍なくBランクにするより、どれかひとつSランクにした方が勝てる気がして。ゲームの心理が働いてるのかもしれません(笑)。

ー特技は?

鳥肌を自在に立たせること。鳥肌って不随意筋らしく、本来自分の意思では動かすことができない部分みたいなんです。だから僕は特訓したら、自分の意思で心臓を動かせるようになるんじゃないかと思う(笑)。

ー本当だ、すごい鳥肌! 漫画も好きとのことですが、特にオススメの作品はありますか?

「僕のヒーローアカデミア」。死柄木弔くんのフィギアを、作業デスクに飾っています。リアルな人間関係が描かれていて、そこから出てくる言葉が、めちゃめちゃ響くんですよ。話の中では本当に小さい一コマですが、主人公のデクくんが友達の轟くんに「通りすがりの人に正論話されても響かないし、何?って思うのは当然でしょ。言葉って誰が何を言うかによるから、まずその誰かになることじゃない?」って言われていて。ポッカリと生まれたかの様な、表現やセリフが好きなんです。リアリティーがある。

ーちょっと難しいんですけど、1番古い記憶って何ですか?(笑)

サファリパークでライオンに肉をあげていたのが、僕の1番最初の記憶。幼稚園くらいかな。

ー好きな場所を教えてください。

場所というより、街を歩くことが好きです。僕は地元が宮崎なんですけど、母が週7で温泉に行って、3時間くらい入るんですよ(笑)。その間僕は街を歩いて、酔っ払いの様子を眺めて喜んでいました(笑)。そういう街の景色からできた曲が「Wakakusa night.」。福岡から宮崎へバスで5時間くらいかけて帰省するんですけど、暗い山道を走り続け、到着直前に、思い出の詰まった宮崎の街並みが、わって広がるんです。ここはあのコと行ったな、とか。街と思い出の曲ですね。

ーいま、一番会いたい人を教えてください。

クリープハイプさんやカネコアヤノさんが、めちゃめちゃ好きで会いたいけど、尊敬しすぎてて会えない。お二人の魅力はいっぱいあるけど、僕は自分のパーソナルなところに彼らの楽曲が深く入りすぎちゃって、語るのが難しいくらい。どの楽曲も、生々しくて生活が見える。偽物じゃないんですよね。特に初期のクリープハイプさんは、生活感の塊で、そこにくらいますね。ちょうど今日、東京に向かう飛行機の中で、“人生のプレイリスト”を作っていて。唯一セレクトできたのが、クリープハイプの「イノチミジカシコイセヨオトメ」と「山羊、数える」、きのこ帝国の「夏の夜の街」、カネコアヤノの「ぼくら花束みたいに寄り添って」の4曲でした。死ぬまでに10曲くらい選べたらいいなと思っています。あと、リアルに会いたい人は、コブクロの小渕さん。父と高校の同級生だった縁から、小さい頃にお会いしたことがあって。ぜひ、ミュージシャンとして共演できたら嬉しいです。

ー制作活動をはじめたきっかけは?

高校生くらいの時にフリースタイルバトルを観て、お風呂で韻を踏んでみたりしてたんです。自分的には様になっていると思い、大会に出てみたら、ベスト8くらいまで行けて。余裕じゃんと思ってビデオを観たら、共感性羞恥が酷くて。できていなかったことに気がつきました。福岡へ進学後も続けていて、亀山上皇サイファーのTwitterに「いいね」を押したら即、主催者から「今から来ませんか?」ってDMが来て。めっちゃ怖くて、当時持っていた服の中で、一番黒いアイテムを着て向かいました(笑)。結局、そこで仲良くなったラッパーたちが徐々に曲作りをはじめ、そして僕は失恋をして、そのバイブスを歌詞に詰めたのが最初。基本的に、実体験や自分の感情を作品に落とし込む形で、制作していたのですが、最近は外出もあまりできないし、刺激が減ってしまい。それでも作れるようになりたいので、いまはそこを意識しています。

ー東京進出を考えたことはありますか?

割とこの一年間で、全ての業界の動きが変わった様に感じるから、様子を伺いつつ…….でも、東京のどん底を一回感じてみたい気もしています。クリープさんの初期の曲は、なかなか曲としては描けない話ばかりで。もう廃盤の曲なんですけど、「消費者金融の角を曲がれば、綺麗な女の子が銭湯に行く」みたいなことが歌われていて。そうなりたい訳ではないけど、その世界観にくらっている自分がいるから、東京でリアルを目撃してみたい感はある。

ー今年チャレンジしてみたいことを教えてください。また、10年後はどこで何をしていたいですか?

音楽をやっていく上での一生の目標は、自分が100%納得できる曲を作ること。世の中が求める音楽じゃなくて、自分が作りたい音楽を作って、それをどのように広げていくかが課題です。今年は引き続きライブの開催は難しいと思うので、いい曲を作って、貯めていきます。あと、いろんなアーティストとやってみたい。僕ひとりの力だけじゃなく、「こいつらやばい!」の波を作りたい。同世代のミュージシャンが、いろんなジャンルで活躍している時代なので。Mega Shinnosukeは仲良いし、君島大空さんや崎山蒼志くんも凄いですよね。アイドル全盛期のJ-POPだったら、オルタナすぎて認知されなかったミュージシャンも、今はメインストリームに行ける時代なので、今年はいろんなミュージシャンと曲を作りたいです。そして、いつか紅白に出たい。音楽をやって行くって決めた以上、これで食べていく訳だから、夢のままで終わらせちゃいけないと思っています。でも、紅白出演アーティストになっても、古着屋のインスタに出たりとか。カルチャーは忘れずにいたいですね。そして10年後は、音楽以外のこともトライしたいと思っています。絵の個展を開催したり、ラジオやバラエティーへの出演とか、実は演技にも興味があって。今はまだ未熟ですが、生きている限りトライし続けたい。その力を、今のうちに身につけたいと思っています。最終的には、スーツにカラフルなネクタイとかを合わせている、オシャレなおじいちゃんになっていたいですね。

INFORMATION

1st Full Album
『来光』

2021.4.7 Release
M1.僕が死んでしまっても
M2.MENOU
M3.ベッドタイムキャンディー2 号
M4.MIDNIGHT DANCING
M5.TWICE
M6.春に微熱
M7.博多駅は雨
M8.インサイダー
M9.パジャマ記念日 feat.kojikoji
M10.Youth love
M11.拝啓(Freestyle)
M12.せいかつ
M13.アフターパーティー

New Digital Single
『Youth love』

2021.2.17 Release
https://ssm.lnk.to/Youthlove

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