MUSIC 2017.12.18

東京の街を舞台にした「RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2017」をプレイバック

© YUSUKE KASHIWAZAKI / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017
EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

10月22日(日)〜11月17日(金)にかけて、東京の街を舞台として開催されたフェスティバル「RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2017」。会場にはライブハウスやクラブはもちろん、小学校跡地、タワーレコード渋谷店、日本科学未来館などさまざまな場所がセッティングされ、計14イベントを敢行。ロック、ヒップホップ、ゲーム音楽、エレクトロニックミュージック、ノイズ、即興音楽、アイドル、歌謡曲、オーディオヴィジュアルショー、パフォーマンスアート、カルト映画、さらにはレクチャーやワークショップ、トークイベントまで、なんとも振り幅の広い内容で行われた。ここでは、そのなかでも印象的だった2イベントをレポートしたい。

© SO HASEGAWA / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

11月3日に渋谷WWW Xで行われた〈AT THE CORNER〉は、Seihoとokadadaを旗振り役とし、まだまだ無名のトラックメイカーやDJたちが日本全国から集まったイベントだ。事前に一般応募も行い、全345通のなかから選ばれた16組が出演、というストーリーからして熱い。
もちろん当日のフロアも沸き立っていて、例えばシカゴハウスからニューウェイヴまでスピンしながら、ごった煮というよりは独特のグルーヴをまとったDJプレイが光ったnutsmanや、オリエンタル×ベースミュージックなバッキバキのサウンドをブチかましながら歌い、踊り、巻き込んでいった覆面ユニット、PALECORE(実はあのグループだった人も参加している、という噂)。そんな一筋縄ではいかない面々ばかりで、2018年にこの〈AT THE CORNER〉を振り返ったときに、ここに出ていたフレッシュな才能たちがそれぞれに活躍しまくっている、というのもあながち誇張ではないのかも。というワクワク感と熱気に満ちた一日となった。

© SO HASEGAWA / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

2つ目は、「RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2017」のなかでもひときわ異彩を放った〈ENTER THE NOISE〉を。まずはこの日の様子から見てもらいたい。

© YASUHARU SASAKI / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

© YASUHARU SASAKI / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

© YASUHARU SASAKI / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

© YASUHARU SASAKI / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

© YASUHARU SASAKI / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

© YASUHARU SASAKI / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

© YASUHARU SASAKI / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

会場となった六本木SuperDeluxeに入るや飛び込んできた光景はこんな感じ。京都を拠点とするパフォーマンスアート集団、ANTIBODIES Collectiveとノイズの帝王=MERZBOWがコラボレートするという、先鋭と先鋭が対峙して溶け合ったエクストリームな夜だ。多くは語るまい、この表現がひとつのフェスティバルのなかに存在すること自体が、レッドブルの視線と懐の深さを感じさせる。だってポップも前衛も、同じく、情熱と覚悟をともなった表現なのだから。


ここまで縦横無尽なラインナップが実現してしまうのも、レッドブルだからこそ、だろう。

あ、あと(2つと言いながら3つ目になるけど)、数珠つなぎで即興演奏が繰り広げられた〈ROUND ROBIN〉において、灰野敬二がいきなり(予定調和を崩壊させるかのごとく、まさかの)太鼓を叩きまくる、という瞬間もすばらしかった!

© YASUHARU SASAKI / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

レッドブルによる新たな挑戦は、はじまったばかり。人、時代、場所、価値観、いくつもの点や線をリアルな現場で交差させていった先に、次なるムーブメントは生まれるのだから。

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