[GROOMING GROOVE]貝印と探る“整える”カルチャー
#03 ビーアット / ビームス土井地博が生活のなかで実践すること

photography_Hiroshi Nakamura, cooperation_Goodage, BE AT STUDIO HARAJUKU, edit&text_Takuya Nakatani

[GROOMING GROOVE]貝印と探る“整える”カルチャー
#03 ビーアット / ビームス土井地博が生活のなかで実践すること

photography_Hiroshi Nakamura, cooperation_Goodage, BE AT STUDIO HARAJUKU, edit&text_Takuya Nakatani

時代というか、意識の流れみたいなものは確実に変容してきている2021年。自分と向き合う時間も、日々の生活を見つめ直す機会も多くなった。で、今日はどんな調子?

1908年創業の総合刃物メーカー貝印は、ツメキリやカミソリなどといったグルーミングアイテムも多数揃える。グルーミングとはすなわち自分をケアすることであり、そういった“整える”という行為/時間自体に意識的になることって、実は大切なんじゃないか。そこへのこだわりにこそパーソナルな魅力が潜んでいるんじゃないか。そう考えると、“整える”とはカルチャーだ、と言えるかもしれない。そこに漂うかっこよさこそ、いまにフィットする。

“整える”をひとつのカルチャーとして捉えて、そのグルーヴにフォーカスする連載シリーズ「GROOMING GROOVE – 貝印と探る“整える”カルチャー」。第3回はビーアット代表であり、ビームスのコミュニケーションディレクターも務める土井地博さんに訊く。「“整える”ことを生活の中心に置いている」と話す土井地さんが、日々実践していることとは。

土井地 博

(株)ビーアット 代表取締役 / (株)ビームス 執行役員 経営企画室グローバルアライアンス部 部長 兼 コミュニケーションディレクター
「様々なテクノロジーを駆使しながら、世界に眠る様々な才能の発掘とその掛け合わせで生まれる新たな歴史、人、場所、想いをひとつのストーリーにして紡いでいく」というメッセージを掲げ「全ての表現者が創造することによって生きていける社会」を実現する(株)ビーアット 代表取締役を務める。また(株)ビームス 執行役員としてグローバルアライアンス部を設立。国内外の企業や組織、ブランド、人などと次世代に向けた新たなビジネスモデルを構築している。そのほか、プロデュース事業やオンラインサロンの運営、ラジオパーソナリティー、大学非常勤講師、司会業、各講演など活動は多岐にわたる。@hiroshi_doiji

Scene 1:朝のルーティン
「“整える”ことでリズムをつくる」

貝印「Foresty」:スタイリッシュなデザインかつ、自立ハンドルで立てて保管できるため衛生的に使用できる替刃式カミソリ。5枚刃で深剃りしつつ、保湿効果に優れたスムーザーと、水を含むことで潤滑性能を上げるスムーザーを刃体の上下に採用し、なめらかでやさしい剃り心地を実現している。https://www.thann-natural.co.jp/product/detail/1897

「朝起きて、顔を洗ったり歯を磨いたりヒゲの手入れをしたり、身だしなみを整える。ストレッチをして身体を整える。1日のはじまりの“整える”は、その日のリズムをつくっていくもの。その1日がすてきになるための環境づくりですね。寝坊してバタバタしたまま仕事に行くと、やっぱり調子も出ないから。ヒゲを整えたりスキンケアをしながら、鏡越しの自分と対話をするのも大事な時間。植物の手入れと一緒で、やっていること自体が好きというのもありますけどね」

「ルーティンを決めることもルーティンにしている。1日24時間という限られた時間のなかで、なにをするか。気づきや学び、楽しさといったものを得ようとしたときに、自分なりの決めごとをつくっているとプラスに向かいやすくなる。『人と会ったら必ず挨拶をする』だとか、そういう基本を大事に。普段は気にしないような当たり前のことを意識的に気にかけようとしている」

「ルーティンを変化させたり、増やしたりというのは常に考えています。尊敬する人や身近にいる人が勧めていることを自分なりに解釈して取り入れるのは好きなので。最近だと、瞑想も取り入れたいなと思っている」

毎朝のグルーミングでは、ヒゲを整えるのはもちろん、ビュリーのクレンジングウォーターで皮脂を落としたり、フェイスクリームで肌をケアしたり。目尻や眉間のシワにはアンティポディースのアイクリームをなじませる。ル ラボのフレグランスはユニセックスな香りが気に入っているそう。

Scene 2:散歩をしながら今日のことをイメージする

「散歩も日課にしています。朝、散歩しながら『今日はどんな1日にしようかな』と考える。今日はこういう予定だから、こういった服を着ていこうかな、手土産はどこで買おうかな、とか。朝、行けなかったら夜にするようにしている。最近、近所の友達とよくしているのが、なんとなく方向だけ決めて、地図アプリも見ないで歩くということ。ルートを決めずに、いつもと違った道を歩くことで見える景色を変える。長年住んでいても、初めて見る景色って結構あるんですよね。そうやって知る角度を変えるとおもしろいし、そこから閃くこともある」

Scene 3:ジムで身体を動かす
「フィジカルもメンタルもつながっている」

「ジムには週1〜2回来ますね。ここのパーソナルジムのほかに、24時間営業のジムだとか、時間と用途に合わせながら。筋トレしていると『なに目指してるの?』ってよく言われるけど、べつに大会に出たいわけでもなくて。関節の可動域を広げていくと、呼吸も深くなるから、結果、睡眠も深くなる。身体を動かすことで心が前向きになると、仕事も良い方向に向かっていく。結局、フィジカルもメンタルも全部つながっているから、全体像で考えて、全身で整えていくようにしています」

「自分のなかに存在する静と動を見つけていく作業は、生活をしっかり見つめ直すきっかけになる。運動と睡眠、交感神経と副交感神経、活発的になることと気持ちが落ち着くこと。そういった静と動を行き来する、というリズムを何事にも取り入れたい。昔は、“ながら”という器用さに憧れたこともあったけど、いまは振り幅やメリハリのある人に惹かれますね。週末はサーフィンをして野菜を育てたりもするけど、平日はDXの仕事をバリバリしていたり。そういうギャップに憧れる」

Scene 4:仕事のスタイル
「相手への丁寧さが自分のためにもなる」

「自分自身を整えていると、心も落ち着いて、それが仕事の丁寧さにもつながっていく。とくに身だしなみを整えるのは、自分のためだけじゃなく、相手に不快感を与えないためにも必要。そこは洋服や髪型と同じ。人に対してのマナー、人への丁寧さ。それが巡り巡って、自分のためにもなるから」

ビームス本社オフィスでの様子。「デスクに座って仕事をするんじゃなく、立った状態ですることもある。このほうがコミュニケーションをとりやすかったりするんですよね。会議室を使って、“会議”という形になると偉い人しか話さなくなっちゃうけど、“立ち話”にすると誰かが通りがかったときに『ちょっと話聞いてくんない?』みたいにカジュアルに話せるし、わりと手短にいける。会議だと1時間かけるところが10分で終わっちゃう。時間の使い方も含めてすごく効率がいい」

「“整える”は自分らしさを表現すること」

「SNSなどのデジタル・コミュニケーションは、人と人の距離を99%近づける素晴らしい道具、技術だと思っている。残りの1%は、信頼できる人のひとこと。『それ似合っているから絶対に買ったほうがいいよ』『最近、雰囲気あっていいね』といったような。その1%を、いつどこで誰とどういうふうに共有できるか。これから先、どんな1%を体験するんだろう? というのはいつも考えています。さまざまなデジタル・ツールを駆使して99%を知ると同時に、信頼できる人が放つ1%の情報。その両方に興味があるし、そこに未来があると思いますね」

「自分ってなんだろう、というのを見つめ直すときに、“整える”ことが答えを引き寄せる近道だと思う。自分と対話をする、潜在的な能力を見つけようとする。“整える”って自分らしさを表現することでもあるから。あとは仲間が教えてくれる。そのほうが人生楽しくないですか?」

INFORMATION

[GROOMING GROOVE]貝印と探る“整える”カルチャー
#03 ビーアット / ビームス土井地博が生活のなかで実践すること

BE AT TOKYO
https://be-at-tokyo.com

土井地博
https://www.instagram.com/hiroshi_doiji

貝印
https://www.kai-group.com

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