写真家・高木由利子の最新写真集『Threads of Beauty 1995–2025 ― 時をまとい、風をまとう。』が、株式会社青幻舎より2026年3月下旬に刊行される。
名だたるブランドの撮影を手がけ、モードの最前線で活躍してきた高木由利子。本書は、彼女が自身のライフワークとして30年にわたり継続してきたプロジェクト〈Threads of Beauty〉の全貌を収めた写真集だ。
京都・二条城を舞台にした『KYOTOGRAPHIE 2023』での展示や、クリスチャン・ディオールとのコラボレーションでも注目を集めた高木は、英国・Trent Polytechnicでファッションデザインを学び、デザイナーとしてのキャリアを歩んだのちに写真家へと転身。当初は風景やヌードを主題としていたが、その後、イッセイミヤケをはじめとする世界的なファッションブランドの仕事にも携わるようになった。
そうしたファッションの現場に身を置く一方で、長年にわたり取り組んできたのが〈Threads of Beauty〉である。1995年、服と人の関係の原点を探るべく始まったこのプロジェクトでは、ボリビア、中国、インド、イランなど、日本を含む世界13カ国を巡り、伝統服を日常的にまとう人々の姿をレンズで追い続けてきた。




高木が見つめてきたのは、民俗学的な記録ではなく、その土地で生きる人々がまとう圧倒的な「格好良さ」だ。日本における着物のように、世界各地で伝統服が日常から消えつつある現状を惜しみながらも、それを現代の生活様式へと移行していく自然な営みとして受け入れている。その上で彼女が追いかけた「格好良さ」は、アイデンティティの探索であり、国境や時代を越えて続いていく普遍的な問いでもある。
本書には、1,000枚を超える膨大なアーカイブから厳選された写真を、362ページにわたって収録。全編モノクロームで構成された静謐な写真とともに、高木が現地に降り立って感じた驚きや感動を綴ったテキストも織り込まれている。巻末には、長年の盟友であるクリエイティブ・ディレクター 小池一子による寄稿も掲載される。
衣服と身体、土地と時間、その交点にある美しさを静かに見つめ続けてきた30年。その軌跡を一冊に束ねた待望の写真集をその手に取って確かめたい。
INFORMATION
『Threads of Beauty 1995–2025 ― 時をまとい、風をまとう。』
■著者プロフィール
高木由利子(たかぎ・ゆりこ)
写真家。東京生まれ。武蔵野美術大学にてグラフィックデザイン、イギリスのTrent Polytechnic にてファッションデザインを学んだ後、写真家として独自の視点から衣服や人体を通して「人の存在」を撮り続ける。近年は自然現象の不可思議にも深い興味を持ち、「chaoscosmos」というプロジェクトの映像を含め新たなアプローチに挑戦し続けている。近年ではKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2023、「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展に参加し話題となる。『Dior by Yuriko Takagi』(2025)を刊行。パブリックコレクション:東京国立近代美術館、原美術館、他
■書誌情報
発売:2026年3月下旬
書名:Threads of Beauty 1995‒2025―時をまとい、風をまとう。
著者:高木由利子
グラフィックデザイン:長嶋りかこ(VillageⓇ)
判型:A4
総頁:362頁
製本:並製
定価:12,100円(本体11,000円)
ISBN:978-4-86152-992-4 C0072
詳細:https://www.seigensha.com/books/978-4-86152-992-4/