レゴグループが、アーティストのFUTURAとのクリエイティブ・パートナーシップを発表した。今回コラボレーションするのは、今年15周年を迎えた『レゴ®ニンジャゴー』から生まれた派生シリーズ『レゴ®ニンジャゴー レジェンド』。ニンジャたちを主人公とする新たな冒険物語の世界に、FUTURAは自身の表現をどう重ねたのか。来日した本人に話を聞いた。

9月25日、東京・南青山にて、FUTURAのアート作品「ニンジャ・オブ・ザ・フューチュラ」の発表イベントが開かれた。会場には、『レゴ®ニンジャゴー レジェンド』の世界観に着想を得た、3体のハンドペイント作品を展示。FUTURAを象徴するポイントマンや手描きのグラフィティも取り入れ、新たなニンジャの姿を生み出した。
15周年を迎え、ストリートアートとカルチャーの世界へ踏み出したレゴ®ニンジャゴー。公式クリエイティブ・コラボレーター兼共同アートクリエイターとなったFUTURAとともに、ファンに新たな視点を届けることを目指している。レゴグループで、レゴ®ニンジャゴーのグローバルヘッドを務めるナイジェル・コングも、今回の協業を通じて次世代の創造力を刺激したいと語った。
イベント後、FUTURAに話を聞いた。
──2019年にEYESCREAMで取材した際、ストリートカルチャーはアウトローから始まり、時間をかけてヒーローのようになると話していました。かつてストリートで描いていたグラフィティが、今では世界中の子どもたちが触れるレゴ®ブロックの世界とつながっています。この変化をどう感じますか?
FUTURA:ストリートカルチャーが、少し悪さをするような若者たちの活動から始まったのは確かです。でも、それはずいぶん昔の話。何十年もの間、多くの若者が自分を表現する方法を探し、僕たちのカルチャーは世界中に広がっていきました。
若い人たちと仕事ができるのは、とても刺激的です。子どもたちは未来そのものですから。僕にも子どもが2人います。もう36歳と42歳ですが、彼らを育ててきた経験から、若い人に何かしらの光や刺激、未来への希望を渡すことの大切さを感じています。今回の仕事が夢のようだと思うのは、若い世代とつながれるからです。前向きなメッセージを届けることが、彼らの未来に少しでも役立つかもしれません。



──グラフィティから音楽、ファッション、トイまで、さまざまな分野で作品を発表してきました。媒体が変わっても「FUTURAの作品」であるために、変わらないものは何でしょうか?
FUTURA:まずはサインかな。作品に署名するとき、それが僕の印になります。ただ、プロジェクトによって表し方は違います。今回の『ニンジャ・オブ・ザ・フューチュラ 』にも、原子のモチーフや抽象的な点など、僕が使ってきた要素を入れています。長年かけて、自分のものだと分かってもらえるスタイルをつくってきたと思います。その表現を、歴史があり、尊敬されているレゴブランドの世界に加えられる。僕にとって大きな出来事です。
──90年代から日本のカルチャーと関わってきました。今の日本の若いクリエイターを見て、変化や変わらない魅力を感じることはありますか?
FUTURA:もちろん、時代とともに変化は見えます。ただ、今の日本から出てくる若いアーティストを全員知っているわけではありません。今回、若き日本のクリエイターたちにも会いました。比較的新しい世代で、日本を世界に向けて代表する存在が生まれていると思います。
一方で、日本に来るたびに感じるのは、平和で、禅にも通じるような伝統的な空気です。ニューヨークの暮らしとは違う生き方がここにはある。その文化を体験できることに、いつも感謝しています。


──AIによって画像やデザインを簡単につくれる時代です。一方で、レゴ®ブロックのように実際に触れ、手を動かして何かをつくる体験の価値は、これから高まるようにも感じます。AIの広がりをどう見ていますか?
FUTURA:AIの可能性も、すでに僕たちの生活に入り込んでいることも理解しています。僕自身は使っていませんが、怖がっているわけではありません。ただ、技術が進むほど、人間らしさを大切にする必要があると思います。人が生み出したオリジナルのものは、これからも求められ続けるはずです。
便利で、早くて、簡単なものを選ぶうちに、人と人との交流が薄れていくことは気になります。若い人たちには、デバイスに頼りすぎると、僕たちを豊かにしてくれる人間同士のつながりから遠ざかってしまう、と伝えたい。
それでも僕は楽観的です。AIがさらに広がることで、かえってアナログなものや、実際に手を動かしてつくることへ向かう人が増えるかもしれない。そういう未来もあると思っています。
