INFORMATION
“THE BLACK BOX”
◼︎THE BLACK BOX
https://www.instagram.com/theblackbox_official
◼︎数量限定パッケージ「ブラック・エディション」
https://www.jti.co.jp/investors/library/press_releases/20260924_J01.html
去る10月10日、東京・Spotify O-EASTで招待制のオールナイトイベント「THE BLACK BOX」が開催。
DJ KANJI、7、Kaneee、eyden、DJ TATSUKI、NoCAP CLUB TOKYO、EVA BLUU、Monyhorse、Benjazzy、¥ellow Bucks、DJ U-LEEと、なんとも豪華なライブイベントが実現した。
シーンを牽引するラッパーたちが放った熱気、漆黒のドレスコードに応じたオーディエンスの熱量、そしてスナップから見る独自のスタイル。確固たるカルチャーの深度を提示したオールナイトイベントの全貌をレポートする。


イベントのオープニングをスロウなR&Bで彩ったDJ KANJIは、フロアを観ながらDaichi Yamamoto、IO、C.O.S.A.、Yo-Sea、Gottzらのナンバーを織り交ぜてビートのペースを少しずつ上げていった。また「Lowkey (feat. MALIYA, 3House & IO)」など自身名義も多数プレイ。持ち時間の終盤にはマイクを握って、「この前、和歌山の友達と曲作ったんで、ライブ前の準備運動だと思って、一緒に歌ってよ」と「デコボコフレンズ (feat. ENEL, MIKADO & SKy NET) [Remix]」をかけ、大きなコールアンドレスポンスで観客をあたためた。

photo by twlst
すでにパンパンになった会場に、ピンクのストロボが焚かれ、アディダスの黒いジャージに赤のボブカットが映える7が現れる。彼女のリリックには、しばしばたばこが登場する。ライブの1曲目に歌った代表曲「非行少女」も同様。この曲では、青春のワンシーンを描写するアイテムであると同時に、その環境や内面をも表すギミックとして機能している。7はDJ KANJIがプロデュースした「MONEY UP」、フロアバンガー「Boss Bitch」、カリスマを見せつける「峰不二子」をパフォーマンスしたのち、今年の7月7日にリリースしたEPのタイトル曲「7Star」を最後に歌った。この曲ではセブンスターが非常に重要なモチーフとなっている。興味のある人は、改めてリリックを読み返してもらいたい。

photo by Kohki Kanai
2番目のKaneeeはストイックに引き締められたボディに黒のタンクトップという出で立ち。首にはチェーンが光る。曰く、最近グリルズ・ジュエルズで作ったとのこと。Kaneeeは「これもみんなのおかげだと思ってます」と満員の会場に向けて感謝を伝えた。「ラップスタア誕生 2023」でパワフルな歌唱と光るメロディセンスをSTUTSに見出された彼も、すでにシーンの中心で活躍するラッパーになった。代表曲「Life is Romance」は観客がフックや合いの手を大合唱。ポジティブな一体感を作っていく。憧れのLAに着いた時の感情を詰め込んだ「LAX」、リリースされたばかりの「WEEKEND」や「Roll it up」を歌唱していった。そしてSTUTS & ZOT on the WAVEによる「Mom & Dad」には7が客演。大歓声&大合唱となった。

photo by ZEN
Kaneeeのメロウな雰囲気から一転、eydenはいなたいオールドスクールチューン「ワイスピ」でライブをスタートさせる。LAから帰ってきたばかりだという彼は、ラグジュアリーにきらめくタグつきのキャップをかぶり、タイトなブラックデニムを腰履きするB-BOYスタイル。ヒップホップドリームをテーマにした「AF1」「一億円」といったバンガーで観客をジャンプさせた。さらに西海岸バイブス満タンな「Swaggin」ではKaneeeが客演。招待制とは思えない豪華な共演の連続に観客は満面の笑顔を浮かべていた。そこに代表曲「PAPER SHIT」を投下。イントロのビートが鳴った瞬間から「オイ! オイ!」とチャントが巻き起こる。「HOT BOYZ」「Muchu」とバンガーを連発したのち、“田舎から広げていくこのイメージ 縛られないよそのケージ”というラインが光るKoshyと制作した「family」をプレイ。パーティー・バイブス満タンのパフォーマンスで観客のテンションとアルコールの摂取量を爆上げさせた。

photo by twlst
だが「THE BLACK BOX」はまだまだこれから。DJ TATSUKIがDJ CHARI & DJ TATSUKI名義でプロデュースした「I’m The One (feat. LEX & NENE)」「GO FLEX (feat. Bark, eyden & Watson)」「ALL FRIENDS (feat. Fuji Taito, Kaneee, eyden & DADA)」を立て続けにプレイし、マイクで煽りを入れながらかけた千葉雄喜「チーム友達」からの「アニョハセヨ」でとてつもない一体感を作り出した。さらにおそらくこの日一番大きなシンガロングになったのがMIKADO「Aura (feat. Jellyyabashi & Tiji Jojo)」、LEX「力をくれ (feat. ¥ellow Bucks)」、Siero「ニコニコ」の流れ。日本のヒップホップシーンにおけるメインストリームをそのまま体感できる選曲となった。
さらにDJ TATSUKIは今回の開催地となった渋谷・円山町にちなんで、東京ローカルの楽曲を届けていく。まずはMasato Hayashiの代表曲となった「HIROYUKI」から、一緒に作ったという未発表の新曲につなげ、さらに東京テーマのバンガー「City of Dreams (feat. IO & MonyHorse)」からKANDYTOWNのクラシック「Get Light」へ。Kohjiya「Never Disappoint」、MIKADO「ENVY」と続けた後、「男の子が多く見えるけど、女の子もいますか?」とDJ TATSUKIが声をかけると女性たちからも大きなレスポンスが。そしてクラシック「GYAL IS EVERYTHING」を贈った。クライマックスは「GOKU VIBES (feat. Tohji, Elle Teresa, UNEDUCATED KID & Futuristic Swaver)」。シーンの人気曲を中心にブランニューとクラシックを織り交ぜたプレイリストで会場を上気させた。

photo by Ryusei Sabi
ここからはダンスチームによるパフォーマンスタイム。1組目はNoCAP CLUB TOKYO。メジャーなアーティストのコレオグラフからストリートなダンスイベントまで幅広く活動している。YZERR「100 Bottles (feat. Candee & Carz)」などに合わせてオリジナルの振り付けで力強いダンスを見せた。そして彼ら名義の楽曲「BAKUCHI」にはeydenが参加。あまりにもスペシャルなステージをみせてくれた。2組目のEVA BLUUは女性だけのチーム。トラヴィス・スコットをはじめとするUSヒップホップでストリートの不良っぽい香りが漂うダンスを披露した。アスリートを彷彿とさせる引き締まったボディから繰り出されるタイトな動きに、男性客は息を飲み、女性客は大きな歓声を送っていた。

photo by Kohki Kanai

photo by Kohki Kanai
時計の針が深夜3時を回った頃、Monyhorseが登場する。1曲目の「I Know」からビートに対してゆったりと乗せていくラップのグルーヴがあまりにも心地よい。MCでは「三連休1日目、みんな楽しんでますか?」と何度も煽ってから、「やるなら今しかねー」でフロアを絶叫させた。Monyhorseは「(O-EASTは)初めてワンマンした場所なんで思い出深いです。みんなが元気よく歌ってくれて……もう言うことない」とイベントの空気感を噛み締めた。そこから「東京の週末を愛してるってやつは全員ハンズアップ。てか東京が最高だよね。どこで生まれたか関係ない。とりあえず今住んでる東京が最高だって人はどんだけいますか?」と話してから、「City of Dreams」と「TOKYO KIDS」をぶちかます。「Damn」などスタイリッシュな楽曲から、ラストはY’S「楽C人生」で熱気あふれる一階はもちろん、二階席までポジティブなバイブスで包み込んだ。

photo by Kohki Kanai
続いてステージに立ったBenjazzyは1曲目からハードなスピットで一気に空気を変えた。エネルギー満タンといった様子で、「NOTFORSALE」「Fashion Week」(Watson)「B2B」(BAD HOP)「R2R」(B2B)とパワフルかつスキルフルなラップでゴリゴリとフロアのテンションを掌握していった。Benjazzyは「今日放送された『RAPSTAR 2026』観た人いますか?」と問いかけると、特に男性から声が上がる。彼は今年の審査員の1人だ。「本当に良い時代だと思います。しかもみんな招待なんでしょ? 最高っすよ」と続けた。「この中にラッパーになりたいって人、どれくらいいますか?」「手をあげてくれたやつらにこの曲歌うので最後までよろしくお願いします」と「UNTITLED」を歌う。ラストの「3MINITS」までラップ愛に満ち溢れた熱いステージをみせてくれた。

photo by ZEN
あっという間にヘッドライナー・¥ellow Bucksの時間に。「Slide Up (WYFL Freestyle)」の突き抜けるキックの低音とともにライブがスタートする。深夜の¥ellowbucksは色気が3倍増しになる。「Ma Boyz Remix」からの「Big Shit Trouble」にはeydenが参加する。2人のグルーヴで男女を踊り狂わせると、¥ellowbucksはステージ中央に無言で仁王立ちした。マイケル・ジャクソンを彷彿とさせる演出にフロアの声は徐々に絶叫に変わっていく。溜めに溜めてから「Yessir」をドロップすると大合唱になった。「eydenと一緒にLAから帰ってきたばっかなんで、今日は良いライブやれるから」と嬉しい報告から「8UP」で3人のダンサーも参加。「My Resort」は持ち前のダイナミズムをセクシーに撒き散らしていく。4時を過ぎた頃、ロマンチックな「Blessed」へ。深い時間にぴったりなメロウチューンに酔いしれていると、なんとKaneeeもステージに。豪華すぎる共演のあとは艶やかな「Miss Luxury」。明け方のO-EASTが幸福感で満たされていった。
「俺がタバコ吸いながら作った曲を歌っていいですか?」と「Keep Smoking」を歌う。この曲は吐き出したタバコの“煙”と、内面に秘めたラッパーとしての志を“狼煙”に重ねて描いた初期の名曲だ。時代が移り変わろうとも、自らの信念とスタイルを貫き続ける。その揺るぎない姿勢は、ブランドが持つ独自の美学や世界観とも深く共鳴する1曲と言えるだろう。

photo by twlst
あまりに良い空気感だったのか、¥ellowbucksは「本当は次の曲が最後だけど、勝手に終わるの寂しくなった」とこの日、バックDJを務めたDJ KEKKEとステージ上で相談して、急遽「Bussin’」を盛り上げてから、代表曲の「Higher」で素晴らしいライブを締めくくった。

photo by twlst
クロージングはDJ U-LEEが務めた。「不幸中の幸い」(YENTOWN)「うっせー」(Monyhorse)といったYENTOWNクルーの楽曲を中心に、PETZ「Blue (feat. Jin Dogg)」などメロディアスなナンバーも織り交ぜて、徐々にフロアのテンションをペースダウンさせていった。まばらになったフロアには最後の最後まで楽しみたいヘッズが残っていた。閉店時間になっても「もう1曲!」と求められたU-LEEはJJJ「Baby」、STUTS「Changes feat. JJJ」の2曲をかけて、濃厚なパーティは感動的に幕を下ろした。

photo by Kohki Kanai
オープニングからクローズまで、黒一色の熱気で満たされたSpotify O-EAST。いまの日本のヒップホップを牽引するアクトたちが鳴らした音と、フロアに漂う煙の匂い、そして最後までフロアを離れなかったヘッズたち。豪華なラインナップでありながら、現場には肩肘張らないパーティーの空気が終始流れていた。あの重たいビートと熱気は、しばらく耳から離れそうにない。









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