写真家の北岡稔章による個展「等しく、美しい Equally, beautiful」がPrism Lab.KICHIJOにて、3月23日（水）より開催される。

キャリアを通して人の感情の揺れ動きや、不安定さの美に着目して活動してきた氏は、5年前から、マクロレンズカメラや多重露光表現を用いながら、花や植物を被写体に、不完全な自然の美しさと儚さを撮り続けてきた。それらをまとめた写真集「Equally, beautiful」を2020年に出版社applauseから刊行。それ以降、初となる今回の個展では、同写真集に収められたフィルム写真をはじめ、未収録のカットなどのコンタクトプリントを中心に展示が行われる。

「花といる時は私の知らない汚れを落としてくれ、
いつも見る東京が違って見える。
マクロの世界で見る景色は
暮らしのなかでは見えない世界である。
カメラを介してしか見ることの出来ないイメージに、
水面の揺らぎやぶらすレイヤーを足し、
さらに輪郭を曖昧にすることで、
「見えるもの」と「見えないもの」
また「その間のなにか」を
何度も往復させることを可能にする。
都会のなかで目には見えない不完全な自然に
出会うための大切な行為である。
繰り返す夕焼けのグラデーション、柔らかな雲、
空の青さは日々違う。
私はそれらに気付いて生きていたい。」ー北岡稔章