陶作家・安井ちさとの大規模個展「Whereabouts」が9月13日より山梨県北杜市のGASBON METABOLISMにおいて開催される。

「身体と造形の関係性」への興味をきっかけに、大学で陶芸を学んだ後、素材と自身の身体との対話を通して、“陶芸”の枠に留まらない作品を制作・発表をしてきた安井。「何かを描いたり作ったりすることで、常に自身の感覚の触手の行く先に見え隠れする何かを追いかけているような心地でいる」と安井は説明するように、素材と身体の関係性を深め続ける中で生み出された作品は、多面的な造形や多彩な表面の肌理を見て取ることができる。

本展では、高さが2mを超える大型作品に加え、新作を中心とした作品を展示。先立つ身体経験を何度も重ねることで蓄積された感性により生み出された作品とその空間に浸りたい。

GASBON METABOLISMにて安井ちさとさんの新作展示を開催できることを心より嬉しく思っています。陶で制作された安井さんの作品たちは、それぞれの形と量と表情の発するエネルギーで空間への共振を促します。その共振の空間に身を置くことで普段触れることのできない感覚の細部に導かれる効果を持っている様に思います。安井さんの手先から生まれた象は、窯で焼成されて締まり、釉が彩を纏わせて現れます。その陶の作品たちは、鋭敏な受送信機のように、精度を増して空間に存在しています。GASBON METABOLISMの展示空間とその共振を織りなす安井さんの作品達の空間を楽しんでいただけますと幸甚です。
—GASBON METABOLISM