INFORMATION
成田輝 展「遠くのペラペラ」
会期:2025年7月4日(金)- 8月10日(日)11:00 – 17:00
会場:GASBON METABOLISM(山梨県北杜市明野町浅尾新田12)
休廊:火・水・木曜 ※開廊時間外はアポイントメント制にてオープン可
*オープニングレセプション:7月5日(土)17:00 – 20:00
美術作家・成田輝の個展「遠くのペラペラ」が、山梨県北杜市のアート複合施設、GASBON METABOLISMにおいて7月4日から開催される。
登山時に見た眺めが、まるで平面のように見えたという体験をきっかけに、空間の把握とその錯覚について問い直し続けてきた成田輝。本展のタイトルである「遠くのペラペラ」は、そうした視覚体験から浮上する感覚のズレ、認知のフラット化、そして“仮象”としての風景への皮肉とも読み取れる言葉となっている。
主作品となる新作《不在の視線》は、縦長の黒い鏡面に景色を凹凸で表現しつつ、近づいた観覧者の目には自分自身の姿が映りこむ構造となっており、「鑑賞者」と「作品に映る鑑賞者の姿」、そして「作品」と「鑑賞者の網膜上で結ばれた像」という関係が立ち現れることとなる。
以下、作家ステートメントだ。
遠くの山が平面的に見えた体験が、制作の出発点となっている。
その時の山は確かに実在していたが、どこか懐疑的な感覚を伴っていた。
色のコントラストの問題なのか、物体としてあまりにも大きすぎるせいなのか——
そのためにボリュームを把握できなかったのかは分からない。ただ、輪郭だけがはっきりと見え、その様子がまるで背景画のように、現実ではなくイメージの世界に属しているように感じられた。この体験をもとに、現実をいったん平面化し、距離をとるようにして捉え直す。
そして、そのイメージをもとに、物質を用いて三次元空間へと再構成していく——
空間を探るように。
この過程は、一度フラットになった現実を、自分の身体を媒介にして物質的な現実へと再び立ち上げるプロセスであり、イメージと現実、視線と物質のあいだを行き来する往復運動でもある。
そのなかでは、誰のものとも知れない不在の視線が、余白を生み出している。イメージは物質となり、やがて再びフラットな像へと還っていく。
その揺らぎの中で、「見ること」と「存在すること」の輪郭を探っている。成田輝
本展にあわせて、成田によるドローイングをプリントしたTシャツやキャップなど、オリジナルグッズの販売も予定している。
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会期:2025年7月4日(金)- 8月10日(日)11:00 – 17:00
会場:GASBON METABOLISM(山梨県北杜市明野町浅尾新田12)
休廊:火・水・木曜 ※開廊時間外はアポイントメント制にてオープン可
*オープニングレセプション:7月5日(土)17:00 – 20:00