ドイツ・ベルリンを拠点に活動するアーティスト、ヘレン・バーホーベンの日本初となる個展が、東京・中目黒の「104GALERIE」にて7月5日（土）まで開催中。最新作のペインティング作品が展示されている。

UNDERCOVERの2024年春夏メンズコレクションで絵画が採用されたことでも話題となったヘレン・バーホーベン。人間の力強さと無力さ、そして欠点といった要素がひとつの作品に共存するバーホーベンが描く独特な世界観は、彼女が経験してきた青年期に由来する。

1974年にオランダで生まれたバーホーベンは、12歳でアメリカ・ロサンゼルスに移住。そこで深刻な経済格差や、校内暴力、薬物乱用の増加などが蔓延する世界に身を置くこととなる。後にサンフランシスコ・アート・インスティチュートで学ぶ間に、ホームレスシェルターや緊急治療室、救急車、中絶クリニックにてボランティア活動に参加。残酷な現実を目の当たりにし、幾度となく向き合う中で、蓄えていった感情や経験が彼女の作品の根幹となっている。

本展のタイトルにもなっている“Another Room-もう一つの部屋”は、本展のためにバーホーベンが描き下ろした作品群。人知れず存在している私的な瞬間が描かれており、見るものに様々な問いを投げかけている。