都市と青年をテーマに制作を続けるアーティスト、GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAEによるアートプロジェクト「獸（第3章 / EDGE）」が、アートフェア「EASTEAST_TOKYO 2025」に合わせ、同会場内となる東京・北の丸公園第一駐車場において11月7日から11月10日までの4日間にわたり開催される。

アートフェア「EASTEAST_TOKYO 2025」が科学技術館にて開催。日本・アジアの約25組のギャラリー／スペースが出展

「獸（JYU）」とは、GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAEによる現代美術の展覧会とライブを組み合わせた7年にわたるプロジェクト。黒い獸を主人公に“都市と人間の境界”を描くもので、その4回目にあたる今回はシリーズ最大規模のインスタレーションとして展開される。

本展では、約6万本のススキと全長15メートルの人工の土手による壮大なインスタレーション空間が出現。サブタイトル「EDGE」は、生と死、現実と幻想、都市と自然など、あらゆる境界（＝EDGE）に立つ人間の姿を示している。

会場では、映像作家・太郎による映像作品の上映や連続的なパフォーマンスなど、ジャンルを越境する表現が展開。Tohji、カネコアヤノ、 GOMA、JUMADIBA、Qiezi Mabo、JUN INAGAWA、Dove、Le Makeupなどミュージシャンに、布施琳太郎、磯村暖、横手太紀、倉知朋之介などアーティストも多種多様にクレジットされている。多彩なアーティストとのコラボレーションによるマーチャンダイズも販売予定だ。

以下、アーティストステートメントとなる。

今回で4回目となる ｢獸（第3章 / EDGE）」は多摩川の河川敷を舞台に青年が獣になるシーンをインスタレーションで立ち上げる。
僕の住んでいた街には川が流れていた。多摩川。子供の頃の多摩川はカオスだった。ホームレスが家を建てて犬を飼っていた、エロ本や週刊少年誌が落ちていた、秘密基地があった、変なおじさんも不良もいた、ススキがワサワサと生きていた。あそこは自分が何しててもいい落ち着くところだった。あの多摩川をまた見てみたいと思った。

多摩川には死もあった。通り魔事件が起きた、少年が少年を殺した、五本松で誰かが首を吊った。水のあるところは死の世界との境界でナイフみたいに尖った草と大きな川の真ん中に鋭角な中洲、見下ろすようにそびえたつ集合住宅が向こう岸に３つ並んでる。

青年は獣になる。
獣になるとはどういうことなんだろう。

この河川敷でゆっくりしてほしい、思い出してほしい、遊んでほしい、獣になってほしい。

GCD☆GCD 『獸』

郊外に生きる青年たちの“記憶と衝動”を、現代の都市神話として体験する試みとなる「獸」。風景の〈裂け目〉から、新しい物語が立ち上がる。