ART 2025.12.10

ペインターのKINJOによる初のキュレーション展「場 -junction-」が馬喰町paecelで開催

EYESCREAM編集部

KINJO、岡田洋坪、大塚諒平、鈴木夏海、木村祐太によるグループ展「場 -junction-」が12月13日より馬喰町parcelにおいて開催される。

本展は、KINJOにとって初めてのキュレーション展。参加作家には、沖縄のルーツと日本・アメリカ文化の交差を背景に、絵画や立体へ反復的な描写と抹消の痕跡を刻むことで、「個人的な存在」を浮かびあがらせるKINJOをはじめ、彫刻・映像・パフォーマンスを横断しながら「どこに現実があるのか」という問いを探り続ける大塚諒平、アートディレクターとしての知性と映像的感性を背景に、タブー視される主題や大衆文化の身体性を学術的な視点から捉える岡田洋坪、音楽・動物・性・精神のイメージを重ね合わせ、時間と空間を多層化させることで、鑑賞者の意識を拡張するような絵画表現を行なう鈴木夏海、特殊造形やメイクの技術、自転車店の運営など多岐にわたる経験を背景に、生活と手仕事が地続きになった「ものづくり」の視点を作品に落とし込む木村祐太が名を連ねている。

それぞれの実践は方向も対象も異なるが、それら作家たちの持ち寄った視点が交錯し、同時にそっと離れていく、静かで手触りのある共同体のような展示となる。

以下、KINJOによるステートメントだ。

都市を歩いていると、ふとした場所に「誰かの跡」を感じることがあります。
川辺のベンチ、釣り人の作った小さな休憩所、落ちている段ボールや布切れ。
それらは長くは残らないけれど、その一瞬に確かに「場」をつくっています。

展覧会のタイトルを「場-junction-」としました。
この企画のはじまりは、大塚諒平と行ってきた「Riverside pocket」という野外展示にあります。
荒川の橋の下や釣り人が作った休憩所のような場所に作品を置き、来たい人だけに場所を伝える。
そんな小さな実践の積み重ねから、この展示の考えは生まれました。
今回の参加メンバーは、作家活動とは別で社会のさまざまな領域で働きながら制作を続けている人たちです。
みんな制作とは別に、それぞれの「仕事」や「生活」を持っていて、そこから見える風景を持っています。
「junction」という言葉は、川が分かれたり、再びひとつに合流したりする地点を指します。
この展示もまた、異なる立場や時間の流れが交わる「場」として存在しています。
展示空間には、それぞれの手や思考が持つ温度、そしてそこから見える風景が静かに重なっています。
作品や人、音や空気がゆるやかに行き交う場所として、この「場」を感じてもらえたらと思います。
ーKINJO

KINJO, Detail of deja vu, 2025
Acrylic, oil stick, house paint, oil pastel, marker, aerosol on
stitch canvas


Ryohei Otsuka, かわ、らについて, 2025


Ryohei Otsuka, ⼿を振っている, 2025

INFORMATION

場 -junction-

会期:2025年12月13日(土) – 2026年1月25日(日)
会場:parcel(東京都中央区日本橋馬喰町2-2-14 まるかビル2F)
休廊:月・火・祝日、12月24日〜1月4日
作家:
KINJO
岡田 洋坪|Yohei Okada
大塚 諒平|Ryohei Otsuka
鈴木 夏海|Natsumi Suzuki
木村 祐太|Yuta Kimura

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