[ZINEspiration]SUMIRE meets TOKYO ART BOOK FAIR

photography_Kayoko Yamamoto, text_Yuri Matsui, Hair&Makeup_Kentaro Katsu

[ZINEspiration]SUMIRE meets TOKYO ART BOOK FAIR

photography_Kayoko Yamamoto, text_Yuri Matsui, Hair&Makeup_Kentaro Katsu

毎回、クリエイティブに携わる人々に、お気に入りのZINEをレコメンドしてもらう連載シリーズ『ZINEspiration』。今回はスピンオフ企画として、10月5日から8日にかけて開催された「TOKYO ART BOOK FAIR(以下、TABF)」を、モデルとして活躍するSUMIREと共に巡り、彼女が会場で見つけたお気に入りのZINEを紹介する。

今年9回目を迎えたTABFは、今回から会場を天王洲アイルの寺田倉庫に移転。国内外の出版社、書店、ギャラリー、アーティストなど、およそ350組もの出展者が参加し、過去最大規模で開催された。
例年ひとつのエリアの出版文化にスポットライトを当てる特別企画「Guest Country」は、今年は中国、韓国、台湾、シンガポールのアジア4カ国にフィーチャー、またドイツのアート系出版社、Steidlがアジアで設立した2つのアワード「Steidl Book Award Asia」「Steidl Award Japan」に関連する展示やイベントをはじめ、サイン会やレクチャーなど、さまざまな角度からアートブックの魅力を伝えるイベントだ。

モデルデビューから4年を迎え、来年はヒロイン役を演じた『サラバ静寂』を皮切りに、2月公開の岡崎京子原作の映画『リバーズ・エッジ』に吉川こずえ役で出演を果たすなど、役者としての活動も活発化しているSUMIRE。「モデル以外にも、活動の幅を広げていきたい」と話す彼女は、今回初めてTABFに訪れたとのこと。

「アートイベントに興味はあるんですけど、ときどき友達と展覧会に行くくらいで。なかなかこういうイベントに来る機会がないので、今日は来れて嬉しいです。大学に入ってから、アジアにいく機会が結構あって、カルチャー的にも関心があるので、アジアを取り上げた『Guest Country』のコーナーも気になります。ちょうど今、部屋に飾れるような本を探してるので、見つかったらいいな」

普段、アートブックは直感で気に入ったものを買うことが多いと話すSUMIRE。生活感のある部屋を撮影した写真など、生々しさを感じるものが好みだそう。

「自分でアートブックを買うときは、特に色使いに惹かれることが多いですね。コントラストが強い感じというか。特定のアーティストで特別好きな人はいないんですけど、アンディ・ウォーホルは展覧会を見に行ってすごく好きでした。ちょっとシュールなテイストも好みなんです。あとは、ユルいキャラクターものも結構好きかも(笑)。自分でもたまに落書きの延長線上でキャラクターのイラストを描いたりします」

TABFは本のみにとどまらず、アーティストの作品や、ユニークなグッズも豊富に販売されている。さらにアーティスト自身が出展しているブースも多数あるため、普段なかなか会うことができない作り手側と直接交流を持って買えることも大きな魅力だ。

「本以外にもかわいいものがいっぱいあるんですね、知らなかった。(印刷会社が出展している)紙のブースも面白いです。通路の右にも左にもたくさんブースがあって、とにかく熱気がすごいですね。情報量が多い(笑)」

アートブックに関心を抱く人の多さに圧倒され「もっとゆっくり見てみたいな」と話しながらも、フレッシュな眼差しでTABFを楽しみ、数多くの中からしっかりと好みのZINEを見つけ出したSUMIRE。彼女が会場でセレクトした 3冊のZINEをご紹介する。

【SUMIREがセレクトしたZINE3冊】

JAY DYMOCK & LUKE VAN AURICH『HARUM SCARUM』

1冊目にSUMIREが選んだのは、オーストラリアの2人組による写真集。タイトルは「向こう見ず」「無鉄砲」「そそっかしい」などを意味しており、オーストラリアのユースの眩くも儚い日常をとらえた写真が収められている。当日はLUKE VAN AURICHのブースで、作家自身が販売していた。

「もともと、生活感のある写真が好きなので、このZINEも写真の生っぽい感じがいいなと思って選びました」

SAIKO OTAKE『STAR STAR』

4組のアーティストが参加するブースから、アーティストの大竹彩子のZINEをセレクト。日本、スイスなど、さまざまな国で撮影した写真をまとめたZINEシリーズの中の1冊で、本作はシンガポールで撮影した写真だけで構成されている。現在までに5種類が刊行されているとのこと。

「ひとつのテーマに執着して撮ってる感じがいいですね。色使いも、奇抜な感じがして好きです。たまたま最近まで仕事でシンガポールに行っていたので、買った後にお話を聞いて偶然だなと思いました」

kochi kawai『potato sensei』

ファニーなイラストを描いたのは、ニューヨークを拠点にするアーティスト・河井美咲の弟。彼がニューヨークを訪れた際、英語を勉強するために描いたイラストをまとめたZINEとのこと。インドで購入した紙を背表紙に使った装丁もチャーミングな1冊。

「キャラクターとか、イラスト的なかわいいものも結構好きなんです。このZINEは落書き帳みたいですよね。遊び心が満載で、子供心を感じます。ビビッドな色使いも、パンチがありますね。エディションが100だったので、あえて99を選んでみました」

お気に入りのZINEを手に入れ、会場を巡った最後に、初めてのTABFの感想を聞かせてもらった。

「出展者それぞれが全然違って面白かったです。例えば今日私が買ったZINEも、作り方だけ見てもバラバラですよね。写真の作品も、当たり前だけど注目する観点が自分と全然違うなって。アイデアももらえるし、刺激にもなってすごく楽しかったですね。今度はプライベートでもゆっくり見に来てみたいです」

PROFILE

SUMIRE/すみれ

1995年東京生まれ。ミュージシャンの母・Charaと、俳優の父・浅野忠信の長女としてアートや音楽に自然と触れ合う環境で育ち、モデルの仕事を始める。2013年にCharaのMUSIC VIDEOに出演したのをきっかけに注目を集め、2014年より雑誌「装苑」の専属モデルに。身長165㎝、北欧由来のブルーにもハシバミ色にも見える瞳に、アジアの血を感じさせる顔立ちのコンビネーションが持ち味。2018年1月27日公開の宇賀那健一監督映画『サラバ静寂』でヒロイン役を演じ、映画デビューが決定している。翌2月公開の、二階堂ふみ主演映画『リバーズ・エッジ』(岡崎京子原作/行定勲監督)にも出演し、本格演技に挑戦する。今後はファッションを中心に、役者まで幅を広げながら活動予定。
Official Site >>> http://sumiresmile.com/
Instagram >>> @smilehalgryn

[ZINEspiration]
・Vol.01 ヒロ杉山
・Vol.02 Colliu
・Vol.03 酒井いぶき
・Vol.04 安野谷昌穂
・SUMIRE meets TOKYO ART BOOK FAIR
・Vol.05 小磯竜也
・Vol.06 face
・Vol.07 丸目龍介
・Vol.08 篠宮由香利
・Vol.09 吉本綱彦
・Vol.10 山ちゃん(どついたるねん)
Vol.11 歌代ニーナ
Vol.12 TOWN BOY(君)
Vol.13 ユンボム
Vol.14 沖真秀