東京を中心に活動するペインター櫻井万里明による個展「INNNER SPACE」が12月15日よりANAGRAにて開催される。

タイトル「INNNER SPACE＝内部空間」の通り、本展では自身の部屋をイメージした空間を展開。ステイホーム期間に改めて触れた、部屋に溢れるおもちゃや音楽、映画など、好きなものの表現に憧れて楽しんだ時間を落とし込んだ新作が並ぶようだ。

2020年はコロナウイルスによってまるでSF映画のような事態に陥った。外に出てはいけない。空気が汚染されている。家に籠ってニュースを見ているしかない日々。幸い家の中には大好きなおもちゃや音楽や映画であふれている。大好きな玩具屋で一目惚れした人形や人生を変えたと言ってもいいような映画いつも自分自身を肯定してくれる本や聴くだけで違う世界に連れて行ってくれるお気に入りの音楽。このステイホームは改めて自分の好きなものに囲まれて、救われた期間だった。不謹慎かもしれないが、自分にとって最高の時間だった。それらの表現に憧れて楽しんだ時間をまた自分も表現したいと思った。

今年は家にいることが多かった。しかしそれはネガティブな捉え方ではなくむしろ自分の好きなものに溢れた家で過ごすことは私にとって愛に溢れた二ヶ月だった。無言で問いかけてくるおもちゃや自分を支えてくれる映画、手垢がついた本。それらと改めて向き合って、線や色で表現しようと思った。