CULTURE 2022.02.18

潜入レポ:高岩遼が三茶に作ったプレイルームgood junk store Brotherは遊べるスポットだ

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部
Photograph_Yuta Kato, Edit&Text_Ryo Tajima[DMRT]

ある深夜のことである。いつものようにウィスキーの炭酸割りを傾けていたところに、ピロンッ♪とLINEの通知音。スマホの画面を見て「お……」と、なった。この方からの連絡は何時でも、ちょっとわくわくしてしまう。誰か? そう、平成が生んだ稀代のエンターテイナー、高岩遼(SANABAGUN./THE THROTTLE etc…)である。
不思議なバイオリズムを持って、さながら定期的にご連絡いただく高岩遼であるが、このような時間帯の連絡は、いつも“奇想天外な面白き企み”があってのこと。ニヤつきながらLINEを開くと「雑貨店、始めます」といった旨が記載されてあり、『ああ、エキセントリック』と感じた。いつものことであるが、高岩遼には固定概念は通用しない。

その店は“good junk store Brother”と言うらしい。
場所は三軒茶屋。かの地にはゴリラビルという昭和が誇る遺産があるわけだが、そのビルから淡島通りに向けて少し歩くとバナナビルという青い外壁が特徴的な建物が目に入る。このビルの3階がショップの所在地だ。2月20日(日)にグランドオープンということで、ほぼ内装が完成した夜に、いち早くお邪魔させていただく運びとなった。



細い階段を上がっていくと、Brotherと描かれたオレンジ色のネオン管で煌めいている。『今晩は、遼さん』とカウンター越しのオーナーに向けて挨拶。向かって右手にあるドアを開けて中に入り、店内を案内してもらった。


足を踏み入れて思ったのは、レトロなアメリカの部屋だなってこと。パステルブルーの壁紙が、そう思わせたのだろう。

入ってすぐ右手の棚には『スター・ウォーズ』シリーズや『ブルース・ブラザース』のフィギュアなどが陳列されていた。かと思えば、絶対に『たまごっち』じゃない『たまごっち』みたいな物も。その棚続きに、なんとも懐かしきCD試聴プレイヤーが取り付けてあって、ウィル・スミスやG.B.H.などの名盤が置かれていた。もちろんSANABAGUN.のCDもあるし、レコードプレイヤーも置かれている。

HIPHOPからハードコア、ジャズやR&Bといった感じで、高岩遼セレクトの音楽が一挙に集合。「今後は、ここで仲間の音源も取り扱っていけたらいいと思っているんですけどね」とのこと。

ここで注目すべきは、高岩遼が手掛ける改造玩具、WEST TAIL TOYSのアイテムが並んでいる点。WEST TAIL TOYSの解説は避けるが、『トイ・ストーリー』のおもちゃ殺し、シド・フィリップスのようなものを想像してもらえれば良い。これまでは、TAKAIWORLDでWEB販売されていたものが、ここでは手に取って買うことができる。

隣の古き良き木製ショウケースに収められているのは、『こんなのどこで見つけてきたの?』という車のプラモデルや、めちゃくちゃ古いオセロなどのボードゲーム。

さらに隣のラックにはヴィンテージマガジンや書籍にVHSがあり。かつて、高岩遼が観たり読んだりしてきた(かもしれない)プロダクトが揃っていた。ちなみに、氏が手に取っているビデオは、猟師がひたすらにクマを狩るという至高のドキュメントだそう。

勉強机のようなデスクは、高岩遼の作業スペースだ。ご覧の通り、WEST TAIL TOYSの原材料となる玩具のパーツが引き出しにぎっちり詰まっている。ゴミ箱がマイセンというのも、知っている人にはたまらないだろう。イエス、平成流儀である。

ベッドとラックに置かれているのはクローゼットコーナーとでも言おうか。ヴィンテージアパレルがずらり。ただ、レアな古着が集まっているというわけではなくて、あくまでも高岩遼の審美眼によって見出された掘り出し物だけが置かれているので、色んな意味でやばかった。真の意味で、ここでしか手にすることができない洋服だろう。

飾り的に置かれていた、このバイク。なんとハーレーダビッドソンなのだが、これは高岩遼がお世話になっている足立区のバイク・車のカスタムやレストアを行うS-tec Garageからレンタルしているものだ。

アパレルコーナーから振り返ると、リヴィングゾーン。レトロな食器や英語で書かれた全然読めない古い料理本が置かれているので、調理器具やマグカップなどを探している人はこちらへ。

取り付けられたテレビにはスーファミの初代『マリオカート』。棚上には高岩遼お気に入りの『バイオハザード』や『スター・ウォーズ』のゲームソフトもあるので、立ちゲームをやりたい人は、あの頃の名作を楽しんでいただきたい。

そして、とっておきの秘密小部屋がこちら。ショップにおけるフィッティングルームにあたるわけだが、扉には“HARENCHI”とある。中を開けると、おピンクな照明に、キッズには刺激の強すぎるピンナップなどで彩られた空間が広がっていた。

感動したのは工藤静香の写真集だろうか。和洋折衷のセクシーなプロダクト、“good junk store Brother”を訪れた際は、男女問わずチェックを。

“good junk store Brother”は、どんなショップなのかを改めて高岩遼に聞く。

「とある男の子が都会に出てきて、色んなストリートの人たちとの出会いを経て、ちょっとグレちゃった。だけど、ちょっと故郷が恋しいし、お母さんを今も愛している。そのテーマを徹底させて、すべてのものを集めていますね」

“good junk store Brother”に置かれているものは、ほぼすべて購入可能。どんなものなのかをスタッフと話ながら、自分だけが気に入るものを見つけていただきたい。今後、品揃えもどんどん充実してくるはずだ。例えば、今ではもう、ここでしか手にできない高岩遼関連の音源やマーチも見つかるかもしれない。

ARIA a.k.a GITEI

Brother Dog ¥1000

そして、なんと物を買うだけじゃなくて、カウンターではホットドッグやドリンクもテイクアウトで買うことができる。実は、このホットドッグ、高岩遼周辺にいる人であれば知っている、名物メニューでもあり、スタッフのARIA a.k.a GITEIが考案した絶品ソースがたまらない。香り豊かで濃厚、お酒とも相性が良いし、腹持ちも良い。男女問わず美味しく食べられるホットドッグは1度試してほしいもんである。ちなみに、ホットドッグやドリンクはショップ持ち込みOK。つまり、“good junk store Brother”はホットドッグショップ&プレイルームだ。

オープンは2月20日(日)。Brother Hoodieも数量限定で展開されるので、そちらもチェックを。値段は¥8000だ。

そして、このグランドオープンを記念して、2月19日に渋谷のTHE ROOMでパーティが開催されることに。高岩遼はトイをライブ・ビルドアップする予定だ。

音楽、車やバイク、アメリカンカルチャー、そういった文化から派生したプロダクトが彩る“good junk store Brother”。さながら、少年・高岩遼の部屋を連想させるような空間だ。ちょっとノスタルジックでいて、ふふっとひと笑い。そんなユーモアが溢れている。ここに来るときは、昔ながらの友達の家へ遊びに行くような気持ちで行っていただきたい。
高岩遼プレゼンツ、三茶の新たな秘密基地へゴー! なのだ。

INFORMATION

good junk store Brother

TOYS, VHS, MUSIC, WORKWEAR…
BOOKS, SUNDRY GOODS, ADULT GOODS…
2月20日(日)グランドオープン
東京都世田谷区太子堂3-15-5 バナナビル3F
営業日_火・木・土・日
15:00〜20:00(火・木)/ 12:00〜20:00(土・日)
03-6805-3260
https://www.instagram.com/goodjunkstorebrother/

※新型コロナ感染症対策へのご協力をお願いいたします。
※同時入場は2組まで。お買い物は15分以内とさせていただきます。
※商品は全て一点ものセレクトですので無くなり次第終了となります(飲食は可)。お買い求めの際はお早めのご来店をお願い致します。

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