落合翔平
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ゼロから何かを生み出すときの、昼間だって深夜のように一人ぼっちの時間、あの人はどんな場所でときを過ごすのだろう。クリエイターたちの創作に欠かせない、フェイバリットなお店を紹介していく連載『完全安全地帯』。
既製品や人物を、大胆にデフォルメしながらも緻密に描き出すアーティストの落合翔平に、店内でアートの展示も行う新宿二丁目のバー、星男で話を聞いた。
「もともと、ずっとお笑い芸人になりたくて、コンビやピンでお笑いの活動もやってたんですよ。でも、照れ屋だし恥ずかしがり屋なので、にっちもさっちもいかなくて。コンビでやっていたときに、ふたりしてセリフが舞台上で全部飛んじゃって、持ち時間が3分あるのに1分半で終わっちゃったこともありました。ネタも書いていたんですけど、相当わけのわからない内容だったと思います」
「とにかくものをつくることが好きだったので、高校を卒業したあと、美大に入ろうと思ったんです。当時はものをつくっている人といったら、深澤直人さんしか知らなかったので、プロダクトを専攻することにしました。入学してみると、プロダクトは美大の中でも真面目な方が多くて。そういうなかで、逆にのびのびできてよかった面もありつつ、僕がちゃんとやらないので先生には嫌われてました。課題でも、みんなは立体の作品を提出するのに、僕は絵ばっかり描いてて」
「大学2年生になるときに、グラフィックデザイン科に転向しようと思って、グラフィックの教授に作品を見せに行ったんですけど、『入れたくない』と言われたり、漫画を描いて出版社に持ち込んだら、編集の人に『幼稚園のときに描いた漫画?』と言われたり。当時は『すごい逆境じゃんか!』みたいな気持ちでした。卒業後、結局まだお笑いをやりたかったので、テレビプロデューサーの弟子になったんです。でも、そのうちに会社を辞めることになって。お笑いで舞台にも出たけど、その道に進むのは難しいなと思ったし、会社にいるときからグラフィックのコンペティション『1_WALL』とかには応募していたので、絵でも描こうかなと思って、画家になりました」
「いまみたいな絵を描き始めたのは大学4年生くらいです。僕は、イマジネーションから絵を描くタイプではなくて、目の前にあるものを全部描きたいんですよ。パッケージとか電車とか車とか、身のまわりにある製品が好きで。描いていると、『このパッケージ、こんなこと書いてあるんだ』とか普段だと目につかない細かな部分に気がついたりして」
「僕は日常的に嘘ばっかりだけど、絵を描くときだけは嘘をつきたくない(笑)。そのためにも、絵を描くときは辛いことをしたいなと思って、B2サイズの絵を、あえて0.8mmのボールペンで塗りつぶしたりする。意味はないかもしれないけど、熱量がこもった分だけ、嘘じゃなくなるんじゃないかなって。僕はアウトサイダーアートが好きなんですよ。純粋で、強い。そういうものに憧れているところがあります」
「星男には、友達が働いていたことがきっかけで、来させてもらうようになって。家が遠いので、終電過ぎて帰れないときは、座敷で寝させてもらったりもしました。オーナーの宗さんによくしてもらって、初めて展示をやらせてもらったのもここでした。それから、いろんな人に声をかけてもらうようになって、作品を見てもらえたり、憧れていた人に出会えたりした。とにかく宗さんの人柄が面白くて、耳の裏の匂いを嗅ぐ『耳の裏占い』という占いをやってくれたりするんですよ。僕は『優しい』としか言われなかったですが。僕はダメなやつだけど、宗さんは何についてもいつも『全然大丈夫だよ!』って言ってくれるから、最高なんです」
「立体物が好きなので、いずれ絵を立体にしたいという野望があります。あとは、ハイブランドとか黄金とか宝石とか高級なもののキラキラした感じってかっこいいなと思うので、そういう絵を描いて、描けたら石油王に見せに行きたいですね。石油王はきっとハイブランドが好きだと思うので、絵を買ってもらいたいです。嘘ですけどね(笑)」
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