FASHION 2023.07.20

Report: シャンプーを起点としたMAROによる4つのクリエイティブなアクション

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部
Edit&Text_Ryo Tajima[DMRT]

MAROが2021年の秋から展開してきたアクションを振り返り、そのことによってどんなシナジーがあったのかを振り返ってみたいと思う。
まず、MAROは株式会社ネイチャーラボが展開しているメンズケアブランドだ。多種多様な効果を持つシャンプーやボディソープ、洗顔剤といったケアプロダクトを提案している。そんなMAROが、この2年間でVERDYやBlackEyePatch、CreativeDrugStoreと一緒に活動してきたことは実にユニークだ。MAROがメンズケアブランドであることを忘れてしまうほどに個性豊かで多くの人を楽しませてきた内容だった。単純に商品を販売するという内容とは異なり、カルチャーとして発信するということに重きを置いてきたMAROのアクションとは、どんなものだったのか。

Vol.01_2021.09/VERDY×MARO

MAROによる一連のアクションは、2021年9月にVERDYとのコラボレーションを発表したところから始まった。VERDYが生み出されたシャンプーをする猫のようなオリジナルキャラクターがラベルになり、シャンプーとフェイスタオルがセットになった限定BOXをはじめ、バスタオル、ステッカーセットなどが展開され、パルコの一角でポップアップストアが開催された。

その内容はアイテムを展開するだけに留まらず、映像作家のMINORxU監督、VERDY監修のロードムービー『MINOR AT HEART』が制作され、試写会もパルコの映画館で行われ、ストリートにいる大勢のユースが駆けつけた。その内容はストリートスケーターたちによるドキュメントであり、刹那的でありながら叙情的。VERDYならではの展開となっていた。

Report: VERDY×MAROのコラボレーションポップアップショップとロードムービー”MINOR AT HEART”について

Vol.02_2022.03/BlackEyePatch×MARO

第2弾のアクションとして提示されたのが、BlackEyePatchとのコラボレーションだったが、これがまた非常にぶっ飛んだ内容であり、まさしく文化! としか形容できないエキセントリックなカッコよさを内包したインスタレーションだった。ブランドのOG LABELの総柄で彩られたラベルのシャンプーとタオルが限定BOXとして展開され、MARO×BlackEyePatch×西山理髪店のコラボレーションTシャツも制作。ポップアップストアが2022年3月19日にBlackEyePatch SHIBUYAで開催された。

西山理髪店は原宿の中心にある理髪店であり、一部の人間にとっては聖地のようなスポットであるが、BlackEyePatchと交流が深く、同店のオーナー西山諾氏の協力のもと、メインビジュアルのモデルの後頭部に“MARO”、“取扱注意”、“ニシヤマ”の文字をデザインフェードで表現した強烈なインパクトのビジュアルを制作。

同時に西山理髪店やスキンフェードスタイルのカルチャーを伝える『BlackEyePatch x MARO “Tightest Fade In The Far East”』のムービーも展開。JP THE WAVYが出演し、00年代のUS HIPHOPビデオからインスパイアされた色合いや表現を映像に落とし込むなど、アジアから世界へクリエイションを発信するBlackEyePatchらしい内容となった。

BlackEyePatch×MAROのコラボ・ポップアップショップ お披露目の場に大勢のキーマンが集合

Vol.03_2023.01/CreativeDrugStore×MARO

第3弾は10周年を迎えたHIPHOPクルーCreativeDrugStoreとの遊び心あふれるコラボレーション。シャークモチーフのキャラクターを使用したラベルのシャンプーとタオルを限定BOXとして展開する他、コラボレーションTシャツとタオルが作られた。CreativeDrugStoreが監修・制作したイメージムービーはLA撮影でメンバー自身が出演するなど、海外の洗剤CMからインスパイアを受けたレトロな仕上がりとなっており、思わずクスッとしてしまう彼ららしい内容になっていた。

極め付けは2023年1月24日に墨田区の銭湯、大黒湯で開催されたイベント『CREATIVE ROOM~SENTO Meeting~supported by MARO』である。まさかの銭湯で音楽イベントを開催するというのも、このコラボレーションだからこそ成立すること。銭湯の中で、CreativeDrugStoreのメンバーによるDJプレイが行われ、普段は湯船であろう場所にDJブースを設置するなど、非日常を見事に形にしていた。超満員となった大黒湯の中で、いつもはクラブで遊んでいるような人たちがダンスしまくるという光景も今後見ることができないものでしょう。

CreativeDrugStore×MAROの超満員・銭湯DJパーティをレポート!

Vol.04_2023.07/VERDY×MARO 2

そして、2023年7月に展開されたのが2度目となるVERDYとのコラボレーションだ。2021年の初顔合わせの際に制作されたオリジナルキャラクターは、なんとフィギュアになり(!!)、シャンプーボトルとじょ限定BOXを展開。このボックスにもキャラクターが描かれ、非常にスペシャルな内容になっていた。

このアイテムは、2023年7月8日から24時間限定でVERDY’S GIFT SHOPオンラインサイトにて数量限定抽選販売が行われ、多くのVERDYファンがチャレンジすることになった。もちろんアイテムを販売するだけに留まらず、VERDYによるピザショップであり、大阪の新たな発信地でもあるHenry’s PIZZAで商品展示が2023年7月1日から7日まで開催された。以下、現地で開催されたスナップだ。

イメージムービーは前回と打って変わって、Chris Cadaverを監督に起用し、「人が恋に落ちる瞬間」をコンセプトとしたノスタルジックな内容が描かれていた。そこに付随するビジュアルのインパクトも抜群。これまた、実にVERDYらしい展開だったと言えよう。

このように、MAROが行なってきた4つのアクションは、そのすべてがカルチャーを発信することであり、自社のプロダクトであるシャンプーをコミュニケーションツールとして使用することだった。それに、各コラボレーションの相手が考える自由なアイディアを具現化して、その面白さやカッコよさを優先して追究していったというのも特筆すべき点だっただろう。 同じような行動をしているシャンプーを見たことがないので、これは確実にMAROだからこそ実現できたことだ。
さて、VERDYやBlackEyePatch、CreativeDrugStoreによってMAROを知った人たちだが、結果としてMAROのシャンプーならではの魅力を知ることになったのではないだろうか。ケア用品というのは使い続けなければ、その良さを体感することができない。特にシャンプーのボトルなんて1本を使い切るのに、相応の期間がかかるというもの。その間、自分の家の中にあって使い続けることになれば、きっと次も愛用したくなるというものだ。
世の中に企業とのコラボレーションというのは数あれど、ここまでストリートカルチャー発のクリエイションに特化したコラボレーションはなかなかお目にかかれない。まさに、見た人や使用者にとって、想像力を刺激されるようなアクションであった。次回があるのは現時点では不明だが、是非とも実施していただきたいところ!
今後もMAROの動向をチェックしておこうじゃないか。

INFORMATION

MARO

MARO
http://www.maro-men.jp

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