DOLOVE for UNITED ARROWS
ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館
住所:東京都渋谷区神宮前3-28-1
電話:03-3479-8180
営業時間:12:00~20:00(平日)、11:00~20:00(土・日・祝)
http://store.united-arrows.co.jp/shop/ua/storelocator/
JAZZYなグラフィックが目を惹くTシャツ群。これはLAを拠点に活動している飯田麻人とUNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)によるプロジェクト「DOLOVE」で製作されたプロダクトである。すでに6月27日(火)よりUNITED ARROWS各店で販売がスタートしており、ストリートアート好きや感度の高いユース層の注目を集めている。
本プロジェクトを実現させた飯田麻人とは、どんな写真家なのだろう? 「DOLOVE」について。また、彼のクリエーションについてインタビューする。
ーLAを拠点に活動しているとのことですが、飯田麻人さんは、どういった経緯でアメリカを中心に活動しているんですか?
飯田麻人(以下、麻人) – LAに行ったのは、もともとレコーディングエンジニアになるためだったんですよ。自分もMPCを使ってビートを作っていた経緯があって、写真を始める前はロスのDelicious Vinyl ※(デリシャス ヴァイナル)で働きながら、ビートを作ったり、エンジニアリングをしたり。その傍らで、ライブやイベント、ミュージシャンの写真を撮るようになったんです」
※Delicious Vinyl…HIPHOPを中心に取り扱うUS西海岸を代表する老舗レコードレーベル
ーきっかけは音楽だったんですね。では、フォトグラファーとしての活動はどのようにスタートしたんですか?
麻人 – 当時は、さっきも言ったDelicious VinylやSoulection ※(ソウレクション)のオフィシャルフォトグラファーをしていたんです。その他のイベントや、友達とのハングアウトを入れると、毎晩のように酒を飲み歩き写真を撮っていましたね(笑)。その頃、音楽などを通じてスケーターやストリートブランドをやっている人間と繋がるようになり、彼らのライフスタイルを写真に収めていくようになりました。最初は遊びの延長線だったんですよ。それが、徐々にアメリカ、日本の色々なブランドや各雑誌から声がかかるようになっていくようになって、ブランドのルックブック、ミュージシャンのポートレートやアルバムカヴァーの撮影を行ったり、様々なメディアでクリエーターやスケーターの取材、撮影の仕事をするようになっていったんです」
※Soulection…LAの気鋭レーベル。サウンドからデザインまで幅広くディレクションするクリエイティブチーム
ー麻人さんが撮影しているのは、特にどんなものが多いですか? ファッションなのか、音楽なのか。特徴的な部分を教えてください。
麻人 – カルチャーという言葉が1番しっくりくるかな、と思っています。僕のライフスタイルには、もともと音楽がメインとしてあるんですが、そこにスケートやファッション、アートなど、他のすべてのカルチャーが密接に繋がっているんですね。その中を自由に動き回っている感じがしています。僕自身、自分のことをファッションフォトグラファーだと思ったことは1度もないし、イベントフォトグラファーや取材カメラマンとも考えていません。やってきた仕事が、そういった内容だっただけなんですよ。目の前にある“自分が面白いと思うこと”を、ただ、ただ写真に収めています。撮影してきた写真は、全てが自分の中で平等に存在しているんです。そして、自分の中で写真とは何かーーと延々考え続けながら、写真を通した様々な表現方法に影響を受けていますね。どのように自分らしい表現を発信するべきか、最近では、色々な写真を撮りながらも、なんとなくやりたいことが見えてきたので今後はその感覚を具現化していけるようになりたいですね」
ーそういった意味では、今回のUNITED ARROWSとのコラボプロジェクト「DOLOVE」も麻人さんが“やりたかった”ことの1つではないですか? どういった経緯でスタートしたんでしょうか?
麻人 – そうですね。さっきも話しましたが、僕はHIPHOPのビートメイキングを行っていて、それによって色々な音楽に出会ってきたんですが、なかでもJAZZにはどっぷりハマったんですよね。音楽性だけではなく、即興性であったり、カルチャー面も含めて、あらゆる面で僕の人生に影響を与えています。そこで『何かJAZZをテーマとした物づくりをやりたい』ってことを友人や知り合いに、よく話していたんですよ。その流れでUNITED ARROWSとコラボレートしてみないか? とお誘いをいただいて。JAZZカルチャーからインスパイアされたものを作っている人は、今ではあまり見ないし、いいのでは、と。そこからプロジェクトがスタートしたんです」
ー確かにJAZZを連想させるデザインですよね。
麻人 – ええ、定番のレコードカバーからフリップしたデザインが半分ほどあるんですよ。やはり僕が見たり、聴いてきたJAZZのレコードって、ジャケットがものすごくカッコよくて、今の時代にはない独特の雰囲気があるんですよね。オマージュとして、リスペクトの意を込めたという理由もあります。タイポグラフィに使われているワードは、偉大なJAZZミュージシャンの残した言葉であったり、JAZZのドキュメンタリー映像に出てくる、ストレートで胸にグッとくる言葉など……僕が感動したフレーズをデザインや広告イメージに取り入れているんです。今の時代、朝から晩までJAZZ浸りの若い人なんて、そうそういないんですしょうけど、そんなJAZZを知らない人にも『なんだ、コレ?』って気にしてほしいと思いましたし、このプロダクトがキッカケでJAZZに興味を持つようになってくれたら、とても嬉しいし面白いと思います」
ーなるほど。麻人さんは今度、どのような活動を行っていく予定ですか?
麻人 – 今はLAに住んでいるので、活動の拠点はこっちがベースですが、アメリカや日本と区切ることなく、感じるままに自分のクリエイトしたいことや表現したいことを人に見せて伝えていけるようになりたいと思っています。「DOLOVE」では、僕にとって“フォトグラファーの飯田麻人”としてだけではない一面をアウトプットするとても良い機会になりました。今後、色々なことを企画していくつもりです。また、9月には東京で個展を行う予定で、それに伴う自主制作の写真本を現在、製作中です。楽しみにしていてください!」
現在、飯田麻人が9月に予定している写真展では、彼が2013年から撮りためてきたLAでのライフスタイルや、人物にフォーカスしたものが展示される予定。(例えばBrain DeadのKyleなど…)以下は彼の作品のアーカイブだ。
個展の詳細については追って発表されるが、現段階ではグラフィックデザイナーのVERDYとの絡みも予定されている模様。
飯田麻人の個展や彼のクリエイティブな動向に、これからも注目していきたい。
ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館
住所:東京都渋谷区神宮前3-28-1
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