完璧な世界なんてつまらない… ニコラ・フォルミケッティは なぜ思いを表現し続けるのか。

photography_Yuta Kono

完璧な世界なんてつまらない… ニコラ・フォルミケッティは なぜ思いを表現し続けるのか。

photography_Yuta Kono

ーニコラさんがアーティスティック・ディレクターに就任し、DIESELでは、そういう考え方を伝えるような強いメッセージが多いですよね? いつもどのようにシーズンテーマを決めているですか?

それが僕の仕事なんだ。今の世の中で起こっていることを把握して、それをいかにモダンにDIESELっぽく描くか。だから自分で考えては、チームで話し合うことの繰り返しだよ。「今シーズンは、このジャケット、ジーンズ、バッグに注目」っていうやり方はもう古い。もう時代は変わったんだ。いかに多くの人の心を掴むか。人と人がコネクトするメッセージ性を持つかが重要。今回はフランスのフランソワ・ロスレーという監督を起用した映像の制作をしたんだけど、もっと色んな表現方法があると思うから、次回も同じテーマで行こうって思っているよ。そうすれば、SNSが引き起こした現象について、もっと多くの人に考えてもらえるだろ。


※フランソワ・ロスレーが作ったキャンペーンムービー

ーそうしたメッセージを伝える時、グラフィックや音楽をはじめ様々な表現方法があると思いますが、ニコラさんはなぜブランド、ウエアというものを通して伝えようと思ったんですか?

僕は、映画も好きだし音楽も好きなんだ。もちろん雑誌も好きだから、自分で『FREE MAGAZINE』という雑誌を作ってもいる。表現方法には無限のやり方があるって信じているし、時代が進むにつれどんどん進化している。でもDIESELというフィルターを通している理由は簡単で、ブランドの方がいち個人で発信するより、一層強い影響力を持っているだろ。DIESELのようなグローバルブランドだと、世界中にメッセージを届けることができるんだ。そしてウェアは、共感した思想やメッセージを実際に身にまとうことができるという特別なものだと思っているんだ。
特にDIESELは、ハイブランドのように、アイコンとなるデザイナーがいて、その人が思うファッションをカタチにするのとは違うんだ。DIESELはハイファッションブランドという位置付けではないことを大事にしているんだ。だからこうしたアクティブな行動ができるし、強いメッセージをストレートに届けることができる。世の中で起こっていることに対してみんなで考えることを重要だと思っているんだ。

ーハイファッションブランドではないことが大事というのはなぜですか?

これはDIESELの創始者でもあるレンツォ・ロッソの考えでもあるんだ。レンツォはいつも「ナンバー1より、ナンバー2」がいいよっていうんだ。普通はナンバー1がいいだろ? でもレンツォはそうじゃない。理由を聞くと、「ナンバー2はナンバー1になるために頑張るじゃないか」って。なんかそれを聞いた時ハっとしたんだ。それこそ今回のテーマ“GO WITH THE FLAW”という言葉でも、ナンバー2は決して“完璧”ではない。きっとそれがDIESELのスピリットなんだ。だからブランドを大きくすると言うよりは、広げていきたい。そして決して一番大きい存在ではなくて、クールでカッコいい存在でいたいんだ。

ー最後に、ニコラさんの夢を教えてください。

さっきも言ったけど、表現の方法は無限だと思っている。今はDIESELを通して、自分のメッセージを伝えているけど、今後はもっと違う方法にもチャレンジしたいね。まずは映画のコスチュームを作りたい。実は何度かオファーをもらったりしたんだけど、なかなかやりたい映画に巡り合えなくてね。そしていつか映画を作りたいね。雑誌を作っている理由も、映画もそうだけど、単純に好きなことで、メッセージを伝えていきたいんだ。手法は無限だからね。僕はチャレンジすることが大好きだから、一生新しいことにチャレンジし続けると思うよ。

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