“FRUITADE PRODUCED BY ATMOS”というプロジェクトがある。この企画はNIKE AIR MAX 1 PRM LIMEADEの発売を皮切りに、atmosが”架空のレモネードショップ”をプロデュースするという名目で行われているもの。同企画にてNIKE AIR MAX 1 PRM PINK LEMONADEが発表、来る11月26日(木)にNIKE AIR MAX 1 PRM LEMONADEが復刻発売される。
これまで公表されてこなかったが、本プロジェクトのクリエイティブディレクションに携わっているのがYouthQuakeだ。実際のショップをイメージしながら、プロジェクトのCM、関連マーチャンダイズのデザインまでを一手に引き受けている。プロジェクトの根底にあるスニーカーはこちら。
現代東京ストリートの次世代を担うクルーとして知られる彼らは、”FRUITADE PRODUCED BY ATMOS”において、どのような創作を行ったのだろうか。こういったプロジェクトにクルーとしてYouthQuakeが参加するのは今回が(ほぼ)初めてのこと。これまでとは少し性格が異なる制作を行うことでYouthQuakeは、いくつもの壁を乗り越えていった。そして、それを成し遂げた今、クルーは、この経験が自身を向上させたことを各々感じている。パンデミックで世界が暗い時代だが、こんなときに必要なのはストリートカルチャーの根底にある”災い転じて福となす”というポジティブな思考回路とフロンティアスピリッツだろう。まさしく、そんな制作を遂行したYouthQuakeをインタビュー。このプロジェクトを中心となって動かしたRiKiYAを筆頭に、Bobby Yamamoto、Kazuhoが参加してくれた。撮影にはYouthQuakeメンバー全員が登場。撮影を担当したのはRyohei Ambo。”FRUITADE PRODUCED BY ATMOS”で制作したビジュアル撮影も担当している。
RiKiYA:架空のレモネードショップの背景にはNIKE AIR MAX 1 PRM LEMONADE(エアマックス1 プレミアム “レモネード”)があるわけなんですが、今回発表されたスニーカーはLIMEADEとPINKLEMONADEのカラー展開があるわけなので、より広い意味でフルーツを意味する言葉をテーマにしたいと考えたんです。そこでFRUITS×ADEで”FRUITADE”。馴染み深い言葉でないと思うんですけど、字面として意味合いが伝わると思うんです。3種類のフルーツがスニーカーに落とし込まれている面白さを伝えたくて選んだ言葉ですね。
RiKiYA:はい。この辺りは映像担当でもあるudaiとも話し合いながら、70〜80’sのアメリカの清涼飲料水のCMを見て、その世界観から着想を得ました。なので画角も昔のテレビサイズにしていたりします。当時の飲料系CMって見ていて面白みがありますし、今、自分がテレビを見ていて、あんなCMが流れてきたら無意識に見ると思うんですよね。色遣いや表現にしてもそう。何か頭の片隅に引っかかる表現が多いと感じるんですが、それってCMにおいて重要な要素じゃないですか。いかに視聴者の記憶に擦り込むか、ということが大切ですし、人に何でもいいから何らかの印象を与える部分が昔のCMには強いように思います。CM撮影にはクルーメンバー以外にもHeiyuuくん(Creative Drug Store)といった信頼できる方々にも協力してもらって具現化していきました。出演しているモデル、Shunsukeくん、AN JIJIさん、Ayanaさんの3人も企画草案の時点から決めていて、そのまま参加してもらえたので本当に良かったです。
RiKiYA:逆にあまりストーリー性を持たせないようにしました。音楽に合わせて、フレッシュで爽やかなシーンが羅列されて最後にタイトルがドンと出るような映像を表現したかったんです。なので、重要だったのは、どういう画を具体的に作ることができるのかということで、そこに重きをおいたコンテを作って撮影に挑んだんです。強いて言うなら2点だけ、CM内におけるレモネードショップのメンズスタッフがプロジェクトロゴのグラフィックキャラクターを連想させる人物像であったり、真っ白のAIR MAX 1にフルーツがぶつかってNIKE AIR MAX 1 PRM LEMONADEのデザインに変化したり、という描写には、多少の物語性を落とし込んでいます。
※NIKE AIR MAX 1 PRM LIMEADE発売時におけるRyohei Ambo撮影のフォトビジュアル
※NIKE AIR MAX 1 PRM PINK LEMONADE発売時におけるRyohei Ambo撮影のフォトビジュアル
ーなるほど。今回のプロジェクトにおいてメインとなるアイテムはNIKE AIR MAX 1 PRM LEMONADEなわけですが、このスニーカーに対して、そもそもどんなイメージがありましたか?
RiKiYA:ベースとなっているAIR MAX 1は、90’sカルチャーが好きな人が履くスニーカーだというイメージが強かったです。CMに出演してもらったShunsukeくんも実際にそうで、彼の履きこなし方がカッコいいと思ったのでオファーしましたしね。
Bobby Yamamoto:Shunsukeくんがショーツに合わせてカッコよく履いていた姿を見て、カッコいいスニーカーだなって憧れましたし、やっぱりショーツに合う1足っていうイメージはありますね。
ー実際、皆さんにとってスニーカーはどんなファッションアイテムですか?
Bobby Yamamoto:僕はファッションアイテムの中で物としてスニーカーだとか靴が1番好きですね。サッカーをやっていたのもあるかもしれないですけど、同じユニフォームを着ていると、他の人と違うものを合わせられるのってシューズだけになるじゃないですか。そんな意味で、子供の頃から自分にとっては重要なアイテムですし、1番こだわるかもしれないです。
Bobby Yamamoto:だから、みんなで会う機会も自然と増えていったんですよね。LINEでやり取りするだけじゃまとまらないから、集まろうって。全員が集合して決めていかないと話が進まないことが多かったですし、スケジュール的にも間に合わないような事態だったので、顔を合わせる頻度が増えていたと思います。
Bobby Yamamoto:今まで自分たちが商品開発に関わっていないものをプロデュースすること自体がなかったので貴重な体験でした。すでにあるプロダクトをどのように魅力的に人に伝えていくのかを考えるうえでの想像力が養われたと思います。何をどうクリエイションしていくのか、アプローチの仕方の面で様々なことを学ぶことができたなって。
Bobby Yamamoto:2020年、コロナ禍を経て、今の時代が後世で何て呼ばれるかはわからないんですけど、横の繋がりも含めて、”あの時代”って言われる存在の1つになっていきたいと考えています。クルーという意味で言えば、個々の強みが歳を重ねていくうちに出来てきて。最初にRiKiYAが言ったように、ゆくゆくは会社として成立させたいという目標もありつつ、メンバーそれぞれの強みをより活かして何かを成功させたいですね。それに、自分だってもっと特技を磨いていきたい。他メンバーにもそうしてほしいという思いもあるし、クルー内においても負けないようにやっていきたいと思っています。