［Photo Report］MIZ「Road to Sundance Ranch」上映会＆トーク

3月9日（水）に2ndフルアルバム『Sundance Ranch』をリリースしたMIZ。これを記念してロードムービー「Road to Sundance Ranch」の上映会が3月24日（木）、渋谷・ユーロライブで行われた。すでに本編のダイジェスト版がYouTubeで公開されていたが、約90分に及ぶ本ムービーは、東京から北海道をキャンピングカーで横断しながらレコーディングした『Sundance Ranch』の制作過程とその道中を記録したもの。彼らと一緒に旅する感覚を味わえる一方で、歌詞の情景やサウンドの答え合わせができた気がした。ここでは上映会&トークイベントの模様をフォトレポートで振り返る。なお楽曲については、こちらのインタビューを一読いただきたい。

旅の出発前のような高揚感を覚えながら、上映までしばしの間、配布された旅のしおりに目を通す。そこには、7日間に渡る旅のスケジュールが細かく記載されており、強化合宿のようなハードさに少し驚いた。

本編は、キャンピングカーの中からスタート。インカメラ越しに加藤成順（以下、加藤）が旅の幕開けを宣言する。その後ろで仮眠をとる玉置周啓（以下、玉置）と、旅の記録を担うマスダレンゾ、エンジニアの奥田泰次、ドライバーを務めるマネージャー菅の5人が大きな車体に揺られつつ、東京から9時間かけて北を目指してひたすら進む。

八戸フェリーで北海道に到着した一行は、マルトマ食堂で朝食を済ますと、芸森スタジオへ。最高のロケーションで美味しい夕食を囲み、至福のひと時を過ごす5人 。順調に2日目の夜を迎えたかと思いきや、楽曲の作詞に夜な夜な頭を抱える姿から玉置の姿が。（ここで完成したのが「クロスワード」！改めて同楽曲を聴くと感慨深い…….）このとき、加藤からはトローチと葛根湯が交代で毎晩枕元に置かれていたんだとか。ちなみに、旅に向けて事前に完成していたのは3曲だけで、4〜5曲分のギターフレーズ以外はほぼ手付かずの状態だったという。

今回の旅のアクシデント（？）とも言える極寒のテントでのくだりでは、楽しそうな加藤に対し嫌がる玉置と、対照的なリアクション。上映後に「自分がこんな人間なんだと改めて知れた」（玉置）と話したように、彼らの人間性やオフの姿が垣間見えるのも本編の面白さのひとつ。いい意味で作り込まれていない映像は、「“ありのまま”を収めた」（マスダレンゾ）という言葉の通り、終始リアルな空気と素が映し出されていた。

制作と並行して行われたMV撮影では、湖でのカヌー体験をはじめ、高原牧場や展望台といった北海道ならではの広大な自然に囲まれたロケーションを巡る（特典には、異なるシチュエーションでのセッション映像も付属）。中でも今作のタイトルの由来にもなった乗馬施設「Sundance Ranch」での乗馬のシーンは、緊張しつつも馬を引く二人の姿がどこかノスタルジックだった。

旅の〆にラーメンを平らげると、帰路へ。再びフェリーで海をわたり、東京まで完走すると、愛着の湧いた車との別れを惜しみつつ、安堵の表情で幕を閉じた。エンドロールには、解禁に先駆けて「キャンパーを飛ばして」のMVが流れ、旅をフラッシュバックさせる映像に浸る中、上映会は終了。シアターの電気が付くと、MIZの二人とマスダレンゾが壇上に上がる。各々の映像の感想を語りつつ、改めて良い旅だったと振り返った。

左からマスダレンゾ、加藤成順、玉置周啓

Instagramで募集した質問に答える場面では、「どうしたら締め切り前に仕事をこなせるのか」との問いに、「映像を見ての通り、締め切りは守れないタイプです」と答える玉置に対し「文化祭も三徹だったもんね」と加藤が笑いを誘った。かくいう映像も70時間を越す元素材に苦戦し、当日の朝まで編集に追われていたんだとか。

「改めてスクリーンで見て、もっと編集したいところも出てきた」（マスダレンゾ）の一言から、本作のDVD化の話が浮上…。いつか手元に届く日が来るかも、という期待を膨らませつつ、トークを締めた。イベント終了後はアルバム購入者のサイン会が行われ、ファンは束の間の交流を楽しんでいた。