MUSIC 2022.05.17

折坂悠太による初の展覧会
「薮IN」が開催中。
内覧会のレポートも公開

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

折坂悠太による初の展覧会である「薮IN」が5月30日(月)までの間、渋谷のPARCO MUSEUM TOKYOにて開催中。合わせて先日行われた内覧会のレポートが公開された。

折坂悠太が初の展覧会「薮IN」を開催。短編⼩説やエッセイなどを含む初の著書『薮IN』も販売

会場に入ってすぐ位置するのは「360 Reality Audio Room」。折坂の最新作アルバム『心理』と昨年開催されたホールツアーのライブ音源が、まるで360 度全方位から鳴っているような立体音響体験できるスペースとなっている。部屋の四方にスピーカーが設置され、3壁面を使ってプロジェクションされた映像と共に高音質での臨場感が楽しめ、今回の展示の主役である折坂がどういった音楽家であるかのイントロダクションとなっている。
「360 Reality Audio Room」を出て、壁に書かれた「薮IN」の文字と共に本展示が始まる。
折坂による手書きのステートメントが本企画の主旨を伝えると共に、直筆の文字の先に配されている鏡が、これから薮に入っていく自身の姿を映し出す。明滅する頼りない街灯の下を進んだ先には、実際の薮に分け入っていく折坂を捉えた映像作品が展示されている。映像を横目に暗がりの道をさらに歩いていくと、草木が擦れる音と鼻歌がどこからか聴こえてくる。なおも暗い坂道を緩やかに登っていくと、いよいよPARCOの一角とは思えないような、薮が待ち構えている。
詳しい薮の様相に関しては、実際に来場しての体験をお勧めするとして、内覧会では、会期中も何度か不定期に行うという、折坂によるインスタレーションのパフォーマンスが行われた。薮内にある流木で組まれたやぐらの下に胡座をかいた折坂は、さまざまな声の表現を用いながら、薮の自然音とのセッションを行なっていく。おそらくは今回の展示に寄せて書いたと思われる詩の朗読も交えながら、パフォーマンスも変化していく。折坂は演奏後、今回の展示について「一体どのように説明すればよいか今日まで考えてきましたが、あんまりそれを言葉にしたり、あまりにも上手いことを言えたら、失敗なんだと思います」とし、「会期中、薮は変わっていきますし、私も変わっていきます。世界も変わっていくし、皆さんも変わっていくんだと思います。そういう変化をみんなで楽しめたらいいんじゃないかと思います。」と口にした。
今回の展覧会に合わせて、折坂初の書籍作品『薮IN』も会場にて先行販売を行う。今回の展覧会の着想ともなった同名の短編小説「薮IN」を含む全7編の作品と3つのコラムが全編書き下ろしで収録されている。いわば、この展覧会の対となるようなこの書物も、より展示内容を楽しむ上での手がかりとなるだろう。書籍作品『薮IN』の一般発売は6月1日(水)を予定している。

なお本展を記念し、会場内にて展覧会記念商品を販売中だ。

INFORMATION

折坂悠太展「薮IN」

会場:PARCO MUSEUM TOKYO(渋谷PARCO 4F)
会期:〜2022年5月30日(月) 11:00-20:00
※入場は閉場の30分前まで
※最終日18時閉場
※営業日時は感染症拡大防止の観点から変更となる場合がございます
入場料:一般 800円(税込)/小学生以下無料
公式HP:art.parco.jp
主催:PARCO ■企画制作:PARCO、高宮 啓(Moder−n)
技術協力:ソニー株式会社、山麓丸スタジオ
会場構成:HYOTA
宣伝デザイン:鈴木 聖

『薮IN』

著者:折坂悠太
価格:2500円(税込)
仕様:200 ページ/110×160mm/並製本
編集:高宮 啓
デザイン:鈴木 聖
出版元:REPOR / TAGE
一般販売日:2022年6月1日(水)
※展覧会場内SHOP にて書籍の先行販売。
※また数量限定でサイン本をご用意。


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