KID FRESINO 初ワンマンライブレポート

Photography:Keita Suzuki、 Text :Kazuhiko Fujita(Marfa)

KID FRESINO 初ワンマンライブレポート

Photography:Keita Suzuki、 Text :Kazuhiko Fujita(Marfa)

2018年1月27日、KID FRESINOが自身初となるワンマンライブ「KID FRESINO BAND SETONEMAN LIVE」を、代官山UNITにて行った。

前週、雪で白く染められた東京であったが、当日は快晴。19時開演にも関わらず寒空の中、早くから長蛇の列を作るUNIT。開場後の超満員に客席の興奮が加速していくのが伝わってきた。緊張してくるような環境の中、ライブ前にはいつものように笑うKID FRESINOにこちらが落ちつかされる。初披露であるバンドによる生演奏での1時間半にわたって行われたライブは、昨年にリリースされた「Salve」の曲、今後リリースするアルバム収録曲であろう曲を始め、過去にリリースされた新旧織り交ぜたセットリストで構成されており、ペトロールズの三浦淳悟 (bass)、佐藤優介(keyboard)、Yasei Collectiveの斎藤拓郎(guitar)、 石若駿(Drum)、小林うてな(Steel Pan)、CH.0(DJ)というバンド編成のもとライブに挑んだ。

ゲストとして、Campanella、C.O.S.A.、JJJ、茂千代等 豪華客演陣と共に生演奏ならではのパッケージされたものではない、ライブ=体感するという形を体現し、オーディエンスを引きこんでいった。
曲によってはDJセットにドラムやギターなど、生音とサンプリングされ再構築された音の上でラップするような新しさを感じさせる試みもあり、JJJプロデュースによる”SpecialRadio”、現在制作中のアルバムより”Coincidence”や、昨年発売されたEP “Salve”より、”Salve feat. JJJ”、”Keys Open Door feat. Campanella”、”By Her feat. 茂千代”などを披露された。アンコールでは、共作としてアルバム”Somewhere”をリリースしたC.O.S.A.との名曲”LOVE”をバンドセットで締めくくり、初のワンマンにふさわしい豪華な内容となった。

バンドによる力強い緩急のついた音に対して、聴かせるようにラップする曲や自らがバンドを引っ張っていくように早口で言葉をはめ込んでいく曲を聴いていると、普段行うライブの彼の曲とは違う新鮮さを感じ、この日のために集められたメンバーとのパフォーマンスは遊びのようでもあるが、ストイックでもあり、空間演出としての完成度の高さを感じずにはいられなかった。2013年、代官山UNITで初めてライブを行ったKID FRESINOが一人のラッパーから一人のアーティストになったのだと実感した。

生演奏によりその場で作り上げられていく空間に熱く、誠実に言葉を乗せていくKID FRESINOにラッパー、ミュージシャンとしての矜持を見た。

*この記事の準備中にKID FRESINO、JJJと共にFla$hBackSのメンバーでもあったFebb as Young Mason の訃報が入りました。ご冥福を心よりお祈りいたします。(編集部)

INFORMATION

KID FRESINO – COINCIDENCE / ARCADES FT.NENE
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TRACK LIST
A面 : Coincidence
B面 : Arcades ft.NENE
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KID FRESINO
http://spaceshowermusic.com/artist/12292204/
https://www.dogearrecordsxxxxxxxx.com/artists/kid-fresino/

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