Interview:kobore、オレンジスパイニクラブ、アメノイロ。
「MAKE A BOOM #3」の開催を前に

Photography_Yuta Kato
Text_Chinami Hachisuka
Edit_Kazuhiko Yokoyama

Interview:kobore、オレンジスパイニクラブ、アメノイロ。
「MAKE A BOOM #3」の開催を前に

Photography_Yuta Kato
Text_Chinami Hachisuka
Edit_Kazuhiko Yokoyama

近年、ストリーミングサービス、SNS、YouTubeなど、スマートフォンから音楽のブームが起きている。そんなブームを巻き起こしているアーティストの楽曲を厳選した「BOOM BOOM BOOM」プレイリストを発信しているプロジェクトのリアルイベント『MAKE A BOOM #3 -sprout-』が3月14日(火)にWWW Xにて開催される。
今回、音楽ストリーミングサービスを中心に若者から絶大な支持を集めるkoboreオレンジスパイニクラブアメノイロ。の3組が出演。

本公演の開催に先駆け、3組からイベントに向けての意気込みを聞いた。

スズキユウスケ(オレンジスパイニクラブ):koboreとは名古屋でツーマンをさせてもらったことがあるんですけど、寺見さんとは今日初めてお会いして。

佐藤赳(kobore):僕も初めましてですね。

寺見幸輝(アメノイロ。):はい。今日はよろしくお願いします。僕、koboreもオレンジスパイニクラブも普段からよく聴いているんですよ。メンバーと曲を作る時、koboreの曲を参考にさせてもらうことが多くて。ドラムの手数が多いし、キメのバリエーションが豊富ですよね。

佐藤:嬉しいです。ありがとうございます!

寺見:オレンジスパイニクラブのことは「キンモクセイ」で知ったんですけど、この前、一緒にカラオケに行った友達がオレスパを歌っていて、「この曲めっちゃええやん。何て曲?」と聞いたら、それが「ガマズミ」でした。それ以来、僕もインスタライブで弾き語りする時に歌わせてもらってます。等身大な感じがすごく好きです。

スズキ:恐縮です。アメノイロ。のライブはまだ観たことがないんですが、今日ここに来る時にも曲を聴いてきて。演奏がすごく上手いですよね。音もすごくよくて。

寺見:本当ですか。

スズキ:はい。全部の楽器の音がしっかり聴こえてくるバランスになっているんですけど、それって難しいことなのですごいなと思って。「朝惑」という曲が特に好きです。ライブも楽しみです。

佐藤:そういえば、アメノイロ。ってどうして「。」がついているんですか?

寺見:雫っぽくていいなと思って。ないよりはある方が印象に残るかなと。

スズキ:モーニング娘。が好きなのかなと思ってました。

佐藤:俺もそう思ってた。

寺見:どちらかというと、ゲスの極み乙女。ですね。

スズキ:ああ、なるほど!

佐藤:そっちか!

――オレンジスパイニクラブとkoboreがツーマンをした時、お互いに対してどう思ったのかも聞きたいです。

スズキ:koboreの楽曲を聴いた時は、やさしい印象があったんですよ。だけどライブを観てみたら、めっちゃ暴れてて……ステージ上に寝転がったりしていたので、ギャップがあるなと思いました。そのあとが俺らの出番だったので、「うわ、やられた!」と思いましたね。

佐藤:僕らは府中出身のバンドで、地元の先輩にユタ州という青春パンクバンドがいるんですけど、オレンジスパイニクラブはユタ州と繋がりがあると聞いていたので、きっと青春パンクだろうなと想像していたんです。ライブでは上裸で歌うのかなって(笑)。だけど実際にライブを観たら1曲目からしっとりとしたバラードだったので、思った以上にやさしいバンドなんだなという印象を受けました。そこから「あ、『キンモクセイ』ってオレンジスパイニクラブが歌ってたんだ」って知ったんですよね。

スズキ:なるほど、そうだったんですね。

――そして3月14日の「MAKE A BOOM #3」は、そこにアメノイロ。が加わってのスリーマンということで。

寺見:ありそうでない組み合わせですよね。僕らもとても楽しみにしています。

――先ほど「等身大」というワードも出てきましたが、今回の3組は、生活に馴染む音楽を鳴らすバンドだという印象があります。

寺見:僕らの場合、コロナ禍を経て、ライブで盛り上がる曲よりも、普段聴いていて心地いいと感じる曲を作るように自然と変わっていったんですよね。あと、2020年に広島県から上京したのも大きいです。広島では車で移動することが多かったんですけど、上京してからは電車で移動するようになって、ドラマで見ていたような生活に近づいた感じがあるので、その影響もあるのかなと。今はメンバー4人で暮らしているんですけど――

佐藤:え!? 一緒に住んでるんですか?

寺見:はい。

佐藤:すごい。俺だったら絶対に無理。

スズキ:俺も絶対に嫌です。ギターが弟なので、弟とは実家でずっと一緒に住んでいたんですけど、さらにドラムもベースもいると考えると……。

佐藤:俺は想像すらしたくないです(笑)。

寺見:みんなそう言うけど、やってみたら結構楽しいですよ。ライブの日に誰か一人が寝坊しちゃうことも絶対にないですし。

スズキ:ケンカはしないんですか?

寺見:もうすぐ3年経ちますけど、今のところないですね。もちろんいろいろありますよ。台所で食器がつけ置きしてあるのを見て、「きっとあとで片付けるつもりだったんだろうな」と思いつつ、「この食器、今から使いたかったんだけどな」と思っちゃったりとか。そういう時に、自分が気になっちゃうポイントって他の人からしたら全然気にならないことなんだろうなと実感します。だけど結局は、許すしかないんですよね。

佐藤:やさしい……。

スズキ:すごいな…。多分、アメノイロ。だからこそ共同生活が成り立つんだと思いますよ。

寺見:そうですかね? そう思うことにしよう(笑)。

――因みに、3組の曲を予習できるプレイリストを各種ストリーミングサービスで展開中ということで、プレイリストを聴き込みながら、ライブ当日を楽しみにしている人も多いかと思います。普段曲作りを行う上で、リスナーのリスニング環境を意識することはありますか?

スズキ:あまりないですが、今はイヤホンで音楽を聴く人が多いと思うので、イヤホンで聴いた時によく感じられるサウンドにすることは多少意識しています。でも、オレンジスパイニクラブは曲間の秒数とかに対してもかなりこだわりを持っているので、もちろんプレイリストで聴いてもらえるのも嬉しいけど、盤(CD)でもぜひ聴いてみてほしいです。

佐藤:僕もあんまり意識することはないかな。自分のリスニング環境の話をすると、最近はむしろレコードを聴くことにハマっているんですよ。例えば今って、デジカメがあるのにフィルムカメラも流行っているじゃないですか。そういうふうに、昔生まれたアナログなものが結局人間の感覚には一番フィットするんじゃないかと思っていて。それに、僕はレコードをリアルタイムで聴いていなかった世代なので、今聴くと新鮮に感じられるんですよ。どこでも味わえないような音が転がっているから、音楽を聴くたびに発見があるのがすごく楽しい。一方でストリーミングは便利なので、自分の生活に合ったものを選びながら音楽を楽しめたらいいですよね。

――なるほど。では、音源を聴くのとはまた違う、ライブならではの楽しみといえば、どんなところにあると思いますか?

佐藤:まず、音がデカい!

寺見:音がデカいから楽しい! あと、人がいっぱいいる!

スズキ:みんな楽しそう! そして俺も楽しい!

佐藤:……全部その通りだけど、なんかチャラそうに聞こえるな(笑)。「MAKE A BOOM」ってチャラいイベントなの?(笑)

スズキ:そんなことないですよね、すみません(笑)。でも、僕らも、この3組ならではのライブをきっとすると思いますよ。

寺見:このバンドと一緒だからこういうライブになっちゃった、っていうのは対バンだと結構ありますよね。

スズキ:はい。ワンマンには自分たちのことを知っている人しか来ないけど、今回はkoboreのお客さん、アメノイロ。のお客さんもいる中でライブをするということで……やっぱりやるからには全員に「いいな」と思わせたいじゃないですか。ちょっと挑発的になる気持ちになる気がします。

佐藤:僕は、むしろワンマンみたいなライブをやりたいかもしれないです。それで好きになってくれたら、多分、ずっと好きでいてくれるだろうなと思うので。僕らずっとツアーをまわっているんですけど、ライブをたくさんやる中で「今回はちょっと違うことをしてみよう」と試しても自分を見失うだけだと気づいたんですよ。そうやってやったライブがよかった試しが一度もなくて。たとえ自己満と言われても、とにかくフルスイングできるのが一番だし、僕らにとってのライブの醍醐味は、そういうところにあるのかなと思います。

――では最後に、ライブへの意気込みをお願いします。

寺見:僕からしたらkoboreもオレンジスパイニクラブもグッドミュージックを鳴らすバンドなので、その2組の中に混ぜてもらったという意味、今回のスリーマンに呼んでもらえた意味を自分たちで嚙み砕きながら、アメノイロ。の音楽をみなさんにしっかり届けられたらと思っています。

スズキ:またライブに来てくれるお客さんが増えるようなライブがしたいです。そのためには、緊張しすぎず、思いっきりできればいいですよね。前のバンドがいいライブをすると、流されちゃうタイプなんですよ、

寺見:あー、分かります。僕もです。

スズキ:本当ですか? 僕もすぐに「ヤバい、終わった!」って思っちゃうんですよ(笑)。当日は他のバンドのライブに左右されない強い心を持っていきます。

佐藤:僕は……いや、最初に言っとけばよかったな(笑)、今、「頑張ります」しか思い浮かんでないんですけど、これが締めになっちゃうんだよなと思って。

寺見:いやいや、いい締めですよ。

佐藤:でもとにかく「頑張ります」という気持ちです。いっぱい血を出して、ケガするくらいの気持ちで、全力でやりたいと思います。

なお、本イベントはYouTubeにて無料生配信もおこなうので会場に来れない人は生配信をチェックしてほしい。
kobore、オレンジスパイニクラブ、アメノイロ。の3組による熱いライブを目に焼き付けよう。

次のブームを作るのはあなただ。

INFORMATION

MAKE A BOOM #3 -sprout-

開催日:2023年3月14日(火)OPEN 18:00 / START 19:00
ARTIST アメノイロ。/オレンジスパイニクラブ/kobore

配信視聴:https://youtube.com/live/dTJFI2pTlug
MAKE A BOOM 予習プレイリスト
BOOM BOOM BOOM プレイリスト
イベント公式サイト

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