MUSIC 2023.03.19

Interview: ShowMinorSavage セルフタイトルの1st EPに込めた本当に好きな音楽の姿

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部
Photograph_Ryo Kuzuma, Edit&Text_Ryo Tajima[DMRT]

ShowMinorSavageは、Aile The Shotaと、BE:FIRST としても活動するSOTA、MANATOの3人によって結成されたユニット。自身が所属するBMSGのオーディションが集まったきっかけだ。そんなShowMinorSavage待望の1st EPがデジタルリリースされた。この作品と自身の活動について3人の話を聞く。
 

自分たちが心底好きな音楽のカッコよさを日本に広めたい

 

ーShowMinorSavageはオーディション(『THE FIRST クリエイティブ審査NEO』)で初披露されたわけですが、この3人が集まった理由から教えてもらえますか?

 
Aile The Shota(以下、Shota):僕らは音楽的ルーツにおいて共通する部分がすごく多くて、やりたいことが近かったので結成したんです。どんな音楽が好きなのかを話し合っていくうちに、互いの音楽的嗜好が近いことに気づいたんです。
 

ー共通する音楽的なルーツと言うと、どの辺りのアーティストになりますか?

SOTA:3人ともR&BとHIPHOPが大好きで、例えばクリス・ブラウンは最初に話したときから名前が出ていましたね。今の段階では日本にあまりない踊れる音楽をもっと作りたいよねって言っていたのが始まりです。
 
MANATO:ユニット名に“Minor”と入っているように、日本では、まだマイナーとされる音楽を日本のメジャーシーンに向かって発信したいっていう想いが結成当初からありますね。年代的には2010年代前半が青春にあるので、その時代のアーティストからの影響は大きいです。
 
Shota:この3人の中では僕が少し年上になるんですけど、ブラックミュージックに興味を持ったタイミングが遅くて、たまたま2人とリンクした部分があって。だからこそ音楽的青春が近いんです。
 
MANATO:制作しているときのリファレンスを互いに提示するときも、ちゃんと共通認識があってリンクしている状態で作るからお互いのことが理解できるよね。
 
Shota:そうだね、同じ視点を持っている3人が集まって、この3人でやりたいと思えたことが大きいんだと思います。

L to R_Aile The Shota, MANATO, SOTA

 

ーやはり、影響を受けるのはU.S.のアーティストが多いですか?

 
Shota:そうですね。R&Bに限らずHIPHOPでも共通して好きなのはミーゴスだったりとか。あの辺りのスターたちのライブ映像はよく一緒に観ますし、立ち姿から影響も受けますね。
 
MANATO:(ミーゴスは)ロールモデル的にもすごく指針となりますね。
 

ーさっき、「マイナーとされる音楽をメジャーシーンへ」という話がありましたが、時代感的にはどう感じていますか? 今こそ、そういった音楽を発信していくべきだと感じていますか?

 
Shota:音楽のトレンドも巡り巡るものですし、最近では2000年代の雰囲気も感じるのでやりやすい気がしていますね。
 
SOTA:うん、僕らがやりたいことを表現しやすいタイミングではあると思います。
 
MANATO:特にアジアでは僕らが好きな音楽が主流でマスに浸透してきているので、日本でもあと少しで一気に広まっていくとすごく感じるんです。そういう意味で期待ができるし、きっと響くんじゃないかと思いますね。
 

ーまだクラブミュージックを知らない層にも広めていきたい想いが強いですか?

 
Shota:はい、リスナーも音楽の聴き方がより自由になってきていますからね。僕らが日本のメジャーシーンで自分たちの好きな音楽を表現することで、リスナーにもそのカッコよさを伝えたいと思うんです。
 
MANATO:日本のヒットチャートしか聴かない層に対して、固定概念的な思考ではなく、色んな音楽を聴いたうえで自分がカッコいいと思ったものを聴き続けてほしいなって。自分もそうしてきましたし、その意志がユニット名にも表れていると思うので。
 
Shota:だから、僕らの場合は日本でやることに意味があるかなと思いますね。日本にはドメスティックな音楽シーンがあるので。

ーなるほど。そんな中で今作は待望の1st EPだと思います。1曲目「SUPER ICY」について教えてください。

 
Shota:プロデューサーのChakiさんとはトラックが出来上がる前からセッションさせていただいて、書きたいリリックのテーマを伝えつつ同時にキャッチーさも意識しながら制作していきました。自分たちの姿勢を提示する内容を描いた曲ですけど、すごく新鮮な体験でしたね。
 
MANATO:テイスト的には3曲目の「No Cap Navy」と近しい部分がありますね。ShowMinorSavageのスタンスを考えて各々がリリックを書いて、表現したかったパーティチューンに仕上がったと感じています。
 
Shota:そう、こういう僕ら自身がアガれる曲をずっと作りたかったんですよ。
 

ートラックの音数が少ないのもカッコいいですね。

 
SOTA:それは好みからですね。僕らが好きなR&Bも音数が少なくて洗練されているので。音数を少なくしてーーって話は3人の会話にもよく出てくるんですよ。

ー続いて2曲目 TRILL DYNASTYさんプロデュースの「Thinkin’ bout you」は、まさにHIPHOPな1曲ですね。

 
MANATO:今回のEPの中では1番ドープな雰囲気の曲ですね。メロやリリックは各々で考えて、それをレックしていく流れで制作していきました。大人の恋愛の要素をリリックに落とし込みつつ、カッコよさを表現していった感じですね。
 
SOTA:トラックを聴いてタイトルの“Thinkin’ bout you”って言葉が最初に出てきたんです。そこから連想させて、この曲はラヴソングだねって。
 
Shota:違いが引き立つような構成にしているので、この曲が1番HIPHOPマナーに則った構成になっていると思いますね。しっかり1人1人のバースを大事にして、あえて互いのリリックに干渉し合わないようにしました。

ー3曲目「No Cap Navy」はオーディションで披露した楽曲なので、1番最初に自身がプロデュースして作った曲ということになりますね。

 
MANATO:そうですね。もともと審査用に作った曲で、オーディションで自分たちの好きなカルチャーやスタンスを示す1曲として捉えていたんですけど、やっていくうちにリリースしたいと思うようになっていって。
 
Shota:そうだね。SKY-HIの「ナナイロホリデー」をサンプリングして自分たちでビートメイクしているんですけど、このEPリリースのタイミングで楽曲をブラッシュアップすることもできたし、良い青さも残すことができて満足しています。
 

ーでは、今後ShowMinorSavageはどう活動していきたいと思うか最後に教えてください。

 
MANATO:自分たちが絶対にカッコいいと思う音楽を日本のメジャーシーンに運びたいですし、それは僕らにしかできないことだと思うんですよね。そのうえで自分たちにも磨きをかけて、今まで憧れてきたアーティストと同じ舞台で肩を並べることができたら、ということを目標に考えています。
 
SOTA:この音楽が認めらなくても認められても、ずっと3人で好きな音楽を作っていくと思いますね。そこは曲げないと思います。
 
Shota:ずっとやっていきたいですし、ShowMinorSavageじゃなきゃできないことがあるので。2人はBE:FIRSTとして、僕はAile The Shotaとしての活動と並行しながらではありますけど、しっかりとやりたいことを実現し続けられるようにやっていきたいと思います。

 
 

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