-未来で、未来に、未来を鳴らす音 Vol.08-

自分たちの今を作り出す音楽アーティストに注目する企画、FUTURISTIC SOUNDS 。中でも音楽シーンを騒がせているorこれから騒がせることになるであろうユースをEYESCREAMが独自の観点でピックアップ。インタビューを通して彼らのアイデンティティ、ルーツに迫る。ロックもHIPHOPも、今年から何かが変わり大きく動き出すはず。新たな音楽カルチャーを知り、サブカルチャーの未来がどんな姿なのかを知る1つの材料としたい。EYESCREAM選、注目の音楽アーティスト2017下半期。第8回目に登場するのはJP THE WAVY。

「JP THE WAVY – 全部やれるアーティストに」

彗星のように現れるという陳腐な言葉を使いたくなる登場の仕方だった。JP THE WAVYが今年の5月にYoutubeでミュージックビデオを公開した「Cho Wavy De Gomenne」は、キャッチーなフックが瞬く間にインターネット上に広まり、ミュージックビデオに登場するユースたちのファッションスタイルにも注目が集まった。同曲は1ヶ月後の6月にはSALUをフィーチャーしたリミックスバージョンもYoutubeで公開され、すでに60万回以上の再生回数となっている。今や時の人となったJP THE WAVYのルーツと現在の心境などを話してもらった。

ーそもそもはダンスから始めたんですよね。

JP THE WAVY:そうです、はい。中学一年生でダンスを始めて。同じ中学校の友達がずっとやってて、やらないって誘われて。それでですね。ヒップホップでしたね。音楽はダンス始める前から洋楽とかを小五、小六あたりから聴いてて、Eminemとかでですよね。

ー日本語ラップは聴いてた?

JP THE WAVY:すごいディグったりとかではなくて、本当にそれこそスペースシャワー、MTVでライムスターとかKREVAとかたまに聴いてたくらいすね。

ーラッパーになろうとは?

JP THE WAVY:別に考えてなかったですね。周りでラップやってた人もいなかったし。 でも、B-Boyは多かったですね、自分の中学とかの周りは。ダボダボな服だったりそう柄のパンツだたり。は多かったんですけどでもラッパーはいなかったですね。もう本当格好だけのやつか、まあやっててブレイクダンスとかで。

ー中学の時とかはファッション的にはどんな感じだった?

JP THE WAVY:総柄の超でかいパーカーに、超でかいズボンに、Timberlandとか。Sean Johnのセットアップとか。

ー服はそういう感じだったんですね。

JP THE WAVY:そうですね、その頃は。New Era被って。今逆にそういう格好してみたいですけどね。

ー今見たいなスタイルのファッションになっていったのはいつ頃ですか。

JP THE WAVY:今みたいなのは、今ですね。たぶんその時その時の考え方で生きて、高校のくらいの時になったらちょっと一気に細くなって。Joyrichとかを高校一年生の時とか着てたし、それにJordanばっかはいてたり。

ーその時憧れてた人はいましたか?

JP THE WAVY:高校の時は、それも時代によって色々ですけど。でも高校の時ってLAのアーティストやダンスとかが好きだったんで。その時の格好ってみんなスキニー履いてリュック背負ってVansはいて。Chris Brownの格好はめっちゃしてたかもしれないっす。同じの買ったりとか。

ー周りの友達とかに影響されたりとかありますか

JP THE WAVY:いや、それはあんまりないですね。

ー今はちなみに、自分的にはどういう感じのスタイルだと思いますか。

JP THE WAVY:いやわかんないですね、ギャル男っすかね。自分で勝手に言ってるだけですけど。

ーギャル男っていうのは、トレンドに敏感だったりみたいな?

JP THE WAVY:う~ん、そうですね、なんかどこらへんがギャル男って聞かれたらなんかよくわかんない。

ーとりあえず言っとくみたいな

JP THE WAVY:新しいギャル男ですね。

ー普段よく行くショップとかってありますか。

JP THE WAVY:うんー、まあ普通に、知り合いとか友達とか働いててよく行くのはやっぱりNubianとかGR8とか。あとは、自分もアパレルで働いてるから、そこの買っちゃったり。

ー今はどこで働いてるの?

JP THE WAVY:21日からは、表参道のPalm Angelsってブランドの、ポップアップストアで。 今まだ日本で取り扱ってる店は少ないんですけど、海外だったらA$APもMigosもKanyeもFutureとか、みんな着てますね。ちょっと高めのやつなんですけど。それを日本で、ちゃんと正規でポップアップって形で展開する店で。

ーファッションで気にしてるところ、自分なりに気をつけてるところっていうのは

JP THE WAVY:最近は、サイズ感ですかね。でも自分たぶんほんといろんなカッコするんで、ほんとその時その時、例えばいいなってTシャツを見て、これだったら大きめでこういう感じで着たいなとか、これは普通にタイトに着たいなとか。今日は無地Tに無地だけど。

ーじゃあかと思えば派手目っていうか、

JP THE WAVY:そうですね。楽しんでますね、女の子みたいに(笑)

ーそれがギャル男ってことなんですかね?

JP THE WAVY:たぶんそうかもしれないです(笑)。だからなんか、俺と言ったらこれ、みたいなのないんですよね。音楽もですけど、やりたいことやりたい。

ー最初にやった曲っていつですか?

JP THE WAVY:いつだっけ、19とかかもしれない。その時は、これ俺ほんとにいけてるかなみたいな。できてる?って感じで。まあでも、楽しかったですね。その時たまたまWenyとも出会って。”No Flex Zone”でビートジャックをやったりとか。それは自分のバースが全然ダメで、俺いつもWenyのとこだけ聞いて、俺は2バース目だったからそこでいつも終わらせてました(笑)

ー今も自分のクルーに入ってるんですよね?

JP THE WAVY:そうですね、DTRIってクルーで。do The Right Incって意味で。今は7人いて、元々みんなダンサーなんですけど、歌を歌う奴がいたり、DJがいたり、ラッパーがいたり。色々です。

ー“Cho Wavy De Gomenne”のMVに出てるのがそのクルー?

JP THE WAVY:MVは全然違います。あれは本当にアパレルの仲間が出ていて。

ーそもそもなんであの曲を作ろうってなったんですか

JP THE WAVY:あれは本当にアパレルで働きながら、勢いで生まれたっていうか。MVにも出てるリッキーって友達がいるんですけど。そいつと普通に毎日二人で仕事してて、自分のInstagramのIDが@sorry_wavyなんですけど、それってなんか「wavyでごめんねっていう感じ?」って言われて、じゃあ「超Wavyでごめんね」って曲を作ったほうがいいですよって。最初はそんな乗り気じゃなかったんですよ。それで朝の仕事に行く電車の中で、パッと書いて出来たんですよね。それでレコーディングして、レコーディングしてからMV撮るまで1~2ヶ月くらいかかっていて。本当にこの曲、そんなにヒットするかなと思って。その時はEPを出そうとしてて、それの先行みたいな形で、MVをなにかしら出したかったんで。そう考えたらあの曲を先行で出したほうがいいのかなって。そしたら様子がおかしくなった。

JP THE WAVY – Cho Wavy De Gomenne

ービデオはSpikey Johnが。

JP THE WAVY:知り合ったのは今年の2~3月とかで、彼の仕事のモデルとかをしていて、kiLLaのミュージックビデオとかで、映像のクオリティーは知ってたのでちょっとお願いしたいなって。ビデオのアイディアは何にもないです。パッと行って、撮る。「ここいいね」って感じでやっていきましたね。本当に仲間と遊んでる感じを超チープに撮りたくて、適当でいいよって伝えましたね。元々リッキーと自分だけで撮る予定だったんですけど、当日になってもう少し人数いても面白そうだなと思って、撮る何十分前とかに電話して、「来てよ」って。

ーでも服の色味が合ってますよね。

JP THE WAVY:そう、あれはたまたまなんですよ。リッキーとおれだけオレンジで合わせていたんですけど。あの曲は東京とかで、少し知ってくれる人がいたら嬉しいかなって感じでしたね。

ーそれでリミックスも

JP THE WAVY:あれはいきなりSALUくんからいきなり電話がきて、「リミックスしたいんですけど」って。「え?」みたいな感じで。その電話がくる2日前にたまたま現場で一緒で、その時に連絡先交換して、まさかそうなるとは思わなかったですね。SALUくんはずっと聴いてたんで。ビデオもなるべく同じような感じで撮りたいって感じで。でもちょっと豪華にして。

Cho Wavy De Gomenne Remix feat.SALU

ーダンスビデオをアップしている人も多いじゃないですか。

JP THE WAVY:めちゃめちゃ嬉しいですね、本当に。

ー最近よく聴いているアーティストはいますか?

JP THE WAVY:結構自分なんでも聴くんですよ、いま一番聴いてるのはRiriって日本の女の子ですね。めっちゃ聴いてますね、「やっべえ」と思って。トラックから歌唱力、メロディーラインも全部やばくて。いま一番一緒にやりたいですね。あとYDIZZYの最近のアルバムとか、Wenyのも聴くし。次の作品をおれはもっと早く出したかったんだけど、いまは急ぐ必要もないのかなって。急いでそこまでのものを出すよりかは、タイミングをちゃんと見てやっていきたいですね。

ーいまはいい方向に行っていると思う?

JP THE WAVY:そうですね、いろんな人に気にしてもらって、色々呼んでもらって嬉しいんですけど、その分次のプレッシャーは半端じゃないですね。昔みたいに適当に作って出すわけにもいかなくなったので、どうしたらみんながもっと聴いてくれるのかなってことで、頭がいっぱいですね。自分はなんでもできる人になりたいですね、TVもめっちゃ出たいんですよ、俳優だったり、モデルだったり。アメリカはそうじゃないですか。全部やれてアーティストだと思うんで、そういうなんでもできる人になりたいですね。

FUTURISTIC SOUNDS ARCHIVE

01. DATS
02. 集団行動
03. CHAI
04.MONO NO AWARE
05.PAELLAS
06.Aun beatz
07.NAHAVAND
09.Weny Dacillo

INFORMATION

JP THE WAVY

Twitter @Sorry_Wavy
Instagram @sorry_wavy