FUTURISTIC SOUNDS 01.DATS

-未来で、未来に、未来を鳴らす音 Vol.01-

photography_Yoshiharu Ota

FUTURISTIC SOUNDS 01.DATS

-未来で、未来に、未来を鳴らす音 Vol.01-

photography_Yoshiharu Ota

自分たちの今を作り出す音楽アーティストに注目する企画、FUTURISTIC SOUNDS 。中でも音楽シーンを騒がせているorこれから騒がせることになるであろうユースをEYESCREAMが独自の観点でピックアップ。インタビューを通して彼らのアイデンティティ、ルーツに迫る。ロックもHIPHOPも、今年から何かが変わり大きく動き出すはず。新たな音楽カルチャーを知り、サブカルチャーの未来がどんな姿なのかを知る1つの材料としたい。EYESCREAM選、注目の音楽アーティスト2017下半期。第1回目に登場するのはDATS。(このインタビューはEYESCREAM7、8月合併号のバックカバー出演時、LITHIUMM HOMMEをフィーチャリングする形で行われました)

「言えるのはロックなんだってことだけ」
2017年、現代が生んだ“SNS世代のリアル”

ーバックカバー企画として、[リチウムオム]が、DATSをフィーチャリングする形で撮影しました。まずは皆さんのファッション観を教えてください。

伊原卓哉:今はファッションシーンにおいてもストリートが流行っているように見えます。いわゆるストリートとモードの合間。やっぱりカッコいいですよね、自分も好きです。

早川知輝:多いのはスキニーパンツでコンバース。ロックミュージシャンたちのスタンダードを、自分の中に活かしています。

大井一彌:僕は90年代のUKカルチャーにどっぷりだったんですよ。フットボールを見て騒ぐようなミュージシャンのスタイルが好きなんです。その前はモッズファッション好きでしたね。60〜90年代のUKのファッションカルチャーが好きなんです。

杉本亘:うーん…。オレ、普段何着てるかな?

ーライブのときに[GOLF WANG(ゴルフワン)]のTシャツを着ていたのが印象的でした。

杉本:おー、そこいきますか。Odd FtureとかThe Internetとか、彼らは音楽を通じてファッションもカルチャーとして広めてますよね。サウンドはもちろん、そういうところがカッコいいと思うんです。ステージに立つうえで、周りに『アレ、着ているよね』ってフィーチャーされたらいいな、と。

ーそういった服の話や音楽の話など、普段からメンバー同士で共有し合ったりしますか?

伊原:けっこう頻繁にやりますね。ツアー時、車中で最近ハマっている音楽を皆で聴いたりとか」

早川:杉本の家で、4人全員で作業したり遊んだりすることも多いですし。

ーメンバー同士、めっちゃ仲良くないですか?

伊原:いやー、仲良いですよ! 一緒に風呂入るくらいですから。

ーえっ!?

早川:もう、そんなの普通の行事ですよ。

伊原:他の人からしたら『えっ!?』って感じだと思うんですけど、慣れるくらい一緒に入ってますから。

ーそのせいか、ライブでは阿吽の呼吸な感じがしました。エレクトロの要素があるにも関わらず、ロックなアクトじゃないですか? DATSの音楽性はどういうものだと考えていますか?

大井:自らカテゴライズして音楽をやるのってナンセンスだと思うんです。僕らが言えるのは、ロックなんだよ。ってことだけ。それはジャンルとしてのロックンロールじゃないんです。音楽には、エレクトロやテクノとか、それぞれ名前がありますけど、カッコいい音楽はジャズでも、ロックじゃないですか。

早川:そうだね。

ーちなみに今のDATSの勢いには凄まじいものがあると思いますが。

杉本:僕はやっとスタート地点に立てた感じがします。実際にバンドが大きく上を向いているのは実感していて、今年からやっと、どういうハコでやろうとか。どんなペースで作品を出していこうかとか。そんなことが考えられるようになりましたね。

ーホームにしているハコ(ライブハウス)はあるんですか?

大井:ホームは決めていませんが、この間の『Song For Future Generation』で、初めてリキッドルームのステージに立って、DATSの曲がフィットしていると感じたんです。まずはこのスケール感で、お客さんを巻き込んでいきたい。

伊原:洗練された雰囲気がありますし、音響システムも良いですしね。

大井:サウンドシステムの強靭さと僕らの音楽のパワーは比例すると思うんで。そう考えるとココじゃなきゃダメだって場所はないのかも。

ー6月7日にリリースされるアルバム『Application』はどのように制作されたんですか?

伊原:作曲はすべて杉本がやって、歌詞を全員で分担して作りました。もう杉本が溢れ出るように曲を作ってくれたんで。

杉本:今作は、1個大きなコンセプトを決めて、テーマに沿って作曲したんで、すごくやりやすかったですね。

ー設けたテーマ、コンセプトとはどういうものなんですか?

杉本:テーマは“SNS世代のリアル”です。情報技術が発達している時代ですよね。その中で“POST-TRUTH(ポスト真実)”なんて言葉もあるくらいです。結局、事実が存在しないけれど、そこで自分が見たものを大切にしようということを伝えたいと思ったんです。

伊原:アルバム自体をスマホに例えているというか。リード曲は『Mobile』というタイトルですが、モバイルの中に1つ1つの曲が入っているというイメージです。僕らの世代ってデジタルと共に成長してきたんですね。ガラケーも使っていたし、ネットフリックスも使っている。その過渡期を見てきたからこそ、改めて、物事の善し悪しを、同世代にも上、下の世代にも考えてほしいと思ったんです。もちろん、自分たち自身も含め。便利になり過ぎていることで、人間関係も希薄になっていると感じるし……。ただ、このアルバムは問題提起であって、説教論ではないです(笑)。

ーアルバムを経て、今後ますます活動の幅が広がると思いますが、どんな展望を描いていますか?

大井:僕らはロックミュージシャンだから声をデカくしたいです。

伊原:声量じゃなくてね。メッセージを大きく世間に届けたいという意味で。今後、どうしたいかというのは活動していくうちに出てくるんでしょうね。それを如何に大きな声でリアルタイムで伝えていけるか。

ーメッセージを世間に伝えていく、と。

杉本:そうですね。ただカッコいい音楽をやっていればいいという時代でもないのかと感じています。

大井:伝える内容次第で、表現する場所やフォーマットも変わってくると思います。そのやり方も探し続けたいですね。まぁ、難しく考える前に、僕らは一緒にバンドをやっていてもいなくても、もう家族みたいなものなので(笑)。

早川:たまたまバンドという集団だけど何でもいいよね。信頼があるうえでやってるから。

伊原:だから説得力があると思うし。

杉本:音がカッコいいと思ってDATSを聴いたら、こんなメッセージがあったんだって気づいてもらえる。そんなライトな感じで触れてもらえれば。

profile

DATS
杉本亘、伊原卓哉、早川知輝、大井一彌から成る4人組バンド。デビューアルバム『Application』を6月7日リリース。今年のフジロック・フェスティバルへの出演も決定。ボーカルの杉本とドラムの大井はyahyel(ヤイエル)としても活動している。
www.datstheband.com

こちらはアルバム『Application』収録の楽曲『Queen』のMV。

FUTURISTIC SOUNDS ARCHIVE

02. 集団行動
03. CHAI
04.MONO NO AWARE
05.PAELLAS
06.Aun beatz
07.NAHAVAND
08.JP THE WAVY
09.Weny Dacillo

INFORMATION

1st Album『Application』

6月7日にリリースされたデビュー・アルバム。マスタリング・エンジニアにはシングルに引き続き砂原良徳氏が担当し、アートワークにはBonoboやLana Del Rayのジャケット写真で知られるNeil Krugの写真を使用

[収録曲]
1. Netflicks
2. Filter
3. Mobile
4. Health
5. Amazon
6. Queen
7. Tinnder
8. Patagonia
9. Where Is My Jane