FUTURISTIC SOUNDS 03.CHAI

-未来で、未来に、未来を鳴らす音 Vol.03-

photography_Kayoko Yamamoto, text_TAISHI IWAMI, 撮影協力_OHKA THE BESTDAYS(@ohkathebestdays)

FUTURISTIC SOUNDS 03.CHAI

-未来で、未来に、未来を鳴らす音 Vol.03-

photography_Kayoko Yamamoto, text_TAISHI IWAMI, 撮影協力_OHKA THE BESTDAYS(@ohkathebestdays)

自分たちの今を作り出す音楽アーティストに注目する企画、FUTURISTIC SOUNDS 。中でも音楽シーンを騒がせているorこれから騒がせることになるであろうユースをEYESCREAMが独自の観点でピックアップ。インタビューを通して彼らのアイデンティティ、ルーツに迫る。ロックもHIPHOPも、今年から何かが変わり大きく動き出すはず。新たな音楽カルチャーを知り、サブカルチャーの未来がどんな姿なのかを知る1つの材料としたい。EYESCREAM選、注目の音楽アーティスト2017下半期。第3回目に登場するのはCHAI。

「“かわいい”の価値観を変えたい」。CHAIの目指す地点

世の中の一般的な価値観において、自分は“かわいくない”“かっこよくない”と思ったことは、誰しも少なからずあると思う。「でもそれってどうなの?」と投げかける4人組“オンナバンド”がいる。コンプレックスこそ力であり個性であり“かわいい”の種。もしかしたら少し気にしているのかもしれないけど、自分たちが掲げる“NEOかわいい”が定着することを確信しているからこその音楽がここにある。
ロックンロールやダンスミュージックは、身を任せてただ楽しいものであると同時に、既存の価値観を破壊する武器でもある。ユーモラスかつ強くたくましく時代を駆け抜け、グラミー賞を獲ることまでも目標に掲げるCHAIとは、いったいどんなバンドなのか? メンバー全員の大好物という餃子を食べながら話してもらった。

ガールズバンドのイメージも変えたい。反骨でいっぱい

ーステージでも着られているその衣装を選んだ理由は?

マナ(Vo.&Key.):衣装は、どんな衣装でも必ずピンク。CHAIのイメージカラーなんです。女の子のかわいくてか弱いっていうイメージを変えたくて。だから女の子とセットみたいなイメージになってるピンクを、ホントはもっとかっこいい色なんだってCHAIのパフォーマンスを観て思ってほしい。

ユウキ(Ba.&Cho):ガールズバンドのイメージも変えたい。「変えたい」ばっかり言ってるけど。CHAIのマインドは反骨でいっぱいだから。

ー女性ならではの感性ってあると思うんですけど、“ガールズバンド”って、安易に括られてしまうのは…というところですよね。

カナ(Vo.&Gt.):女性だからヘタウマな演奏がいいっていうジャンルになってるのは、ホントにおかしいと思う。だから自分たちのことを“オンナバンド”って言ってる。

ー普段のファッションでこだわっていることも教えてもらえますか?

マナ:毎日着る服はいろんな色を着たいし、いろんなものを混ぜたい。台湾人みたいなイメージ。台湾の人って派手な色をいろいろ組み合わせて着てる人が多い気がする。異国情緒があって、でも顔は日本人みたいにシンプルだから絶妙に奇抜で“似合ってない”感じがすごくいい。

ーCHAIの作る音楽は、そういうファッションに対するする考え方と通じる部分もありますよね。例えばスポーツブランドのジャージを羽織ると靴も同じブランドじゃないと落ち着かない人だったりすると、いろんな音楽をミックスするときに流れを整えるというか。でもCHAIの場合はまず何にも縛られないオリジナルなミックス感覚があって、それを演奏力やセンスで締める。

ユナ:わかりやすい! うれしい!

カナ:褒めるの上手!

ー僕の見方を褒める会じゃないですよ(笑)。

カナ:そっか(笑)。常に新しいものを作りたい。誰かのコピーみたいなことはきらい。

ユナ:絶対に踊れるもの。それは一番、私たちの土台にあることかもしれない。グルーヴィーであること。

ーCHAIの思う“グルーヴィー”とは?

ユナ:決まった振りじゃなくて、腰からリズムがきて体が自然と動いちゃうような。

マナ:あんまり揃っちゃう感じじゃなくて、ちょっとずれているのがいいかも。きれいすぎるのも、音を敷き詰めすぎるのも息苦しいから。

ー基本引き算で作られてますよね?

マナ:うん、それはめっちゃ意識してる。

ー音に隙間を持たせているからこそ、ダイナミックな音を重ねた部分とのコントラストも出てさらにいいグルーヴが生まれる。

カナ:なるほど~。コントラスト! 初めて聞いた! これからは「コントラストしてます」って言います!

ユウキ:音数は少ない方が良いよね。重ね過ぎるとどこを聴いていいかわからなくなるし、うるさくなったら色気がなくなっちゃう。極限まで抜いてる方が、いろいろ見えるしよりグルーヴを感じられる。

ロマンティックでセクシーで、ドキッとして眠れなくなっちゃう

ー「誰かの真似はしたくない」とおっしゃったことについて。とはいえ影響源はあると思うんです。

マナ:うん、それはめっちゃある。

ーオルタナティヴロックやニューウェーヴ/ポストパンクなどはよく言われると思うんですけど、「ボーイズ・セコ・メン」はAC/DCの「Highway To Hell」が元ネタになっているのかと。同じギターのリフを繰り返してそこにドラムがのってサビ前でベースが入ってくるんですけど、それに近い感じがイントロにある。そこの幅がとても興味深くて。

ユウキ:そうなんだ! AC/DCをちゃんと聴いたことはないんだけど、今度聴いてみる!

CHAI「ボーイズ・セコ・メン」

ーでは、それぞれのルーツになっている音楽と今はまっている音楽を教えてもらえますか?

カナ:ルーツはゴリラズかな。ベースラインとかメロディーとか、何だか気だるくてちょっとダサくて、踊れるのか踊れないかわからない音楽もある。でもめっちゃ良い。そういうのは絶対に真似できないと思った。「Feel Good Inc.」のベースとか、ああいう雰囲気は出したいって思ってる。今は、ジャスティスの「D.A.N.C.E」が入ってるアルバムが一番好き。

マナ:私のルーツはCSSとかトム・トム・クラブ。単純にメロディーが好き。あとCSSは女の子にしか出せないバンド感。ギャルっぽくて不良っぽくてダメっぽい。そういうのってCHAIにはできないから。今はThe xxのアルバム『I See You』 が好き。ロマンティックでセクシーで音数が少ないのにリズムしっかりあって、ドキッとして眠れなくなっちゃう。

ユウキ:ずっと好きなのはベースメント・ジャックス。すごく狂っててバキバキで踊れる。映像でしか見たことないんだけど、お腹が出てる黒人の女の人が踊りまくってるのがエンターテイメントだなって。めっちゃかわいいの。今はTLCの新曲「It’s Sunny」が好き。軽い女感ありつつチャラくなくてセクシー。

ユナ:私のルーツはファンクやフュージョン系、R&Bとかソウルかな。マーヴィン・ゲイの「What’s Going On」とか大好き。音数は少ないんだけどグルーヴだけで魅せる曲が自分のルーツにあって、それが自分のドラムの基本になってる気がする。最近はタワー・オブ・パワーの「What Is Hip」を実はちょっと練習してたり。ホーンも交えてあの人数で一枚岩なグルーヴが飛んでて、そういうのも魅力的な曲ですね。

ーなるほど。インプットにおいてはまずどんな音楽でも聴いてみる。そのなかで、とりわけ自分たちじゃできない音楽に惹かれる傾向があって、だったら自分たちにしかできないことを追求していこうというイメージですね。

マナ:まさにそうかも。

否定はしない。応援歌は作らない

ー今後の目標を聞かせてください。

マナ:グラミー賞を獲って“かわいい”の価値観を変えたい。

ユウキ:この顔がグラミー賞を獲って世界のトップに立てば、世界は変わると思う。

ー「この顔が」ってどういうことですか? かわいいじゃないですか。

一同:うん、かわいい(笑)

マナ:でもクラスで男子が挙げるかわいい女の子には絶対に入らないし、実際入ってこなかったから(笑)。特別肌がきれいなわけでも、目が大きいわけでもスタイルが良いわけでもないし。別にそこを目指してもないんだけど。そういう人がトップに立つよりCHAIが立った方が面白い世界になるよ。

ユウキ:みんなが変に“おんなじかわいい”を目指し過ぎてると思う。ダイエットで体削るとか二重にして顔変えるとか、そういうことだけが“かわいい”じゃないよって伝えたくて。

マナ:かわいくない人なんて誰ひとりいない。みんなかわいいから。

ーその気持ちを音楽に乗せて伝えるうえで、心掛けていることは?

マナ:否定はしないこと。あとCHAIは応援歌は作らない。

ユウキ:「頑張って」とか「そばにいるよ」とか「見守ってるよ」ってCHAIに言われても誰もうれしくないでしょ? 私たちはそういうことじゃない。

ーそうやってひとつの“シーン”を作りたいと思っていますか?

ユナ:そういうのは特に考えたことないかなあ。

カナ:常に新しいことをしてたい! そこにとどまりたくないから。

ー上昇志向は強いですよね。

カナ:うん。どう考えても売れたい。CHAIはエンターテイメントでいたい!

ービッグマネーを手に入れたらどうしましょう?

マナ:目の前で切ってくれるステーキ屋さんに行きたい!

カナ:目の前で握ってくれるお寿司!

ユウキ:目の前で揚げてくれる天ぷら!

ユナ:めっちゃ分かる。全部食べたい!

ー食べ物ばかり(笑)。今日はありがとうございました。

一同:ありがとうございました!

FUTURISTIC SOUNDS ARCHIVE

01. DATS
02. 集団行動
04.MONO NO AWARE
05.PAELLAS
06.Aun beatz
07.NAHAVAND
08.JP THE WAVY
09.Weny Dacillo

INFORMATION

2017年7月28日(金) 新潟 湯沢町苗場スキー場『FUJI ROCK FESTIVAL’17 “ROOKIE A GO-GO”』
2017年8月6日(日) 富山SOUL POWER
2017年8月7日(月) 新潟 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
2017年8月8日(火) 仙台 enn 2nd
2017年8月20日(日) 沖縄 output
2017年8月21日(月) 沖縄 output
2017年9月2日(土) 宇都宮 HEAVEN’S ROCK Utsunomiya VJ-2
2017年9月16日(土) 東京 渋谷CLUB QUATTRO
2017年9月23日(土)〜24日(日) 長野 アルプス公園『りんご音楽祭2017』
2017年10月9日(月・祝) 水戸LIGHT HOUSE
2017年10月14日(土) 東京 TSUTAYA O-EAST
2017年10月21日(土) 大阪 Live House Pangea
2017年10月22日(日) 名古屋 CLUB ROCK’N’ROLL

「CHAI presents ”ロード・ツー・ダ・GRAMMYs” season4」 ( THANK YOU! SOLD OUT! )
2017/08/11(金・祝) 名古屋CLUB ROCK’N’ROLL
2017/08/12(土) 大阪 Live House Pangea
2017/08/18(金) 下北沢 BASEMENT BAR