FUTURISTIC SOUNDS 06.Aun beatz

-未来で、未来に、未来を鳴らす音 Vol.06-

FUTURISTIC SOUNDS 06.Aun beatz

-未来で、未来に、未来を鳴らす音 Vol.06-

自分たちの今を作り出す音楽アーティストに注目する企画、FUTURISTIC SOUNDS 。中でも音楽シーンを騒がせているorこれから騒がせることになるであろうユースをEYESCREAMが独自の観点でピックアップ。インタビューを通して彼らのアイデンティティ、ルーツに迫る。ロックもHIPHOPも、今年から何かが変わり大きく動き出すはず。新たな音楽カルチャーを知り、サブカルチャーの未来がどんな姿なのかを知る1つの材料としたい。EYESCREAM選、注目の音楽アーティスト2017下半期。第6回目に登場するのはAun beatz。EYESCREAM7・8月号よりのスピンオフ。彼らが奏でるのは“ラップバンドではなくファッション×バンドのミクスチャー?!”。

音楽とファッションが好きな人の新しい遊び場にしていきたい

―再結成してもうすぐ1年ですよね。

Markun:そうですね。最初に結成したのは3〜4年前で『ちょっと面白いことやろうよ』って僕が声をかけて誘いました。解散とかではなく、最初に入っていたメンバーが抜けたり、単純に活動ができなかったので、休止していて
Ryu:Jacksonは、僕とRyu Matsuyamaというバンドを組んでいてヒップホップが好きなのは知っていたので彼を誘ったんですよ
Kenshiro:で、オレは茅ヶ崎の喫煙所でタバコを吸っていたらRyuに会って最近何してるの?なんて世間話から気づいたらスタジオ入ろうかってことになったんだよね
Ryu:そう、本当にたまたま、その日にAun beatz再結成しようと話していたので。ほとんど自然発生的に再始動することになりました

―結構ラフにバンドがスタートしたんですね。

Markun:売れようとかCD出そうとかではなく。つるんでいるって感覚に近いんですよ
Ryuこれは、いつもKenshiroが言っている言葉なんですけど、“ヴァイブス”で全部成り立っているんだなって
Markun:結成〜休止、再結成もヴァイブスでして(笑)。音楽の作り方もヴァイブス
Jackson:ただ、そのヴァイブスも、出たとこ勝負の軽いノリではない。Ryuはイタリア生まれイタリア育ち、僕もバークリー音楽大学に留学していますし、Kenshiroくんも音大に行ってたり、MarkunもRyohuも皆それぞれ、それなりの音楽のバックグラウンドと基盤があるので。その上で、理論をぶつけないでフィーリングで演奏したり曲を作ったりしているので“計算された計算されていないもの”というか……
Kenshiro:つまり、あくまでも楽しく。という感じなんです。最終的にすべてJOYにつながってます

―各々のヴァイブスの方向性は一致しているんですか?

Markun:いやいや……。毎回殴り合いの真剣勝負ですよ(笑)
Ryu:個々の主張がすごくて全員オフェンスだもんね
Jackson:ただ、いわゆるヒップホップ的なダークでクールなバンドではないことは確かです。喧嘩を売っているわけでもないし、リリックではそういうことを言ってることはあっても、基本的には聴いている人を置き去りにハッピーに上げていくサウンド

―本特集では、次の音楽カルチャーの行く末を探りたいと考えているのですが、皆さんはどんな音楽を通ってきて今に至るんですか?

Kenshiro:昔はThe BeatlesとかStevie Wonderを聴いていたのですが、衝撃という点ではNIRVANAでしたね。3ピースという最小人数で構成されたバンドなのに音楽の概念をぶち壊していて。言いたいことを言えなかった自分を代弁しているようで、それからロックを聴くようになりました
Ryu:僕はRadioheadですね。聴くだけで映像が想像できてしまう『Motion Picture Soundtrack』みたいな曲を作りたいと思ったのが音楽を始めたきっかけです

―音楽の他にサウンドメイクに影響を与えるものは何 でしょうか?

Markun:古着とかわいい女の子。それのみですね。たまたま出会えたTシャツとか、街を歩いていて見かけたかわいい女の子とか。その瞬間の気持ちの高ぶりをギターに込めているわけです
Ryu:それ、怖いよ(笑)。ほんとよかったね。ギター弾けて!
Markun:でも、古着はAun beatzのキーワードのひとつだよね。メンバーが古着屋で働いてることもあって、古着のカルチャー(リメイク/リサイクル的なマインド)をそのまま音楽に取り込んでいる側面もある

―なるほど、ファッション的なこだわりもあるということですね。

Ryu:僕は基本的にMarkunとかKenshiroに教えてもらった服を着ています。それもファッションの表現の1つじゃないかな、と。彼らは古着屋で働いてることもあって信頼しているので
Jackson:ライブでは黒を着ることが多いのですが、実は人には見えないインナーにカラーを入れてます。そうすると心までダークにならない。人間は色に左右されるからってうちの母ちゃんに言われたんですよ。この考えはサウンドメイクにも繋がるかもしれないですね

―今また、音楽界を賑わす新しいバンドが増えていると思います。新しいシーンも形成されていっているように感じます。その中でAun beatzはどんなカルチャーを作っていきたいと思いますか?

Ryu:まわりにいる近しいミュージシャンたちも、彼らは完全にムーブメントを起こしていますよね。若いバンドに対して道を示している。でも、別に僕らはそのやり方をコピーしてやるわけでもなく、音楽の持つ力と違うカルチャーの持つ力を合わせたいと思っているんですよ。そうすると面白いことができるんじゃないかな
Markun:だからジャンルとしては、ラップバンドではなく、ファッション×バンド=ミクスチャーって感じですかね
Kenshiro:Grateful Deadみたいに、ライブに来たお客さんが古着を自由に売りまくっているような光景になるのが理想的ですね。あのバンド見に行けば良い古着を買えるくらいの。もっとも古着に近いバンドになりたいよね
Ryu:最終的には、Aun beatzが音楽やファッションが好きな人たちの新しい遊び場になってればいいと考えていますよ

Aun beatz – Summertime (Music Video)

profile

Aun Beatz
Ryu(Key,Vo)、Jackson(Dr)、Markun(Gt, Ch)、Kenshiro(Ba, Ch)、≪Ryohu(Rap)is…on vacation≫
個々の活躍でも知られるメンバーも多く、またその高い音楽偏差値をオープンにすることもなかった、謎めいたニュー・ディスカバリー2017?!ラッパーとヴァイリンガルなボーカルを要するサウンドは単純にヒップホップバンドと形容することのできない独自性がある。Aun Beatzの初となる音源『Summertime EP』が、7月19日にリリース。

https://www.aunbeatz.com/

FUTURISTIC SOUNDS ARCHIVE

01. DATS
02. 集団行動
03. CHAI
04.MONO NO AWARE
05.PAELLAS
07.NAHAVAND
08.JP THE WAVY
09.Weny Dacillo

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