えみそん(フレンズ)の感銘脳内
vol.1『言葉を生み出す脳内』 

Text,Photography&Illustration_おかもとえみ

えみそん(フレンズ)の感銘脳内
vol.1『言葉を生み出す脳内』 

Text,Photography&Illustration_おかもとえみ

日々の心の機微を多彩なポップサウンドで表現し、唯一無二のポップアイコンとして活躍する神泉系バンドフレンズ。そんなフレンズのボーカルを務めるえみそんこと、おかもとえみの連載「感銘脳内」がこの度スタート。フレンズの楽曲の作詞のみならず多くのアーティストへの楽曲提供など作家としても活動する彼女が、その時の脳内環境を自身で制作したイラストと写真を織り交ぜながら言葉で表現していく。記念すべき第一回は現在のえみそんに繋がる幼少期の記憶について。普段は見ることができない彼女の“脳内”を楽しんでみてほしい。

『言葉を生み出す脳内』

 
小さい頃から作文も小論文も苦手だった。本はよく読む。誰かの文章を読むのは好きだ。でも、自分で文章を作る事と文字を書くのが得意じゃない。得意じゃないだけで、書きたい気持ちはある。他人の文章を読むたびにあぁ面白いなぁって本を閉じ、羨ましい気持ちと悔しい気持ちで胸がいっぱいになる。
中学の時の国語の先生に「えみちゃんの文字は踊ってるわねぇ」と、言われてから私の書く文字は今も踊っている。踊らせているのではなく勝手に踊っているのだ。というか静止した文字を書いたことがない。書き方がわからない。そんな踊っているであろう文字で書かれた小学校の卒業文集を見返すと、各段落の締めの文章がとてつもなく暗いのだ。


ー私の中で、一番楽しかった時期は、三、四年のころです。お楽しみ会の時に、グループを作って、モーニング娘。などの曲をそっくりまねして歌ったり、踊ったりしました。~~池田さんと、阿部さんと、高橋さんでグループを作りました。この曲はw-indsの曲でした。この曲を最後に、踊らなくなりました。ー

最後の一文に哀愁が漂っている。描けるシーンはたくさんあった中で踊らなくなった、というどうでもいい事実が、頼んでもいないのに出てきたスイーツのように邪魔だ。

ー六年、二回目の移動教室では、一日目熱を出してしまってみんなと一緒に居られませんでした。でも私の班の人、ほとんどが熱を出してしまいました。その他の班の人も熱が出てしまったので、ナイトウォークはなくなりました。結局、みんなでは一度も寝られませんでした。ー

六年間の思い出の中でなぜ卒業文集にほろ苦い思い出を抜粋したのか、小学六年生の私の心が全く読めない。この内容で、成小にきて本当に良かったと思います。とし締めくくっているのも意味が分からない。ブルースにも程がある。

そんな私が作詞をし始めて十数年が経った。初めて作詞をしたのは音楽の授業で子守唄を作った時。うろ覚えだけど、アコギで初めて作詞作曲して披露した。作詞から初めてみたものの、当時は素をさらけ出すのも、何かになりきって演じるのもすごく恥ずかしくて全く筆が進まず、子守唄っぽい単語を並べてみては消して、の繰り返し。いつまで経っても真っ白なままのノートを眺めていても何も変わらないので作曲からやってみることにした。ラララ~う~う~、適当に口ずさんでなんか良いかも!と思ったメロディーを形にしていく。メロディーという制限が生まれまっさらな状態から一歩進んだ事により、裸の状態から好きな服を着た感覚になった。気恥ずかしい気持ちが薄れ、不思議とするすると言葉が出てきた。作った歌を授業の中で発表して先生や友達から褒められたのが嬉しくて、そこから自分のバンドでもオリジナルを作るようになった。今まで文章で褒められた事がなかったから少しだけ自信がついたからかも。音楽になら自分の言葉が素直に伝えられるし届けられるのだなぁと感じられた。この授業がなかったら作詞をしないままの人生だったかもしれない。遠藤先生ありがとう。

言葉を生み出すことは自分の心を削っていくこと。感情の層が積み重なってきたらまた削って。また積み重ねて。なぜ歌にのせると言葉が出てくるのかは今だに謎だ。あの授業から何年も経って、今では作詞して世に出た数は100曲を超える。あんなに苦手だった手書きの文字も作詞となれば愛しく思えてきた。人生何が起こるかわからない。

あの日の子守唄のように、作詞ノートのように、このコラムが文章をたくさん作り出せるきっかけになるよう拙い文章ながらも楽しく、その時の脳内環境をゆるく書いていこうと思う。イラストや写真、時にはコラージュもね。みなさま、やさしい気持ちでよろしくお願いします。

INFORMATION

フレンズ

EP『愛をやめない』
6月14日(水)発売
1. 愛をやめない ※新曲
2. きっと私は大丈夫
3. OKASHi NA DEAi
4. ヤッチマイナ!

フレンズ -愛をやめないTOUR 2023-
7月6日(木)大阪 心斎橋 Music Club JANUS
7月9日(日)愛知 名古屋池下 CLUB UPSET
7月14日(金)東京 渋谷 WWW X

【プロフィール】
東京都渋谷区神泉発「神泉系バンド」
2015年6月8日結成。
えみそん(Vocal)・三浦太郎(Guitar, Vocal & Chorus)・長島涼平(Bass & Chorus)・関口塁(Drums & Chorus)からなる男女混合神泉系バンド。
友情や恋愛、日々の心の機微を、キャリアもルーツも違う4人の絶妙に絡み合うオリジナリティとグルーブとともに多彩なPOPサウンドで表現。
観客と一緒に作り上げるハッピーでエモーショナルなライブが、ココロ踊らせココロに寄り添い、老若男女問わず高い人気を誇る。
唯一無比なポップアイコンとして、きららかにしなやかに圧倒的なエネルギーを放つ。

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