大阪を拠点とし、国内外問わず活動する音楽家・日野浩志郎を中心に結成されたグループgoatが結成10周年。それを記念する形で初の国内ツアーを行う。

日野は電子音楽ソロプロジェクトYPYをはじめ、昨年発売されたアルバム『Metal Zone』が海外を中心に大きな反響があったチェロ奏者・中川裕貴とのデュオKAKUHAN、舞台音響作品「GEIST」の演出・作曲、太鼓芸能集団・鼓童との音楽映画「戦慄せしめよ/Shiver」（豊田利晃監督、2021年）など、さまざまなフィールドで活動を続ける音楽家。カセットテープレーベル〈bridFriend〉や実験音楽／電子音楽に特化したレーベル〈Nakid〉の主宰としても知られている。

その日野のメインプロジェクトと言えるのがgoatだ。近年はとくに海外ツアーを軸とした活動を行なっており、昨年末に大阪で行われたワンマンライブは約5年ぶりとなる国内公演となっていた。先日はDJ NOBU主宰のパーティー「FUTURE TERROR」（@ 代官山UNIT）において、深夜の熱狂のダンスフロアを直撃したばかりだ。

メンバーは流動的ではあるが、現在はオリジナルメンバーの日野、田上敦巳、安藤暁彦に加えて、MANISDRONやThe Noupのドラマーである岡田高史、元鼓童の篠笛・パーカッション奏者の立石雷という5人編成で活動中。「極力楽器の持つ音階を無視し、発音させる際に生じるノイズ、ミュート音などから楽曲を制作。執拗な反復から生まれるトランスと疲労、12音階を外したハーモニクス音からなるメロディのようなものは都会（クラブ）的であると同時に民族的」とプロフィールにあるように、その音楽は新鮮な驚きと根源的なダンスと実験性に満ちている。

約8年ぶりとなる新作アルバムの発表も控えているとのことで、今回のツアーでは新作に収録される新たな楽曲と、5人編成の新アレンジとなる既存曲が披露される。