Interview:甲田まひる
『22 Deluxe Edition』で見せる新たな一面

Photography_Hiroki Asano Text_Misaki Ito Edit_Maho Takahashi

Interview:甲田まひる
『22 Deluxe Edition』で見せる新たな一面

Photography_Hiroki Asano Text_Misaki Ito Edit_Maho Takahashi

甲田まひるが、自身の22歳の誕生日となる7月12日に1stアルバム『22』をリリースした。本作品はデビュー曲「California」やテレビ東京系ドラマ24『今夜すきやきだよ』のオープニング・テーマ曲「CHERRY PIE」に加え、書き下ろし曲を追加した全13曲を収録している。さらにGottz、SANTAWORLDVIEW、YINYOの3名のラッパーが新たにフィーチャリング・アーティストとして参加した3曲を追加したデラックス版『22 Deluxe Edition』を、CDとデジタルにて9月13日に発売。今回は、甲田まひる本人にアルバム制作の裏側やフィーチャリング・アーティストとの関係性などについて語ってもらった。

『22』は22歳だから出せたアルバム

ー初のアルバムリリースおめでとうございます!リリースを記念して、初の有観客イベントとなるショーケースも実施されました。パフォーマンスしてみていかがでしたか?

本番よりも、タイムテーブルを組んだりどんな人が来るかなと考えたりしている準備段階が一番緊張しました。もちろん本番前も緊張はしたんですけど、舞台に立ったら全然大丈夫で。お客さんがすごく楽しそうにしてくれていたので、私も楽しかったです。人前に立つときは相手の目を見た方が緊張しないと聞いて、できるだけお客さんの目を見て歌うことを意識していました。

ー今回のアルバムは、これまでの集大成とも言える作品になっていると思います。シングル曲以外は、収録曲は新たに書き下ろしたものが多いですか?

過去に作っておいて、ストックしていた曲も多いですね。たとえば、「Ignition」のイントロの部分は2年前くらいに作っていて、『これで曲が始まったら面白そうだな』と思っていたんです。アルバムの制作が始まったときに『そういえばイントロ作ったのがあったな』と思い出して、引っ張り出してきて。そこからビートを繋げて、曲が完成しました。なので「Ignition」は過去に作った部分と新しく作った部分が混ざっていますね。「Toyhouse」と「in the air」はアレンジで変えた部分はありますが、歌詞や元となるメロディはすごく前に作っていました。「ターゲット」や「22」、「Ame Ame Za Za」などは新しく書き下ろしています。

ーアルバム制作において、テーマは決めていたのでしょうか?

『22』というタイトルを先に決めていました。私は22の数字の並びが特に好きなので、22歳になるのがすごく楽しみだったんです。23歳だとしたら『23』では出してないと思います。最初のアルバムだからとか関係なく、自分が今出せるベストを尽くそうという気持ちだけで作りました。1曲1曲がカッコよくなるように、でも作品を通じてバラバラにならないように。自分らしさが出ることを大事にしています。

ーアルバムだとシングルより曲数が多い分、曲順や曲間の秒数なども大事になりますよね。

そこがアルバムの面白いところでもありますよね。昔ジャズのアルバムを出したときに1回その作業を経験しているので、当時のことを思い出しながら作業していました。でも、今回はマスタリングにとても時間がかかって。マスタリングエンジニアさんと『キックの帯域が上がってるから下げてください』のようなパッと聴いても分からないくらい細かい部分まで何度も話し合いながら仕上げました。でもその作業はすごく楽しかったです。

ーアルバムをリリースした後の反響はいかがでしたか?

ファンの子からたくさん感想をいただいたのですが、人によって好きな曲が全然違いましたね。挙げるとしたら「Ame Ame Za Za」が結構人気で、女の子も現行のヒップホップが好きなんだなと思いました。シングルのときはその曲に対しての感想しか聞けないので、アルバムは「これが好きだった」とさまざまな声が聞けるのが楽しいですね。

才能のあるラッパーたちとの楽曲が誕生

ーデラックス版のリリースはいつ頃決まったんですか?

アルバムを出すことが決まったときから、デラックス版の制作も話には出ていました。フィーチャリングの楽曲も出したいと思っていたので、せっかくなら通常版とデラックス版で分けようとなったんです。

ーこれまでのシングル曲はデジタルリリースだったので、CDという形になるのは初めてですね。

私もヒップホップのレコードを集めているので、フィジカルの良さをすごく感じていて。フィジカルの良さを改めて言葉にするのは難しいんですが、自分の作品が形になるのはすごく嬉しいです。ファンの方が家に置いてくれたり保管してくれたりするまでが作品だと思うので、みんながどのようにしてくれるのかを見るのが楽しみですね。

ーストリーミングサービスで手軽に音楽を聴ける時代だからこそ、フィジカルで手元に残せる嬉しさがありますよね。

ジャズを勉強しているときは、図書館でCDを借りてMDに焼いてから返却するという作業をずっとやっていたのを思い出しますね。家にCD棚もあるので、そこに自分の作品が入ると思うと感慨深いです。

ーでは、デラックス版に収録される3曲についても伺っていきたいと思います。今回フィーチャリング・アーティストとして参加されたGottzさん、SANTAWORLDVIEWさん、YINYOさんは元々面識があったのでしょうか?

はい、みなさん面識のある方々です。本当に才能のあるお三方だと思うので、彼らのおかげでアルバムがかっこよくなったと思います。特にYINYOくんとSANTAくんはミュージシャン仲間の中では年齢が近い方なので、同世代のアーティストと一緒に曲が作れたのはすごく楽しかったです。

ー「One More Time」にはGottzさんが参加されています。どのような経緯でコラボが実現したのでしょうか?

Gottzさんは年上の大先輩なのであまりプライベートでの交流はないんですけど、私がもともとGottz & MUDの大ファンで。特に3年前くらいにリリースされた「Cook Good」という曲にめちゃくちゃハマって、ずっと聴いてたんです。Gottzさんのラップは詩的で美しくて、唯一無二なんですよね。共通の知人を通じて知り合って話してみたらすごく優しくて。「One More Time」がBoom Bapっぽい曲に仕上がって、真っ先に思いついたのがGottzさんで、お願いすることにしました。

ー「One More Time」は、今までの楽曲の中でも1番ヒップホップ感が強い曲ですよね。

曲自体は2年前くらいからあったんです。周りからも『ラップが良いよね』と言われていて、これまでのシングル曲のカップリングの候補にも挙がっていたんですけど、結局出せていなくて。

ーずっと温めていたんですね。今回アルバムに入れたことでフィーチャリング曲も出せたので、良いタイミングでリリースできたのではないでしょうか。

本当にそう思いますね。ぜひ聴き比べて楽しんでほしいです。

ー「M」には、SANTAWORLDVIEWさんが参加されています。

SANTAくんは年が近いというのもあって、ふだんからすごく仲良くさせていただいていて。元々は彼が私のことをTwitterでフォローしてくれてたみたいで、何かのタイミングで会ったときに声をかけてくれて仲良くなったんです。SANTAくんは音楽に対する愛情がすごくて、私のピアノも「めっちゃいい!」って言ってくれてるんです。読書も好きなので本の話もしますね。彼のクリエイティブな部分がすごく好きで、私もいつも刺激を受けています。「M」が出来たときに、スタッフさんと『ヒップホップっぽくはないけど、ラップが乗ったらめっちゃ良さそうだね』という話になって。SANTAくんはいろんなビートに乗れるイメージがあるし、常に新しいことに挑戦したい思いが伝わってきていたので、フィーチャリングをお願いすることにしました。

ー「M」は元々女性目線の曲ですが、フィーチャリングでは男女の掛け合いになっていますよね。サイドストーリーのようで面白かったです。

そうなんです。SANTAくんに依頼したらすぐにOKしてくれました。レコーディングにも立ち会ったのですが、すごくスムーズでしたね。私はレコーディングもめちゃくちゃ時間かかるタイプなので、『すごいな』と思いながら見ていました。

ーショートチューン「Ame Ame Za Za」にはYINYOさんをゲストに迎えています。

YINYOは「Hard Hitter」という曲が出たときにすごくかっこいいなと思って。その後すぐに知り合って仲良くなりました。彼はおしゃれで男前なラッパーなんですけど、実はめちゃくちゃ繊細なんですよね。私はYINYOのそんな人間性も音楽もすごく好きで。アルバムを出したときも『めっちゃ良いね』と連絡をくれて。「Ame Ame Za Za」のフィーチャリングをお願いすることにしました。

ーYINYOさんはアルバムの感想を何と言っていたんですか?

『リリースおめでとう!今回も自分で全部ディレクションしてるんでしょ?こうやって形にできるのはリスペクト』みたいな(笑)。優しいですよね。いつも作品が出たときにはお互いに感想を言い合っています。私もすごくリスペクトしているので、YINYOと曲が作れたのはすごく嬉しかったです。

常にみんなを驚かせたい

ー今回に限らず、これまでさまざまな方と楽曲制作をされてきましたが、タッグを組む相手によって曲の作り方は変わりますか?

良い意味で変わることはありますね。相手のセンスを取り入れながら自分も納得するものを作ることって本当に難しいんです。だからこそ、人それぞれの進め方がありますね。音楽的な部分の学びもありますし、『この音色をどう言葉で伝えたらいいのか』と考えることも貴重な体験になっていると思います。

ー他の方の制作を見ることで得た気づきはありましたか?

みなさんジャッジが早いですね。私はとことん迷って決められないことが多くてデモも何パターンも作るんですけど、『どっちが良いと思いますか?』と聞くと即答してくださる方が多くて。制作は時間との勝負でもあるので、本当にすごいなと思います。私も判断基準を覚えようと思って、みなさんの作業を見させてもらったり、レコーディングで『今の良かったよ』と言われたときのテイクをメモしたりするようになりました。

ー『良い作品にしたい』と思うからこそ、迷ってしまうんでしょうね。

そうなんですよね、だからいつも作業が終わらなくて(笑)。自分の思い描いている理想が高いんです。でも、それを達成できたら作品の完成度は絶対に高くなるじゃないですか。だから『いけるところまではいきたい』という気持ちがあるんですよね。

ー甲田さんの作品は毎回リリースごとに楽しみと驚きがありますし、その思いが作品にもしっかりと反映されていると思います。

ありがとうございます。常にみんなを驚かせたいなと思っているので、リリース時に『びっくりしました』と言われると、しめしめと思っています(笑)。

ー今回新たに3曲追加されたデラックス盤がリリースされることで、ファンの方も新たな驚きがありそうですね。

そうですね。今回フィーチャリング・アーティストとして参加してくれた3人とは、いつかライブでも一緒に歌えたらいいなと思います。

ーデラックス版の発売前日にはリリースイベントもありますね。今後もライブ活動をされていくと思いますが、やってみたいことはありますか?

ショーケースのときは歌だけでなくピアノを弾いたりダンスもしたりしたのですが、もっともっといろんな見せ方があると思ったんですよね。他にも踊れる曲や振り付けたい曲がありますし、次はまた違ったコンセプトの衣装で出たいし。もっといろんなことに挑戦して、みんなを驚かせていきたいです。

INFORMATION

甲田まひる

1st Full Album『22 Deluxe Edition』
2023年9月13日(水)発売
予約受付中:
https://mahirucoda.lnk.to/22DeluxeEditon
通常盤(CD)WPCL-13503
¥3,300(税込)

収録曲
01. Ignition
02. ターゲット
03. 22
04. Toyhouse
05. CHERRY PIE
06. One More Time
07. Ame Ame Za Za
08. Snowdome
09. Take my hands〜君となら〜
10. in the air
11. California
12. Sugar=High
13. M
14. One More Time feat.Gottz
15. Ame Ame Za Za feat.YINYO
16. M feat.SANTAWORLDVIEW

リリースイベント
日時:2023年9月12日(火)
会場:HMV&BOOKS SHIBUYA 6Fイベントスペース

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