MUSIC 2024.01.17

Interview: ammo 飛躍の1年に向けて発表するEP「re:想-EP」と「re:奏-EP」

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部
Photograph_Yuta Fuchikami, Edit&Text_Ryo Tajima[DMRT]

2018年結成の東大阪発3ピースロックバンド、ammo(アモ)。言葉遊びが独特で目と耳に残る日本詞を、流れるようなメロディに乗せて表現する楽曲でシーンの注目を集めている。2022年には2ndフルアルバム『我々の諸々』を発表し全国で開催したワンマンライブを大成功に収めた。
ロックシーンの注目を集める中で、メジャー第1弾EP「re:想-EP」をトイズファクトリーから。同時にインディーズ時代の人気曲5曲を収録した「re:奏-EP」をデジタルリリースする。
2024年はammoが確実に大きく飛躍していく1年の幕開けにリリースされた2枚のEPについて。メンバーの心境と合わせて聞く。

この2枚のEPはバンドにとって本当に嬉しいリリース

ー1月17日発売のメジャー1st EP「re:想-EP」とインディーズ時代の楽曲も収録した「re:奏-EP」についてですが、どちらも読みはリソウ(理想)ですね。このタイトルについて教えてください。

岡本優星(岡本):「再び想う」と「再び奏でる」で同じ言葉ですけど、各々違う意味合いを持たせています。まず「re:想-EP」はCDオンリーですがトイズファクトリーからのリリースというところが大きいですね。インディーズ時代にデビューしたとき、誰かのことを想って信じるという気持ちを大切にしていたので、同様にメジャー第1弾のタイミングでトイズファクトリーに対して再び向けているような気持ちがあります。一方で、インディーズ時代の人気曲も収録した「re:奏-EP」は、これまでライブで育ててきた曲たちを、今の僕たちが再び奏でている作品なので、こういうタイトルになっています。

ー「re:奏-EP」についてはライブでも人気曲が収録されているうえに初のデジタルリリースということなので、これまからammoを知る人にとっては入門編にもなりそうですね。

岡本:そうですね。まずは「re:奏-EP」を聴いてもらってライブに来てくれたら楽しめるんじゃないかなと。

ーammoの活動の特徴として、これまでサブスクを解禁していないというのがありますが、これはバンドの意思だったんですか?

岡本:そうです。僕が音楽をやりたいと思うようになったのは、the pillowsがきっかけなんですけど、高校生になってライブハウスに通うようになってからはハルカミライやマイヘア(My Hair is Bad)を好きになって、今のスタンスもそこに憧れているんです。なので、こうしてammoとして活動するようになってもフィジカルを大事にした活動をしたいと考えてやってきましたね。もちろんサブスクもいいんですけど、個人的にはそう考えていました。

ーハルカミライやマイヘアの2バンドはTHE NINTH APOLLO所属ですがammoは同レーベル内のOrange Owl Records所属ですよね。それこそTHE NINTH APOLLO自体への思い入れも強かったんですか?

岡本:はい、ずっと好きで入りたいところだったんで願ったり叶ったりでした。その気持ちはTHE NINTH APOLLOだけではなくて、トイズファクトリーに対しても同じです。自分が好きなバンドがリリースしているカッコいいレーベルだという認識がありましたし、ammoは歌や歌詞を大事にするロックバンドなので1番合うんじゃないか、ここからリリースしたらカッコいいんじゃないかって憧れがあったんで、今回のEPがリリースできるのは自分たちにとって本当に嬉しいことなんですよ。

ーなかなか入りたくても入れないですからね。それが実現できるというのはすごいことだと思います。では、新曲5曲で構成された「re:想-EP」について教えてください。この5曲は予め統一したテーマやストーリーの繋がりなどを意識して制作された部分はありますか?

岡本:いや、まったくないです。曲数を決めて作っていたわけではなくて、とにかく曲を作ろうと思って出揃ったのが、この5曲なんですよ。

ー1曲目の「何°Cでも」(読み:ナンドデモ)から聴くと5曲目の「やまない愛はある」まで、歌詞に描かれている情景や心理描写が、とある登場人物の一連の思考や行動を連想させるような作りになっているように感じましたがいかがでしょう?

岡本:悩んで作っていたらそういう風にできていたって感じですね。やっぱりバランスを見ながらうまく形になるように曲順も考えますし。あとは受け取り手に委ねるということになるんですけど、一連のストーリー性を感じてもらえたのなら、それはそれでよかったなと思います。

ー曲については岡本さんの方でデモを作られて、それをメンバーに共有して制作を進めていくと思うんですけど、バンドで演奏することでデモから変化した曲はありますか?

川原創馬(以下、川原):3曲目の「ねー!」はけっこう変わったと思いますね。

北出大洋(以下、北出):そうだね。僕が最初に考えたビートが普通の8ビートだったんですけど、創馬が持ってきたのが裏打ちでめっちゃいいってなったんですよ。だから最初のイメージと随分と変わったと思いますね。

川原:岡本のデモを受けて、僕がドラムのリズムの骨格を考えることが多いんですけど、「ねー!」はこれだなって思って。一気にライブ映えする曲になったと思います。

ー一方でammo的に新しいアプローチになったと考えられる曲はどれでしょう?

岡本:どの曲もそうなんですけど、4曲目の「ブルースを抱きしめて」はライブでグルーヴを表現するのが難しそう、とか思います。それだけに早くライブで披露したいという気持ちもあります。強いて言うと、1曲目の「何°Cでも」は『きたな!』って感覚がありますね。

川原:うん。この曲もバンドでやって化けた曲だと思いますね。デモ段階ではどうなんだろう? って感じだったんですけど、できあがったときは今までで1番好きな曲なんじゃないかと思ったので、レコーディングも1番印象深いです。うわ、すごいのできた! って気持ちがよかったですね。

まず目指すべき場所は日本武道館に大阪城ホール

ー仰る通り、リード曲でもあり、どちらのEPにも収録されている「何°Cでも」は何度も聴きたくなる中毒性があると思います。さて、バンドの現状ですが、ammoが本格的な活動を行ってきたのはコロナ禍で、それを経て2023年は解禁の1年になったと思います。ライブをやっていて何か変化を感じる部分はありますか?

岡本:お客さんの反応が一気に変わりましたし、表情も見えるし一緒に歌って声が聞ける。もう嬉しいことしかないですよね。今、ようやくその景色を体感できています。

ーそれこそ2023年を経て、ロックシーンにおけるammoの存在感は非常に大きなものになりました。実際にキャパシティも大きくなっています。そこに対してどう感じていますか?

川原:それがやっている方としては、ライブをやってたら、いつのまにかステージが大きくなっていたって感じなんですよ。自覚がないんです。毎回、キャパが大きくなるたびに大丈夫なの? って。

岡本:ちゃんとお客さん入るの? って。

川原:知らぬ間に、こんなに大きいところでできるとはって……。って思っていますね。

ーバンドとして活動するキャパをどんどん大きくしていきたいという気持ちはありますか? 3月3日にはZepp Divercityで単独単発公演『reALITY』の開催も予定されていますが。

岡本:キャパを大きくすることだけを目標にしているわけではないですけど、まずは日本武道館、大阪城ホールも憧れますけど、ゆくゆくはアリーナやホールも夢としてありますね。そこに辿り着くためにまずは武道館を目指そうと考えています。

ーなるほど。近い将来、日本武道館公演も実現しちゃうでしょうね。では、「re:想-EP」と「re:奏-EP」がリリースされる2024年はどんな1年にしたいですか?

川原:とにかくライブを磨いていきたいですね。僕らが所属するレーベル(Orange Owl Records)の先輩と後輩のバンドがTETORAとアルステイクという2バンドで、そこに挟まれているので刺激的な日々なんですけど、しっかりと負けないようにやっていこうと思っています。

北出:こうしてトイズファクトリーと一緒にやっていくことになったわけなので、これまでのバンドの核は変えずにいろんなことに挑戦していく1年になれたらと思います。

岡本:もう一気に爆発したいですね。どーんと想像もできないところまで行くのを目標に、その足がかりを作る1年にしていきたいです。

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