Interview:BALLISTIK BOYZ
ニューアルバム『Back & Forth』にみる
彼らの過去、今、そして未来のコト

Photography—Hiroki Asano、Text—Chie Kobayashi、Edit_Kazuhiko Yokoyama

Interview:BALLISTIK BOYZ
ニューアルバム『Back & Forth』にみる
彼らの過去、今、そして未来のコト

Photography—Hiroki Asano、Text—Chie Kobayashi、Edit_Kazuhiko Yokoyama

2018年に結成されたLDH所属の7人組のダンスボーカルグループBALLISTIK BOYZ。武者修行としてタイで音楽活動をおこなうなどグローバルな活動で注目を集める彼らのニューアルバム『Back & Forth』が2月21日に発売した。そんな彼らにインタビューを敢行。タイの武者修行を経て本作をリリースした7人の思いをお届けする。

L→R 海沼流星、砂田将宏、奥田力也、深堀未来、日髙竜太、加納嘉将、松井利樹

──前作「PASS THE MIC」(2021年11月発売)から今作までの2年の間に、タイでの武者修行や「D.U.N.K.」への参加、帰国後のツアー「BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2023 “N.E.X.T.”」など、大きなトピックがいくつもありました。この2年間の中で、皆さんにとって特に音楽やパフォーマンスに対する意識に影響を与えた出来事は何でしたか?

砂田将宏(以下、砂田):LDHの後輩がたくさん増えたこと(※LIL LEAGUE、KID PHENOMENON、WOLF HOWL HARMONY、THE JET BOY BANGERZという4組が2023年にデビューを果たした)。そもそも後輩だけじゃなくて、世の中にいろんなボーイズグループが生まれてきている中で、自分たちが勝ち残っていくには何が必要なのかや、自分たちの強みは何だろうということを、この2年間でより考えるようになりました。後輩たちは実力もすごく高いと思います。僕らがデビューしたときよりも実力は高いんじゃないかなと思っていて、だから刺激になっています。それまでは僕たちがLDHで唯一、全員がマイクを持って歌って踊るグループだったのですが、NEO EXILEはみんな、全員がマイクを持ってパフォーマンスするので、だからこそ、LDHの全員が歌って踊るグループの先駆者として道を切り開いていくという使命は改めて強く感じるようになりました。

松井利樹(以下、松井):やっぱりタイに住んでいたことが大きく影響しているなと思います。タイでは毎日、起きてから寝るまでメンバーが隣にいたから、自然と目標を語り合っていて。気持ちの面でお互いを刺激し合っていたなと思います。それに、日本だったら仕事が終わったら友達と遊びに行ったりしていた時間も、タイでは何をすればいいかわからなくて、そこで始めたのが音楽を作ることでした。その結果、今回のアルバム「Back & Forth」にもタイで作った曲が2曲入っています。そう考えると、タイでの生活は自分にとってすごく大きな時間だったなと思います。

海沼流星(以下、海沼):個人的には、この2年間で、世の中の求める選択は何か?ということをすごく考えるようになったなと思います。自分が「こうしたい」と思っていても、世の中はそこを求めていないんだなとか、自分はこうしたいと思っているけど自分たちが今すべきことはこっちだなとか。そう思うようになったのは、海外に出たことが大きいのかなと思います。自分が当たり前だと思っていたことがタイではそうじゃない、みたいなことがたくさんあって、考え方が柔軟になってきたんだと思います。もちろん、自分がやりたいことと本当にすべきことが違うことも、時にはあります。でもあくまでもグループのための選択をする。そこに後悔は全くないです。むしろ、客観的に後から見て「いい選択をしてきているんだな」と思えています。

日髙竜太(以下、日髙):僕は、タイでの活動と、さっきマッさん(砂田)も言っていたようにいろんなボーイズグループがいるこの時代の中で「BALLISTIK BOYZの強みって何なんだろう」とたくさん考えたことが、大きかったなと思っています。自分たちはライブに自信を持っていて、全員アクロバットもできるし、最近では楽曲を自主制作もできるようになりました。そういう強みはもちろんあるんですけど、個人的には、単純に歌やダンスで突き抜けられていないことがすごく悔しくて。それが自分の中では火がついたきっかけです。じゃあ、そのために自分には何ができるんだろうと考えて、僕はボイトレに通って、自分の歌や音楽へのアプローチを磨くようになりました。その結果、今すごく自分としてはすごくいい状態に持っていけています。それが他のメンバーの刺激にもなっていたらうれしいですし。僕たちは世界を目指しているので、世界のほかのボーイズグループと比べたときに、ちゃんと戦っていけるようにしたいなって、すごく感じたのがこの2年間。それがすごくよかったなと思います。

加納嘉将(以下、加納):半年間タイに住んで、日本に帰ってきてからツアーをやらせていただいて。2つの国で活動をしたことで、やっぱり全然違うなと思いました。例えば日本だったら環境の整ったところでライブをさせてもらえるけど、タイでは万全の環境ではないこともありました。そういう中で、どうやったら僕たちに興味を持ってもらえるんだろうと考えたことはすごく大きかったですね。その中で、自分たちはもっともっと多くの人を巻き込んでいかないと、自分たちが目指すところにはいけないんだということにも気づきました。もちろんタイでの活動を含めたこの2年間は、大変なことも多かったですけど、それを経験したからこそ見えてきたものもあったので、今振り返ると、すごくプラスな経験だったなと思います。

深堀未来(以下、深堀):個人的にはタイでの半年間の中で、BOTCASHさんと出会ったことが大きかったです。BOTCASHさんはEDMバンド・BOOM BOOM CASHのメンバーで、僕らのタイでのコラボ曲「Drop Dead feat. TRINITY」と「All I Ever Wanted feat. GULF KANAWUT」を作ってくれた方です。僕たちは、結成当初から自分たちで楽曲のプロデュースができるグループになりたいと思っていて、僕はトラックを作ったりしていたんですけど、今回BOTCASHさんと出会ったことで「こういうのもありなんだな」という気づきもあったし、「こういう音楽やりたいな。それを自分たちで作って表現したいな」という想いも改めて芽生えて。楽曲制作においてすごく感化されました。

奥田力也(以下、奥田):僕もやっぱりタイでの活動ではすごくいろいろなことを感じました。ライブやイベントは楽しかったけど、悔しいこともあったし、なかなかうまくいかなくて前に進めなかったこともありました。でも、そういった経験があるからこそ、自分たちで作詞・作曲した楽曲が完成させられたし、リリースできたと思います。僕もニューヨークに留学していた頃から作詞はしていたのですが、なかなかリリースまでは持っていけなかったので、BALLISTIK BOYZになって、こうやって自分が作詞した曲がリリースできたことは本当にうれしいです。あとは、みんなも言っていましたけど、LDHでの後輩ができたことも大きな変化でした。少し前までは自分たちがLDH内で一番の後輩で、LDHを盛り上げるために自分たちが底上げをしていきたいと思っていたんですけど、今はさらに後輩たちもいて。プレッシャーを感じることもあるのですが、LDHで全員がマイクを持って歌やラップで世界と戦っていくのは僕たちが最初だという自覚をしっかり持っていきたいなと思っています。

──タイではみんなで目標を自然と語り合ったというお話もありましたが、この2年間でグループの目標や理想像には変化はありましたか?

松井:根本的なところはずっと変わらないですね。目標も結成当初からずっと変わらないです。ただ、夢までのプランややるべきことが明確になったのかなとは思います。あとはそれぞれの役割が見えた。

砂田:そうだね。音楽を作る人もいれば、知名度を上げるためにSNSをどう活用するかを中心になって考える人もいるし、ファンクラブのことをメインに担当する人もいる。そうやってやりたいことや得意分野を元に役割を振り分けて。みんなが“グループのために”という想いでやっています。

松井:1つの会社みたいになってきているかもしれないですね。実際、Googleの本社に行ったり、Instagramの会社の方と会わせていただく機会があり、どういう感じでやっていくといいのかを直接聞いたりしたんです。ほかにも、自分たちのアパレルブランドではデザインも自分たちで考えたりして。僕らはプレイヤーですけど、会社の人みたいな動きをしてきている気がします。

──歌って踊るだけでなくて、グループを盛り上げていくためにはどうしたらいいのかというところまで、皆さんが実際に関与しているんですね。

日髙:それくらいしないとマズいなと思ったんです。今まで、もちろんありがたいことなんですけど、いろいろなことを準備してもらっていたんですけど、そうじゃなくて、自分たちから動いてスタッフさんを巻き込んでいくくらいじゃないとって。今、みんなの話を聞いていて思ったんですけど、今の僕たちって、最初の頃のEXILEさんみたいな動きをしているのかもしれないなと思いました。HIROさんもプレイヤーでありながら、そうやっていろいろなことを考えて、スタッフさんと密にコミュニケーションを取りながらいろんなことを計画されてきたんだなと思うんです。そう思うと、今僕たちがやっていることは間違っていないんだなと思いました。こうやってチームを固めて、仲間を増やして、BALLISTIK BOYZを大きくしていきたいなと思いました。

──そうして2年ぶりのアルバム「Back & Forth」がリリースされます。約2年ぶりとなるフルアルバムということで「こんなアルバムにしたい」「こんなBALLISTIK BOYZを見せたい」といった構想はありましたか?

深堀:次なる大きなステージを追い求める中でのアルバムなので、新しいものにしたいなという気持ちがあったので、“さらにもう一つ先に行くためにはどうすればいいか”ということをすごく考えました。

──アルバムには既発曲のほか、メンバーが作詞を手がけた「In My Head」「N.E.X.T.」を含む新曲3曲が収録されています。まずは、ツアーでも披露された「N.E.X.T.」について聞かせてください。この曲は、作詞を深堀さん、奥田さん、松井さんが、トラックプロデュースを深堀さんが手がけていますが、制作に至った経緯はどのようなものだったのでしょうか?

深堀:まさにタイでの半年間で生まれた楽曲です。さっきみんなが言ったように、タイでは、たくさん壁にぶつかって悔しい思いもしましたし、もどかしい気持ちにもなりましたが、一方で、今こうして活動を続けられていることへの感謝も大きくなって。そういうファンの皆さんへ、僕らからの感謝の気持ちを込めた曲になりました。同時に、状況は違ったとしても、つらいことがあった人や何か壁にぶつかっている人に「壁があったからこと成長できるよ」というメッセージも伝えられたらと思いました。実際に歌詞を書いたのは僕たち3人ですが、どういった内容にするか、どういう想いを伝えたいかというのは7人で話し合ったので、7人の想いが詰まっています。

奥田:タイの半年間では、うまくいかないことや悔しいことがたくさんありましたし、何よりも日本にいるファンの皆さんに会いたいのになかなか会えなくて。そういう気持ちをただ心にしまっておくのではなくて、アーティストだからこそ、歌詞にして伝えたいという気持ちがありました。

松井:最初に7人で「こういう内容にしよう」という話をしたので、それに沿った歌詞というのは意識しました。ただ、タイにいるとき、なぜかはわからないんですけど、僕はめっちゃ悔しくて。タイにいることではなくて、自分たちの状況が。目標に向かっているはずなのに、走っても走ってもゴールが見えない感じがしました。その気持ちを、日本にいるファンの皆さんにどう伝えればいいんだろう?と考えたときに、とりあえずストレートな思いを書こうと決めました。もしかしたらネガティブな言葉になるかもしれないけど、それが今の僕たちのリアルな思いだから、と。

──実際の作詞には関わっていないメンバーは、初めてこの曲を聞いたときどう思いましたか?

砂田:シンプルにすげえなと思いました。昔からの付き合いなので、作曲や作詞をしていることは知っていましたけど、プロになっていろいろな人が作ってくれた曲も出してきた今、出来上がった曲を聞いたら「すごっ! こんなの作ったの!?」って思ったんです。誇らしかったです。

日髙:本当に「めっちゃいい!」と思いました。この曲を作ると決まったときから、僕たちも一緒に「こういう楽曲で、こういう言葉を使いたい」と話し合っていたのですが、出来上がった曲を聞いたら、何も言うことがなかった。本当に僕たちの想いをそのまま歌詞とメロディにしてくれて。正直、想像以上でした。変な言い方に聞こえちゃうかもしれないですけど、他の曲とも全然並べられるというか。3人へのリスペクトと感謝の気持ちでいっぱいでした。この曲があったから、”N.E.X.T.”ツアーもいい締まり方ができたのかなと思います。

──1曲目「In My Head」も深堀さん、奥田さん、松井さんが作詞を手がけられています。ご自身たちの気持ちをつづった「N.E.X.T.」とは違い、この曲は失恋をテーマにしたストーリー性のある楽曲ですね。

深堀:はい。デモを聞いた時点で、7人で「これは失恋ソングだよね」という話になって。さらに、ひねらずど直球にストレートに感情を伝える歌詞がいいねという話になって、この歌詞ができました。「N.E.X.T.」とは違って、ちょっと書いてはメンバーに共有して「ここはこういう言い回しのほうがいいんじゃない?」とか、そういう意見をみんなで言い合いながら進めていったので、また新しいBALLISTIK BOYZの姿が見られる作品になったんじゃないかなと思います。

──「N.E.X.T.」と違い、ストーリーや感情を考える必要があったと思うのですが、それは書きやすかったですか? それとも難しかった?

深堀:書きやすかったですね。「N.E.X.T.」では、いろんな思いがありすぎて言葉にするのが難しかったんですが、この曲は曲の雰囲気に当てはめていくという感じだったので、僕はそっちのほうがスムーズに書けました。

奥田:どういった内容をみんなで決めてから書いていったので、ストーリーは想像しやすかったんですが、僕が書いたのはラップだったので、ストーリーとそのアプローチをどう組み合わせていくかを考えるのはちょっと大変でした。そういう意味では「N.E.X.T.」とはまた違う難しさがありました。でもいざ出来上がってみると、すごく納得のいく、素晴らしい曲になったのでよかったです。ミュージックビデオで世界観がより具体的に描けたことで、改めてこういう内容の歌詞を書いてよかったなと思いました。

松井:僕は、2人がレコーディングしている場所で、2人の歌詞を見てその場で考えたんですよ。でも割とスムーズに書けたかなと思います。失恋というテーマに対しては、これまでに自分が見た映画やドラマを思い出して書きました。

──自分たちの経験したことを素直に書いた「N.E.X.T.」、物語を創造しながら書いた「In My Head」と、どちらも自作できるということは、今後のグループの強みにもなっていきそうですね。

深堀:はい。

──日髙さん、加納さん、海沼さん、砂田さんは、新曲に限らず、今回のアルバムでチャレンジングだったなと思うことはありますか?

日髙:タイでの制作曲「Drop Dead feat. TRINITY」と「All I Ever Wanted feat. GULF KANAWUT」です。僕たちの歌唱部分は全箇所が英語歌詞なので、そこは初めてチャレンジしたことでした。メンバーに英語の発音を教えてもらいながら歌ったことを覚えています。世界にチャレンジしたいと思っているので、全英語詞の曲が歌えるようになったのは、一つ自信にもなりました。

加納:僕は、さっきの話にも出てきた「In My Head」です。恋愛のバラードをリード曲として持ってくるのはグループとして初めてだったので、そこは一つの挑戦です。もちろんメンバーが作詞したということも挑戦ですし。まだ世には出ていないので、どう感じてもらえるのかが楽しみです。

海沼:僕は「God Mode」ですね。TVアニメ「ぶっちぎり?!」に出てくるシグマスクワッドというチームのチームソングなんですけど、僕たちはタイアップ曲というものが初めてで。制作前に「こういうものをイメージして作ってください」と頼まれるのが初めてだったし、「ぶっちぎり?!」はオリジナルアニメなのでどんなチームかというのも目に見えるものではなかったので、そういうものを想像しながら作っていくのがすごくワクワクしました。監督さんやアニメのスタッフさんたちに喜んでもらえるかというプレッシャーの中で作るというのも自分たちの成長に繋がったと思います。レコーディングでもアニメのキャラクターになりきるというか、アニメをイメージしながら歌ったので面白かったです。そもそもここまでゴリゴリのヒップホップソングはひさしぶりで、それも楽しかったですね。

砂田:僕は「All About U」のレコーディングで苦戦したことを覚えています。しっかり歌を聴かせる曲なので苦労しました。でも、ディレクションしてくださる方が自分でも知らない引き出しを見つけてくださったりするので、レコーディングが一番成長できるチャンスでもあって。そういう意味で、自分的には一番成長できた楽曲かなと思います。

──そんなアルバムに「Back & Forth」というタイトルをつけた想いを教えてください。

日髙:タイトルはめちゃくちゃ悩んで、決めるまでかなり時間がかかりました。でも今回のアルバムは、BALLISTIK BOYZがメジャーデビューしてからの5年間の姿を表現したアルバムになったなと思っていて。夢に向かう中で、いいときもあれば、いろんな壁にぶつかったりして悔しいこともある。そういう自分たちの、もがいている姿や想いが込められたアルバムになりましたし、今後も夢に向かう中でいろんなことが待っているでしょうけど、“Back & Forth”をしながら進んでいきたいなという想いを込めて、このタイトルに決めました。

──お話を伺って、この2年間はもがいた時期でもあったのかなと思いましたが、それゆえに今の皆さんは強い想いを持っているように感じました。最後に今、BALLISTIK BOYZが見据えていることや今後への意気込みを聞かせてください。

松井:今年はツアーがあるのですが、そのツアーのタイトルは「HIGHER EX」(正式名称はBALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2024 “HIGHER EX”)。この1年でどれだけ上に行けるかが、僕たちにとってすごく大事になってくると思っていて。「HIGHER」と言っている以上、次はもっと大きなステージでライブができるようにという意気込みでツアーを回りたいと思っています。そうすれば自ずとアリーナツアーだったり、さらに上が見えてくると思うので。その目標を達成しながら、同時に世界進出という目標にも近づけるよう全力で頑張っていきますので、皆さん応援よろしくお願いします!

INFORMATION

BALLISTIK BOYZ
ニューアルバム『Back & Forth』

発売日:2024年2月21日(水)
金額:
CD+DVD / CD+Blu-ray盤
¥9,900(税込)

CD ONLY
¥5,500(税込)

Back & Forth特設サイト

BALLISTIK BOYZ公式X
BALLISTIK BOYZ公式Instagram

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