FOCUS :Rei 目指した場所の、その先へ向かう新作「FLY」について from EYESCREAM NO.164

Photography—Ryuta Seki Text—Ryo Tajima

FOCUS :Rei 目指した場所の、その先へ向かう新作「FLY」について from EYESCREAM NO.164

Photography—Ryuta Seki Text—Ryo Tajima

2月21日に公開された2018年初となるリリース『FLY』。今作では CD + MUSIC FILM という形でのリリースとなる。昨年7月リリースの『CRY』に続く内容として描かれた楽曲群にはどのような思いが込められているのか。また映像という手法を用いた理由についてのインタビューを今回特別にWEBでも掲載!本誌には載せきれなかった特別ショットと彼女の魅力溢れた『FLY』の MUSIC FILM もお見逃しなく。

辿り着いた場所から見える地平線が
次の目標になっていく

ー今作『FLY』ですが、前作『CRY』との関連について教えてください。

「2部作で対になっている作品になるので、タイトルも韻を踏んでいます」

ー2部作に分けたのはなんでですか?

「もともと伝えたいコンセプトがあって、それを表現するには1作品では描ききれないと思ったんです。成功したり、輝いたり、理想へ辿り着くには、それ相応の努力や行いが必要になる。ーーという成功までのストーリーを描きたかったんです。華々しく空を飛んでいる状況だけではなく、それまでの経過、夢を叶える為に伴った努力が必要だ、というリアリティを描くために『CRY』では助走的な部分を描き、羽ばたいている姿である『FLY』を制作して、1人の人物が成長していく姿を表現しました」

ーでは『FLY』では成功を収めた主人公の姿が描かれているんですね。

「いえ、まだ途中ですね。1つのゴールに到着したとしても、また新しい目標が見えてくるものじゃないですか。『FLY』で、きっと何かを掴んだかもしれない主人公なんですけど、まだまだ自分的には上に行きたいという思いがあるんじゃないかな?というのを実体験をもとに描きました。」


ーReiさんの実体験というのは?

「私には憧れのヒーローがたくさんいて、その人のように輝くために計画的に物事を進めなくてはいけないな、と自省する機会があって、それがキッカケの1つになったと思います。活躍していたり輝いている人の背景には、それを叶えるための取り組みがあると思うんですよね。輝いている部分だけを見て、簡単にそうなれると思ってはいけないと思ったんです」

ーある種の戒めに近いメッセージ?

「そうですね。自分自身にも言っているし、リスナーにもそう語っている。でも、根本にあるのは”みんなの夢が叶いますように”なんですよね。私も含めて。夢を叶えるために、どうしたらいいかを一緒に考えようよ、という感じです。」

ー1曲目『New Days』での「24歳にもなっていつまであの娘夢見てんの?」というリリックがとても印象的で。これは何を暗喩しているんですか?

「これは夢を語ることを否定している人へのちょっとした皮肉でもあります。大きな夢を口にして語るということがカッコ悪いとされるような風潮があると思うと切なくなったりして。でも、夢を叶えるためにちゃんと頑張っているのであれば、「口にしていいじゃないか!」と思うんです。そうすることで、人間関係が広がったりチャンスが舞い込んでくることもあるかもしれないし」

ーちなみに今作は CD + MUSIC FILM という形でのリリースになりますが、これはどういう経緯で?

「前作『CRY』では CD + MUSIC BOOK という形での表現だったので、別の方向からアディショナルな作品を作るうえで映像がいいんじゃないか、と考えたんです。もともと映画音楽をやりたいという願望もあって、撮影したのはNY、ジャカルタ、東京、それぞれ自分の思い入れが強い都市で、ちょうど良いタイミングで各都市でライブするタイミングもあったので、カメラをたくさん回して。それに『FLY』にはトラベルとい意味もありますしね」

ー内容についてはReiさんもディレクションを?

「監督さんとアイディアを出し合って撮影しました。例えば『New Days』ではエレベーターのシーンを描いていますが、この楽曲が、主人公が理想の自分に変わりたいけど、なかなか実現できないという狭い心の箱の中で葛藤しているような曲なので、それを視覚化するために、狭いエレベーターという空間で撮影して、そこから羽ばたこうとしている姿を表現できたら、と思ったんです」

ー今は映像や音楽はネットで簡単に視聴できる時代ですが、あえて CD + MUSIC FILM という形で作品をリリースされるのがすごく印象的だと感じます。

「音楽にしても1曲毎に購入できる時代で、CD + MUSIC FILM をセットで1つのパッケージにするというのは、逆に限定した展開ですよね。でも”この組み合わせで聴いてください”という提案は唯一、私たち創り手がコントロールできる部分だと思うんです。ベストな体験の仕方を発信者が決め込むことで、感じ方もコントロールできる部分があるはずなので、そういう意味で CD + MUSIC FILM というフィジカルでリリースすることの意味を感じています」

ーこの形式でのリリースに必然性があるということですね。

「コンビネーションも作品性の1つだと思うんです。選曲や並びにもアーティストの意図が反映されていると思うし。そこも含めて聴いて、観てほしいという思いがありますね。MUSIV BOOK,MUSIC FILMと制作してきて、これからも音楽の楽しみ方の間口を私らしいやり方で広げて行きたいと企んでいます。そしたら、より多くの人に音楽を楽しんでもらえるかな?って」

INFORMATION

『FLY』

発売中
http://guitarei.com/?lang=ja

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