MUSIC 2017.08.24

EYESCREAM 09 Rei、新章スタートを告げる シングル『CRY』

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

Reiが、7月に発表したシングル『CRY』には、ミュージックブックがセットになっている。しかも、そのブックレットの編集、デザインを自身で担当している。これまでにリリースしてきた3枚のミニアルバムは「トリロジー」としての位置づけであったという。本作は、Reiの新たな側面を表現した最初のマテリアルではないだろうか。現代が生んだ稀有なシンガーソングライターは今、何を思うのか。作品に込めたメッセージについてインタビュー。

8月1日に発売したEYESCREAM9月号の内容を少しご紹介。

やみくもに突き進むだけでは心がボロボロになっていく
“目的を持って夢を叶えるために戦っているんだ”
そんな風に光を目指して進む人の背中を押す作品になったらいいな

みんなの思いを代弁している
気持ちで楽曲を作っている

ーリリースされたばかりの『CRY』。シングル作として考えると、意外にも初なんですね。作品に名付けたタイトルには、どんな思いが込められているんですか?

CRYっていう単語には泣くっていう意味がありますよね。泣くっていうと、涙が連想されて、どこか悲しいイメージがあると思うんですけど、感動したり、驚いたり、嬉しかったりするときも泣くことがあると思うんです。共通して言えるのは涙っていうのは感情が溢れたときに流れるもの。それに気づいたときに、感情豊かに生きていたいなっていう思いが芽生えて、こういうタイトルにしました。もちろん、好き勝手に自分の感情を曝け出しながらなんて生きていけないですし、自分の感情を露わにできないシュチュエーションもあると思うんですけど、それでも、自分の心が感じたことを素直に表現する行為を諦めてはいけないと思って

ーそれはReiさん自身に向けたメッセージでもありますか?

もちろん私に対してもそうですし、聴いていただく方にも、自分で自分のことを縛らずに開放して生きてほしいな、という気持ちも込めてます

ー今作を聴く人もそうなんですが、Reiさんにとってのリスナー像とは?

いつも考えてることがあるんですけど、私から音楽を発信するだけという感覚はなくて、聴いてくれる方からも発信があると思っているんです。だからコミュニケーションの方向としては、⇆という感じ。お互いを向き合っていて、“私たち”という解釈なんですよね。だから、音楽を届けるときも一方通行の→ではなくて、“私たちが奏でる音楽”という風に考えています。だから、私が歌っている歌は自分をフォローしてくれてるお客さんの気持ちと、私が生きていく中で感じている感情の両方を取り入れて、音楽に昇華して発信してるものだと考えているんです。みんなの思いを代弁しているような気持ちで楽曲を作っています

ー代弁という意味では、1曲目『Tumblin’』では、仕事で追い込まれている女性が描写されているように感じました。

くじけながらも、もがきながらも、必死に前向きに戦うことを諦めない私たちの歌です。歌詞には情景描写が描かれていますけど、これは自分の体験を元に書きました。一生懸命生きている人は、誰しも何かと戦っていると思う。もちろん堅苦しい戦いばっかりじゃなくて、楽しい戦いもあるとは思うんですけど、やっぱり、みんな乗り越えたい壁があって目標がある。そんな人たちのことを歌ってみたかったんです

Rei “Tumblin’” (Official Music Video)

ーただの応援歌ではなく、共に戦っていこうと背中を押すような曲になっている?

はい。現状に満足することって簡単ですし、高みを目指すことを諦めて、折り合いつけて生きていくやり方もあると思うんですけど、常にチャレンジャーであり、ファイターであるーーということが自分本来の姿でもあるので、みんなでそういう思いを共有できたらより豊かな世界になるんじゃないかなって

ー2曲目『MOSHI MOSHI』はどんな内容なんですか?

この曲の主人公は元々、すごく好奇心旺盛で純粋な部分があったのに、毎日に疲弊してしまって、そういうときめきを失いつつある心境からはじまります。その人が、かつて純粋だった過去の自分に電話をかけるっていう内容です。私が女性なんで、女の子が主人公のイメージになっていますけど、男性でも共感してもらえる歌詞になっているんじゃないかと

ー自分自身に向き合ってほしいというメッセージが込められている?

人と向き合うためにも自分と向き合うのは必要なことだと思います。自分自身の存在を大切にすることを一生懸命考えてきた人は、他人の気持ちも理解して優しく接することできるんじゃないかと思いますから

ー続く3曲目『Tōfu Blues』はインストのナンバー。曲名にすごく惹かれました。可愛いタイトルですよね。

なんかサウンドがゆるい曲だなぁと思って抽象的なイメージで名付けたタイトルなんですけど、『CRY』に収録している他の曲が形作られていく中で、白くてピュアで柔らかくて優しい味がして…そういう人っていいなぁって思ったんですよね。そういう形容詞的な意味合いで“豆腐のような人になりたい”って曲にしようかなと思って。それで、このタイトルに

ーなるほど。4曲目『Don’t Wanna Kill My Soul』にも、他の曲に通じるテーマがあるように感じました。

そうですね。今回のシングルは4曲とも通じる部分があるんじゃないかと思います。社会というコミュニティの中で生きていると協調性を求められる部分もあるじゃないですか。だんだん心が消耗してきて他の人の意見に合わせるということすらも、もはや苦痛じゃなくなってきて、徐々に生気を失っていくというーー。私自身、そんな瞬間を少なからず感じることがあったんです。それって音楽にとって良くないし、自分自身にとっても良くないな、と。探究心にフタをしたり、戦っていくことを諦めることは心を殺していることになるんじゃないかと感じて。せっかく人間であるんだから、そこにある感情を大切にしてあげたいという気持ちで書いた曲です

※インタビュー本編はEYESCREAM9月号にて。

【INFORMATION】

CD+MUSIC BOOK『CRY』

発売中!
(Reiny/AWDR/LR2)

【PROFILE】

Rei

1993年生まれ。圧倒的なギタープレイと歌唱力でリスナーを魅了するシンガーソングライター、ギタリスト。4歳でクラシックギターをはじめ、5歳でブルースに出会い、ロックやポップスといったジャンルの壁に一切囚われないオリジナリティ溢れる音楽を表現している。
http://guitarei.com/

Instagram:@guita_rei
Twitter:@guita_rei

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