バンド、Laura day romanceが8月19日にニューシングル「素敵すぎる / 素晴らしき1日」と映像作品をリリースする。映像作品の方は、2025年12月発表のアルバム『合歓る – bridges』を携えた初のホールツアーファイナルのライブ映像をBlu-ray化した『Laura day romance hall tour 2026 “Fixing a hall” at LINE CUBE SHIBUYA』。1,000枚限定の豪華盤はライブ本編の映像と音源の他、フォトブックとメンバーのアクリルスタンドが付属する豪華パッケージ仕様となっている。
EYESCREAMでは、3rdアルバム前編『合歓る- walls』リリース&シングル「heart」発表以来のストレートインタビューなので、昨今のバンドの状況なども踏まえながら話をした。
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このライブでしか表現していない楽曲の繋がりにも注目して
ーニューシングル「素敵すぎる / 素晴らしき1日」のリリースと合わせて、4月16日にLINE CUBE SHIBUYAで開催された初のホールツアーファイナルのライブ映像『Laura day romance hall tour 2026 “Fixing a hall” at LINE CUBE SHIBUYA』もリリースされますね。このツアーはアルバム『合歓る – bridges』の世界観を形にするものでもあったと思います。まずは、ツアーのファイナルを振り返ってみたいのですが、どんなことが記憶に残っていますか?
井上花月(以下、井上): 振り返れば、とても楽しかったなという思いがありますね。それまでのツアーは、成功させなければという使命感があったんですけど、このツアーは初めて本当の意味で自由に楽しむことができたツアーでもあり、特にファイナルの東京公演はバンド史上もっとも大きな会場でのワンマンで、お客さんの熱量がすごかったんです。それが映像作品として残るわけなので、私自身すごく楽しみです。
鈴木迅(以下、鈴木): しんどい部分もありましたけどね(笑)。『合歓る – bridges』がコンセプチュアルな内容だったので、その世界観とライブにおけるオーディエンスとのコミュニケーションのバランスについては悩むところもありました。ホール公演ゆえの難しさもありましたし。僕らはそもそもフロアとがっつりコミュニケーションを取るようなライブスタイルではないのですが、このツアーではよりその側面が強くなったというか、没入感みたいなものを重視していた部分はあると思います。そんな中で、自分としては、やるべきことや、やりたいことが多々あったので、プレッシャーも同時にある公演でもあったんですよ。
井上花月(Vo)
ーそんな思い入れのあるライブが映像作品になるわけですが、どういったところに注目して観てほしいと思いますか?
鈴木: このライブでしかやっていないアレンジがあったり、曲の繋ぎにこだわった部分があって、アルバムの流れとはまったく異なる、驚くような展開がいっぱいあるので、そこが見どころじゃないかと思います。
井上: 今回のホールツアーから歌い方をけっこう変えているので、それを映像に収められたのは嬉しいところですね。音源だけを聴いていた人が観たら「全然違う!」って思う可能性があります。
礒本雄太(以下、礒本): 後半、僕が思いっきりカメラ目線になってるところがあって(笑)。今回のツアーでは、「自分がこう動いたらメンバーやお客さんはどう反応するんだろう」ということを考えながらライブをやっていたんですけど、メンバーの方を向こうとしている時に何回かカメラと目が合っているところが採用されていたので、今回のツアーならではの空気感がいい意味で伝わるんじゃないかと思います。映像を観て、自分と目が合うのが不思議な感じがしました(笑)。
井上がアートディレクションを担当した映像作品のパッケージ
ソフィア・コッポラ作品のカラーリングを意識して
ーパッケージのアートディレクションは井上さんが監修されたそうですね。どのようなデザインコンセプトがあったんですか?
井上: 1000枚限定(豪華盤)のセットがあるんですが、重厚で趣があるが重すぎない印象に仕上げたかったので、いろいろ試行錯誤しました。結果、写真の上に文字やイラストを重ねていくようなデザインになりました。色味の参考として念頭に置いていたのは、ソフィア・コッポラ監督の作品ですね。例えば、『ロスト・イン・トランスレーション』や『ヴァージン・スーサイズ』にあるような淡い色味を参考にしながらカラーリングを考えていきました。あと、意外に大変だったのがアクスタです。私たちが作るアイテムじゃなさ過ぎる感じがして、最初は戸惑ったんですけど(笑)。写真にイラストを付け加えていくことで、結果的に自分たちらしいものに仕上がったと思います。手に取る人が喜んでくれるような可愛いものを作りたいと思ってディレクションしたので、フォトブックやアクスタも含めて楽しんでほしいです。
ーこの豪華盤はまさに手元に置いておきたくなる仕上がりですね。ではシングル「素敵すぎる / 素晴らしき1日」についてお伺いします。2曲まとめて1つのシングルにした背景は何ですか?
鈴木: 前提として、音楽を聴いた時って、明確に理由は説明できないけれどテンションが上がったり、気分が高揚していく感覚があるじゃないですか。改めて、そういうところをバンドで追求してみたいと思ったんです。言語化できない、説明不可能な煌めきみたいなものが、今回の2曲には共通してあったんです。それで、今、自分が世に提示したい2曲としてまとめたんです。
鈴木迅(Gt)
ーそのように考えが変わったのは、どういう理由があったんですか?
鈴木: これまでに物語性を重視してアルバムを制作したり、作品ごとの連なりを意識して長編を作ってきた経緯があるので、その反動のようなものがあったと思います。
個人の思い出と同時に鳴っている曲を目指したい
ー鈴木さんが仰る<音楽から得られる高揚感>というのは、いわゆる衝動に突き動かされるようなものなのだと思います。実際に「素敵すぎる / 素晴らしき1日」は、これまでのLaura day romanceにない疾走感のようなものを感じたのですが、その辺りはいかがでしょう?
鈴木: 疾走感というよりは、イメージ喚起力というか。今までは明確に描きたいものがあって、それを表現してる感じだったんですけど、今回の2曲に関してはどっちかというと<1人ひとりの思い出と同時に鳴っている曲>を目指したくて。だから今までの中でも、もっとも<みんなの歌>的な側面があるんじゃないかと思います。『この時期、こんな音楽を自分は聴いていた』という個人記憶と紐づくような曲は、僕の中にもあるんですが、そういう曲って今回の2曲のような手触り感を持っていたと思うんですよ。かつて、友達と「こういう曲、いいよね」って話していたムードがシングルに反映されているんじゃないかと。
ーそういった思い出がフラッシュバックする楽曲というのは、人それぞれが思っているものだと思いますが、今回の鈴木さんの場合、それはどのバンドの音楽でしたか?
鈴木: 自分にとって説明不可能な魅力を放ち続けているバンドはThe Drumsで、高校生の時に部屋で聴いていた、あの頃の匂いとか空気感が楽曲に乗ってる感じがするんですよね。きっとThe Drumsを好きな人はそこが好きなんじゃないかって思ったんです。各々が持っている個人的な記憶を、多くの人が共通認識を持って同じものに乗せることは、けっこうあり得ることだと思っていて、そういうのを自分たちなりに、自分たちの記憶を頼りに再現できないかなっていうのはありました。
礒本雄太(Dr)
ーそんな楽曲に対して、どのように向き合いましたか?
礒本: 気楽に挑めたと思います。深く考えすぎずに出てきたものをそのまま録っていくという作業でしたね。軽やかさもあるし、これからのライブで、どういう解釈でやるのが面白いのかを考えながら向き合っている最中です。
井上: 私の場合、歌入れに対する思い入れは常に変わらないんですけど、今回のシングルで大事なのは迅くんが言っていた<ムード>だなと思っていて。この曲には分かりやすく青春っぽさや青臭さがふんだんにあるけれど、それだけではない大人の目線みたいなものも含まれているなと思って。普通に社会で働いている同世代の人から見たら、私たちってずっと青春しているように見えてるかもしれないし、もちろん全部が全部そういうわけではないけれど、本当にずっと青春っぽいことしてるなと思えるところは正直あるんですよね。そこで、いわゆる10代の青春、爽やかで元気な雰囲気というよりも、そんなふうにバンドを続けている少し大人になった今の自分達を客観的に捉えた時の空気感をそのまま歌に昇華すればいいんじゃないかって思ったんですよね。なので、レコーディングの時は、<友達と楽しくカラオケに行って歌った曲>みたいなテンション感で歌いました。自分たちが好きなことをして生きているということを、この曲が持つムードとしてパッケージできたらいいなと思って。
鈴木: まさにそうで。Laura day romanceで今までにやっていないテンポ感とリズムなんですけど、メンバーとスタジオに入って合わせてみたら思っていた以上に良い感じになった、という仕上がりを意識しましたね。そんな青春感を持っているバンドをイメージしました。
井上: 経験と年齢を重ねて、今こういう曲に回帰していくのって面白いよね。
鈴木: 初期の作品に近づいている感覚もありつつ、今だからこそ描けるビターさもあるし、その両方をうまく落とし込めたらいいなと思って作った曲です。
「素敵すぎる / 素晴らしき1日」のジャケットアートワーク
“夏休み感”が最近のテーマなんです
ー「素敵すぎる」の歌詞で表現されているのは<別れ>ですか?
鈴木: 恋人との別れというより、過去の自分との決別に近いというか。思い出に対して、そのまま触れずに距離を置いていく、という意味合いでの別れに近い内容ですね。壊さないために触れないでおくみたいな感覚が1番近いのかな。思い出に対してもそうだし関係に対してもそうなんですけど、そういうビターさがある曲だと思います。
井上: もう別れた後って感じだね。
鈴木: そう、何かと決別して、そのままにしておく切なさや綺麗さがある感じ。物語が歌詞の中で描かれているのではなく、人と触れる要素が散りばめられていて、それを手がかりに自分の記憶とリンクさせていくような内容ですね。
ー対となる「素晴らしき1日」がインスト曲になったのはなぜでしょう?
鈴木: 「素敵すぎる」にいた登場人物がいなくなった後の風景を順繰り撮っているようなイメージなんです。人だけがいなくなっていて、その場所はあるというようなイメージで。だから一緒にシングルとしてパッケージしたかったんです。だから、今作は両方ともすごく映像的とも言えるかもしれないですね。
ー仰る通り、どこか夏の情景が思い浮かぶようなノスタルジーが感じられますね。
鈴木: まさに、夏休み感が最近のテーマなんですよ。『なんで夏休みってこんな無条件でテンション上がると同時に切ないんだろう』ってずっと考えていて、そのムードを出すことができればと最近常に思っているので、その一発目が「素敵すぎる / 素晴らしき1日」という感じですね。
ーたしかに、大人になっても夏休みの期間って何かテンション上がりますよね。
鈴木: きっと日本人は夏や暑さに特別な感情を持っているんですよ。湿っぽい感じも含めて、僕が好きな作品にはそういうのが落とし込まれているものが多いんです。作曲に関しては、そういう質感の方を今は重視していますね。だから、今後はよりバンドっぽいアプローチになっていくんじゃないかと。
井上: もともとバンドというものが大好きでやってきた私にとっては、このシングルが1番好きですね!
一同: おお〜。
礒本: でも、最近はリハスタが本当に楽しいです。まるで、バンドを始めたての高校生みたいに、ただみんなで一緒にバンドをやって演奏しているのが楽しいっていう。それを改めて大人になって噛み締めているので、あの頃とは少し違った楽しさがあるんですよ。
ー今年もいよいよ後半戦ですが、これからどのように活動していきたいと思いますか?
礒本: ホールツアーでバンドとして1つの壮大な世界観は提示できたと思うので、年末までは夏休み感というか。本当に自由にやってみてどうなるんだろうっていうことを追求したいです。エネルギーを溜めて、ここからのライブ一つひとつを勢いと安心感のある空気感で出していけたらいいなと考えています。
鈴木: もっと音楽だけになっていきたいというか。本当に聴くだけでテンションが上がるような曲がこの世にはあって、それをバンドで追求したことって意外となかったかもしれない。今までは映画や本だったり、好きなものを音楽を通して表現してきたんですけど、もっと、『この8ビートで、このリフでテンション上がるよね』っていう原始的な音楽の魅力を、今だったらもっと格好よく追求できるんじゃないかなと思っていて。それを今後の作品やライブにも反映させていきたいです。
井上: すごくいいと思う。その方向性は今の私にもピッタリ。直感でテンションが上がるかどうかという音楽性を追求していったら、私が高校生の時に大好きだった邦楽バンドが表現するワクワク感や輝きを自分たちなりに表現できるんじゃないかと思うし、そう考えると、これからがどんどん楽しみになってきます。<夏休み>をテーマに私たちが楽しくしていたら、それは絶対にリスナーにも伝わると思うので、ここから少しずつ楽しんでいる感じを出していきたいと思います!
INFORMATION
Laura day romance
https://lauradayromance.com/
8月19日リリース
Digital Single“素敵すぎる / 素晴らしき1日”
LIVE Blu-ray『Laura day romance hall tour 2026 “Fixing a hall” at LINE CUBE SHIBUYA』
Laura day romance Bilboard Live 魔法、4度も
08.23 SUN at Bilboard Live OSAKA
1st OPEN 14:00 – START 15:00 / 2nd OPEN 17:00 – START 18:00
08.30 SUN at Bilboard Live TOKYO
1st OPEN 14:00 – START 15:00 / 2nd OPEN 17:00 – START 18:00