Breakthrough Music for 2019
#14 ロザリーナ

Phorography-Takao Iwasawa Text&Edit-Mizuki Kanno

Breakthrough Music for 2019
#14 ロザリーナ

Phorography-Takao Iwasawa Text&Edit-Mizuki Kanno

気づけばテン年代、最後の年。音楽シーンを振り返ってみてもいくつもの潮流/トピックスがあって、そろそろ総括もしたくなってくる頃だけどそれよりも“これから”に目を向けたい。「未来は過去のなかにある」とも言うけれど、いやだからこそ未来を見据えることが結果、過去(やそこに横たわる文脈)を知れることにもつながるんじゃなかろうか。ということで、本特集「Breakthrough Music for 2019」では、来たる2020年代に向けて、EYESCREAMが追いかけていきたいホットな新世代たちにフォーカス。その音楽や存在そのものでもって、今という時代をブレイクスルーしていくミュージシャンの動向から、2019年とその先を眺めていくことにしよう。

#14 ロザリーナ

リラックス効果をもたらすハーブの名称であるrosalina。それが“魔法の声”と称される彼女の由縁だ。昨年、小袋成彬率いるTokyo Recordingsプロデュースによる「タラレバ流星群」で大々的にメジャーデビューを果たした彼女がこの度、4thシングル「百億光年」をリリース、その声に惚れ込んだ亀田誠治がプロデュースを担当している。本作のテーマはずばり“救い”。次世代のカリスマ不在のシーンにおいて、控えめながらも右手を挙げる金髪のシンデレラは今、何に“救い”を見出すのか。ここで初めてロザリーナに出会うEYESCREAM読者は、ひとまずその魅力に耳を澄ませてみるべし。

自分の作品を誰かが受け取ってくれることが、私にとっての“救い”

ーシンガーソングライターとして活躍されているロザリーナさんですが、制作活動をはじめたのはいつからですか?

「歌手になることを決めたのが、高校を卒業してからの進路を決める時。なので、その頃から本格的な制作活動もはじめました。楽曲の99%が私の実体験から作られています。日常の中で何かの感情が動いた時、その気持ちを記録するみたいに一気に書きます」

ー喜怒哀楽の中で特に強く作品に反映されるのは、どの感情ですか?

「周りの方には『ロザリーナの歌は怒りと悲しみと憎しみでできてる』って言われます。明るい曲なんてどうやって作っているのか教えて欲しい(笑)。でも寝る前にぼぉっと鼻歌を歌っていたら、いいメロディに出会うこともあって。コード探そう!みたいな」

ー基本的に作曲はギター?

「基本的には。でも最近はDTMにも挑戦しています!」

ー得意なことはイラストと伺っています! ライブグッズ、すごいですよね。

「実は昨年リリースした「にじいろ」のジャケットも私が描いたもので。こっちは構想が思い浮かんだら描くって感じです。キャンバスから買って、4日間くらい寝て起きて絵を描いての繰り返し。こだわりはじめたらキリがないんです。でもこれを毎回やっているわけではなくて、たまにですね。意外といいのできたな、くらいでとどめておくのが丁度いいかなと(笑)」

ー2020年の3月に大阪、4月に東京で開催されるワンマンのグッズに、ロザリーナさんの直筆イラストアイテムが増えていることを期待しています。

「頑張ります! 皆さんが喜んでくださるのであればグッズ、増やします(笑)」

ーそのワンマンでも聴くのが楽しみな新曲「百億光年」について、ここからは伺っていきたいと思います。1番が過去に書かれた歌詞、2番が現在とのことですが、詳しく教えてください。

「1番は作曲をはじめてまだ間もない頃に作った曲なんです。当時、友達が何かに向かってすごく頑張っている中、私は結構フワフワした生活を送っていて。駅のホームで終電を待っていた時に、自分は何をやっているんだろう……って、喪失感に襲われたんです。そういった感情を過去の自分が歌に残していました。そして今回、主題歌として起用してくださったTVアニメ「歌舞伎町シャーロック」の制作の方が、この曲を“いい”と言ってくれたことがきっかけで、その続きとなる2番を書きました。テーマが“救い”なんです。何を“救い”と感じるかは人それぞれ違いますが、アニメの制作者の方がこの曲を“救い”と感じて選んでくれたのなら、自分を信じて貫くことが正解なのかなと思って。とは言え1番を作った当時の自分は喪失感に襲われつつも、未来がキラキラしていました。今は、その頃の気持ちからプラスにもマイナスにも変わったので、“私の現在はこうなったよ”というのをアンサーとして描きました。長い時間をかけて完成した曲ですね。ようやく届けられます」

ーでは、ロザリーナさんにとっての“救い”は何ですか。

「難しい…..でも、自分が作った作品を誰かが聞いてくれることは私にとっての“救い”です。今までたくさんの曲を作り、その分レコーディングもしてきたけど、まだリリースできていない作品もたくさんあって。道を見失いそうになることがあります。なので、曲をリリースできた時や、それに対して誰かからコメントをもらえた時、救われた気持ちになります。確かに届いたんだって」

ー逆にロザリーナさんの曲が救いになっている人もいっぱいいると思います。本作のプロデューサーの亀田誠治さんとの制作はいかがでしたか?

「まず大好きな方なので、嬉しくて嬉しくて。椎名林檎さんや東京事変、Bank Bandの曲は、結構ギターでカバーしていました。コードが絶妙に難しいんですよね。『言うのはタダだから』ってダメ元でスタッフさんが声をかけてくれたんですが、まさかのOKが返ってきて。初めての打ち合わせの時に『僕ね、本当に何も知らない状態で曲だけ聴いて、この声の人と仕事したいって思っちゃったんだよね』って言ってくださったんです。レコーディングも緊張したけど、それ以上に優しくて。一つ夢が叶いました。」

ーその他にもアーティスト“ロザリーナ”としての夢や憧れはありますか?

「ライブ会場で、みんなが自分の曲を歌ってくれているのを、イヤモニを外して聴くことです。イヤモニをするほどの会場で歌うことがまずすごいことで、私の歌を聴きに集まってくれる人がいて、歌ってくれるなんて、そんな幸せな景色はないです。ちなみに今回のカップリング曲「See u again」はライブの時にぜひみんなで歌いたい曲。これは友達の歌なんです」

ー歌詞の描写が鮮明というか、誰しもが共感できる友達とのノリをすごく感じました。

「私の何年か前の誕生日の出来事を曲にしました。友達がサプライズでパーティーしてくれて、ノリで『星観に行く〜?』って。行った先で蚊に食われて結局めっちゃ不機嫌になって(笑)。この曲、実はレコーディングスタジオに友達を呼んで録っているんです。色々重なり疲れている中でのレコーディングだったのですが、一気に元気になりました」

ー怒りも憎しみもない、とても優しい気持ちになれる曲ですよね。

「嬉しいです! ライブに足を運んでくださる方も友達と言うか、ロザリーナファミリーなので、早くみんなと一緒に歌いたいです。来年のワンマンのこと、そろそろ本格的に考えはじめなきゃ」

INFORMATION

ロザリーナ

「百億光年」
On Sale
https://smr.lnk.to/kGKye

「ロザリーナ ONEMAN LIVE 2020」
・大阪
2020.3.28 OPEN 17:30 / START 18:00
@心斎橋JANUS
チケット:前売 ¥3,000- / 当日¥3,500 (税込/スタンディング・入場整理No付/ドリンク代別)
※4歳以上チケット必要、3歳以下1名まで入場可
チケットぴあ / イープラス / ローソンチケット

・東京
2020.4.10 OPEN 18:30 / START 19:00
@渋谷WWW
チケット:前売 ¥3,000- / 当日¥3,500 (税込/スタンディング・入場整理No付/ドリンク代別)
※4歳以上チケット必要、3歳以下1名まで入場可
チケットぴあ / イープラス / ローソンチケット
問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION TEL:03-5720-9999

HP:http://lozareena.com/
Instagram:@lozareena
Teitter:@loza_reena

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