LIVE TALK WITH GRAPEVINE

Text_Naoto Okutomi(BOY)

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Text_Naoto Okutomi(BOY)

・M6-「阿」

―日比谷野音のライヴでも印象的でした。

亀井:そうですね。非常にライヴ向きな曲で。
田中:歌詞に≪ネオもアキラもマックスも≫って出てくるんですけど、中日ドラゴンズに根尾昂(ねおあきら)さんという選手がいるのを今日知って、その人のテーマ曲みたいになりましたね。

―登場曲で是非、という感じですね。

田中:ね、そこでかけてもらえれば。でも多分、バッターボックスに立つ前に歌出てこうへんな(笑)。

―イントロ長いですもんね。読み方は阿”あ”で間違いなく。

田中:阿”あ”で大丈夫です。真面目な話をすると、”る”を付けて”阿る(おもねる)”と読むんですけど、意味は”媚び諂う(こびへつらう)”とか忖度的な意味があって。阿は万物の始まりという意味合いもある、そのくせに諂う意味もあるのが面白いなと思いまして、そこからタイトルを思いつきました。

―5人で作曲された曲ですね。

亀井:そうです。これは今回唯一セッションで。ベースで始まる曲が欲しいってなって、金戸さんに弾いてもらってから皆乗っかっていく感じで出来ました。
西川:この曲のベースかっこいいんですけど、本人は指が擦り減るって言ってましたね。

―ツアー中大変かもしれませんね。。

西川:ちょっと短くなってるかもしれない(笑)
田中:スライドが多いフレーズなんで、「アツ、アツ!」って言ってましたね。

―(笑)。

田中:結構ベーシスト殺しの曲多いですよね、うち。
西川:自ら弾いてるしね。
田中:そう。自分がフレーズ作っておいて、後からしんどいって言い出す曲が多いです。
西川:【ぬばたま】のフレーズも、金戸さんが「こういうのやろうよ!」って言い出したのに、全然弾けてない(笑)。

―望んでいるのか、望まれているのか(笑)。ライヴ中気になって観てしまいそうです。

西川:多分、今絶賛練習中だと思いますね。
田中:今回、改めて聴くとベースがかっこいい曲多いんですよ。CD出来てからも聴いて、やっぱめっちゃかっこよかった。

―高野さんとの制作はいかがでした?

西川:今回は高野さんが仕切ってる場面が凄く多くて、ヘッドアレンジやリズムを組み立てる段階からガンガン言われましたね。
亀井:結構プロデューサー的な役割を果たしてくれましたね。
田中:前作は、ホッピー神山さんにプロデューサーとキーボーディストで入って頂いたので、[高野]勲氏は前作では離れてたんですね。それで今回、再び戻ってきてやってもらってるので、反動みたいのがあったのかもしれないですけど。色んな事言ってくれて、めちゃめちゃ刺激的でした。

―この曲は、どのくらいの時間セッションされたんですか?

西川:あんまりしてない方ですね。普段は、セッションしたのを録音して、それを聴きながら再構築してるんですけど、【阿】はその場で口頭でやったんでそんなにかかってないかな。
亀井:1時間もかかってないかも。
田中:というのは、結構アルバムの曲が出揃ってて、今ある曲の感じから足りないものをやろうとなったので、目的が明確だったんですよ。
グルーヴィーな曲をやろうよってところから始まったんで。

photography_Taku Fujii

・M7-「さみだれ」

田中:野音でやった時も評判良かったんじゃないですかね。配信観てくれた大阪の友達からも「さみだれって曲いい」って連絡きて。

―メロディーも歌詞も、今作で一番ストレートな印象でした。

亀井:そうですね。比較的、得意としてるタイプかなと。
田中:これ、嫌いな人なかなかいないでしょ。

―コメントも沢山きています。

田中:【さみだれ】は引っ掛かりがすごいね。「コメント:結婚式で流したい。」って、そういう曲じゃないでしょ(笑)。
亀井:「コメント:カリフォルニアステーキってなんですか?」と。
田中:なんですかって、カリフォルニアで出されるステーキは皆カリフォルニアステーキでしょ(笑)。
これ、カリフォルニアステーキって歌詞にするにあたって、ちゃんとググってみたんやけど、カリフォルニアステーキを出す店、日本にいっぱいありますよ。
西川:焼き方が違うの?
田中:それは知らん!多分すごいアメリカンなんじゃないですかね。
西川:そこまでは調べなかったんだ(笑)。
田中:そうね。重要なのはそこではなかった。
西川:≪カリフォルニアステーキ≫が一番残った歌詞なのかな。
田中:あれをみんなどう捉えてるのか、ちゃんと笑うてくれてんのか。まあいいか。

―【さみだれ】を平仮名表記にしたのはなにか意味がありますか?

田中:歌詞では漢字で書いてるんですけど、五月雨の方は過去にも曲が沢山あるので平仮名にしました。
【ぬばたま】も平仮名で書いたんで、それにも合わせて。

・M8-「josh」

田中:先程話したYAMAHA DX7が大活躍ですね。
西川:もろ80年代のサウンドを目指してどこまでいけるか、許容できるかって。
亀井:皆世代的に80’sを通っているので、やっていて盛り上がるんですよね。
田中:レコーディングで悪ノリみたいな事をして盛り上がることがあるんですよね。〇〇っぽい事をやるとか。
メロディーはデュラン・デュラン、ニュー・オーダー、カジャグーグーとかかな。

―タイトルの意味はなんでしょうか?

田中:直訳すると、所謂”悪ふざけ”のようなニュアンスなんですよ。これ、仮タイトルだったですけど意味合い的にちょうどいいんじゃないかと思って、そのまま活かしました。
「コメント:最初女子の意味かと思いました。」って来てましたけど、最初女子が歌ってそうな曲やなと思って、【josh】って仮タイトルにしてたんですよね。
この曲を作った時に女の子の宅録シンガーとかベッドルームポップをよく聴いていて、メロディーの感じとかファルセットを使ったりとか、自分でも女子っぽいなと思ってたんですよね。

・M9-「リヴァイアサン」

亀井:これも非常にライヴでやりやすいというか、活躍しそうな曲ですね。
西川:ビブラスラップっていう、演歌でよく使う楽器なんですけど、次の【最期にして至上の時】でも使っていて、1枚のアルバムに2曲入っているという。
田中:【与作】で使われてるカーンって音ね。

―ビブラスラップが2曲も入っているアルバム、聴いたことないですね。

亀井:1回気に入ったら別のところでも使いたがるという傾向がありますね。
西川:目の前にあると使ってしまう。

―(笑)。

田中:今回、ビブラスラップは金戸さんの役割でしたね。ビブラスラップ師匠になってましたね。
亀井:あとカバサとかね。こだわりの一発を入れてもらって。

―ライヴでもやられるんですかね。

亀井:ライヴでは、あんまり音を拾わないという。
田中:もうマイクの近くでやるしかない。しかも、両手使うからねあれ。CAKEってバンドのヴォーカルは、ライヴ中ビブラスラップ手に持ってずっと鳴らしてるからね。

―「コメント:逆に鳴らせますよ。」ときてますね。

田中:じゃあ一人一個買ってくださいよ(笑)。
亀井:物販で作りますか。
田中:金戸スラップね。全員で鳴らしたらすごい音量なるんじゃないかな。
けど、日常生活でビブラスラップ鳴らすことないからね。だって、何人かでカラオケ行こう言うてビブラスラップ持っていったら、皆引くよね。

・M10-「最期にして至上の時」

―ラストソングですね。

田中:曲の合間に隙間がすごい多くて。その何も鳴ってないような瞬間も、実はギターのノイズがいたりするんで、その辺りに耳を澄ましてほしいですね。
ビブラスラップは金戸さんの野生の勘で入れてもらって。
西川:あれ、綺麗な拍のとこで鳴ってないんですよ。勘で鳴らしているから、真似できないですね。

―最後なのですが、アルバムジャケットについてお聞きしたいと思います。

田中:すごい気に入ってます。
加工した写真らしいんですけど、本当なのか嘘なのか、本物なのか偽物なのか、絵なのか写真なのか、その感
じがすごいアルバムに合ってるんじゃないかな。

―果実って聞くと鮮やかだったり明るいイメージですけど、ジャケットではすごいどんよりとした空気で、曖昧な感じというか明確な答えのない印象を受けました。

田中:そうですね。そこを話すと、答えのあるものは作ってないと思うんですよね。
基本的に聴いている人次第といいますか、それはそもそも答えを求める問いって訳でもないと思うんですよ。
一つの事について考えるきっかけ。想像力を最大限に活用して、そういう聴き方をしてもらえれば嬉しいかなと思ってます。

INFORMATION

GRAPEVINE

2021.09.15 Release!!
New vinyl『新しい果実』(アナログ盤)
4,620(Tax in)
※VICTOR ONLINE STORE数量限定販売商品

<仕様>
カラーバイナル:クリアレッド 1LP
帯付き

<収録曲>
[SIDE A] 1.ねずみ浄土 2.目覚ましはいつも鳴りやまない 3.Gifted 4.居眠り 5.ぬばたま
[SIDE B] 1.阿 2.さみだれ 3.josh 4.リヴァイアサン 5.最期にして至上の時

<予約・購入URL>
VICTOR ONLINE STORE https://victor-store.jp/item/163293
※数量限定のため規定枚数に達ししだい、発売日前においても予告なく販売終了となる可能性がございます。
予めご了承ください。

<配信リリース情報>
New Album『新しい果実』 on sale!!
https://jvcmusic.lnk.to/NewFruit
iTunes Store ほか主要配信サイト、音楽ストリーミングサービスにて配信中
※音楽ストリーミングサービス:Apple Music、LINE MUSIC、Amazon Music Unlimited、AWA、KKBOX、Rakuten Music、RecMusic、Spotify、YouTube Music

ライブ情報
GRAPEVINE tour 2021
7月8日(木) 東京Zepp DiverCity open18:00 start19:00 
全席指定 前売5,300円(税込、ドリンク代別)
info. ホットスタッフ・プロモーション https://www.red-hot.ne.jp/

9月4日(土) 新潟LOTS open17:15 start18:00 
全自由 前売5,300円(税込、ドリンク代別) 
info. FOB http://www.fobkikaku.co.jp/

9月5日(日) 仙台PIT open16:15 start17:00 
全自由 前売5,300円(税込、ドリンク代別) 
info. GIP https://www.gip-web.co.jp/

9月15日(水) 東京LINE CUBE SHIBUYA open17:30 start18:30 
全席指定 前売5,800円(税込)
info. ホットスタッフ・プロモーション https://www.red-hot.ne.jp/

【全国ツアー追加公演情報】
GRAPEVINE tour 2021 Extra Show

9月7日(火) 札幌ペニーレーン24
開場/開演 18:15/19:00
自由席5,300円(税込、整理番号付、ドリンク代別)
ウエス https://wess.jp

9月18日(土) 恵比寿ザ・ガーデンホール
開場/開演 17:00/18:00
全席指定5,300円(税込、ドリンク代別)
HOT STUFF PROMOTION https://www.red-hot.ne.jp/

9月19日(日) 恵比寿ザ・ガーデンホール
開場/開演 16:00/17:00
全席指定5,300円(税込、ドリンク代別)
HOT STUFF PROMOTION https://www.red-hot.ne.jp/

9月24日(金) 大阪城音楽堂
開場/開演 17:30/18:30
全席指定5,800円(税込)
サウンドクリエーター https://www.sound-c.co.jp

オフィシャル先行(抽選)
受付期間:7/13(火)18時〜7/18(日)23時59分
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