MUSIC 2025.09.20

Interview:クリエイティブガールグループ・Ettoneが、過去の自分を救い出す「U+U」に込めた思い

EYESCREAM編集部
Photography_Hiroki Asano, Edit&Text_Chie Kobayashi

クリエイティブガールグループ・Ettone(エトネ)がデビュー。1stシングル『U+U』を9月10日にリリース。様々な経歴を持つanri、chiharu、 koyuki、mirano、pia、shion、yuzukiから成るEttone。本シングルも、メンバーが歌詞構成から参加し、SIRUPが作詞を手がけた「U+U」、7人全員で作詞とコレオを制作した「サイレント・ディスコ」、メンバーが作詞に携わった「Roses」と、全曲にクリエイティブからメンバーが参加している。Ettoneとはどんなグループなのか、『U+U』には彼女たちのどのような思いが込められているのか、7人に聞いた。


──最初に自己紹介をしていただきたいのですが、『U+U』にちなんで、お名前とあわせて“好きなご飯のお供”も教えてください。

anri:はい、anriです。納豆、キムチ、ご飯を主食として日々を生きながらえています。よろしくお願いします。

chiharu:chiharuです。私はマヨネーズが好きなので、何にでもマヨネーズをかけます。白米には、卵とマヨネーズとか、ウインナーにマヨネーズとかですね。

koyuki:koyukiです。ご飯のお供は甘い卵焼きです。

mirano:miranoです。唐揚げが大好きなので、ご飯のお供も唐揚げです。

pia:piaです。私は海外育ちなので、ご飯ではなくパン派で。パンのお供はクリームチーズです。

shion:shionです。ご飯のお供は生卵です。TKGですね。

yuzuki:yuzukiです。ご飯のお供で一番好きなのは、なめたけ。あとは梅干しも好きです。

──ありがとうございます。そもそも皆さんがアーティストや芸能界に憧れたきっかけや、ダンス・歌を始めた理由を教えてください。

shion:父の影響で、家や車の中でずっと音楽が流れている環境で育っていたので、小さい頃から音楽を耳にしていて。小学生の頃には吹奏楽部に入っていて、中学校に上がる頃にはダンスを始めました。思えば、いつも音楽に触れていました。あるときから、そんな音楽を、伝える側になりたいと思うようになりました。

koyuki:私はもともとクラシックバレエを習っていたのですが、その頃から人前で自分を表現して、キラキラした自分でいることがすごく好きで。中学生くらいの頃に、アーティストを目指す子たちの番組を見て、「自分もこういう舞台でキラキラした輝いた自分になりたい」と思ったことがきっかけです。

chiharu:私は幼い頃からモデル活動をしていたこともあって、高校で芸能コースの学校に進学しました。歌やダンス、演技などを幅広く学ぶ学校だったのですが、周りに歌手を目指している子が多くて、その子たちの夢を追っている姿や、一緒にステージに立つ姿などに影響されたのが大きいのかなと思います。その子たちと一緒にステージに立ったことがすごく刺激になって、私も歌とダンスで自分を表現してみたいなと思って、アーティストを目指し始めました。

yuzuki:私は3歳からクラシックバレエを習っていて。そこからミュージカルやダンスや歌も始めました。そんな中、ふとしたときに自分が歌っている姿が一番愛せるな、好きだなと思うようになってアーティストを目指すようになりました。

mirano:ダンスを始めたきっかけはあまり覚えていないんですが、家族でドライブしているときに急に「ダンスを始めたい」って言ったんです(笑)。そうして幼稚園の頃、ダンスを始めました。小学生のときに通っていたダンススクールでアーティストさんのサポートダンサーをさせていただく機会があったのですが、そこでキラキラしているアーティストさんを見て憧れるようになって、「いつか自分も主役としてステージに立ちたいな」と思ってアーティストを目指すようになりました。

pia:父が昔から同級生とバンドを組んでいて、そのライブを見に行くなど、生まれたときからずっと音楽が周りにあって。ダンスも小さい頃に始めたんですが、ただ踊るというよりも、曲に合わせて踊るのが好きで、学校ではミュージカルにも出ていました。そこで「音楽が好き」という気持ちを発見して、アーティストを目指すことにしました。

anri:私は小さい頃、何かになりきるような遊びをずっとしているような子供だったそうなんです。お店で音が流れてきたら踊り出しちゃったり、プリンセスになりきっていたり。そうやって、何かになりきって表現することを好んでいた幼少期が、今も続いているような感覚です。何か大きなきっかけがあるというよりは、表現することがすることが自分の中での発散場所であり、それを続けているうちにここに辿り着いたという感じです。

──そんなEttoneは“クリエイティブガールグループ”。皆さんはこの“クリエイティブガールグループ”というものについて、どのように捉えていますか?

anri:ガールグループって、「こういうものを表現してほしい」というアウトプットのピースでもあると思うんですが、私たちはその前段階から担える。それはすごく幸福なこと。自分が伝えたいものを、熱意を持って表現に落とし込むというのは、「何を伝えたいのか」と自分の内面を客観視して、みんなとディスカッションを重ねて作り上げていく作業。そこで生まれたものは、自分の分身のようなもので、私たちの血肉の加わった作品。それはつまり、自分が今日まで生きてきたことを無視せずに、それと共に歩めるということなので、すごく光栄なことだなと感じています。

──とはいえ、クリエイティブも自分たちで手がけるのは簡単なことではないと思います。クリエイティブにも関わると最初に聞いたときはどのように思いましたか?

koyuki:やったー!って。

yuzuki:うれしかったです。

shion:私は、もちろんうれしかったけど、同時にすごく不安でした。私はクリエイティブの経験があまりなかったので「できるのかな」って。でも触れてみるとすごく楽しくて。今はやり甲斐を感じています。

──そして1stシングル『U+U』が完成しました。表題曲「U+U」はメンバーそれぞれのリアルな過去の経験から歌詞とコレオグラフィーを制作されたそうですね。皆さんの意見をまとめて歌詞にしたのはSIRUPさんですが、制作はどのように進めていったのでしょうか?

anri:まずは頂いたインスト音源をみんなで聴いて「どういうイメージを感じるか」というディスカッション、イメージを言語化する作業を行いました。そこで、モチーフとして“時計”と“人生”が上がり、SIRUPさんが「時間をもし巻き戻せるとしたら、時計を巻き戻せるとしたら、いつに戻りたいですか」と聞いてくださって。その話をもとにSIRUPさんが歌詞を完成させてくださいました。過去を否定せず、今を認めて歩んで行こうという、私たちなりのメッセージが込められた曲になりました。

──この曲の歌詞に込めた想いや、気に入っているフレーズをお一人ずつ教えてください。

yuzuki:私は過去に、誰の声も掴めないことがあったんです。失敗したり悩んだりしたときに声をかけてくれる人はたくさんいたのに、うまく掴めなくて。それをSIRUPさんにお話しさせていただいたら<誰の声も掴めず 進めずにいた でもね Not today! 今は君がいるから>という歌詞を入れてくださいました。そこを歌っているときは、いつも当時のことを振り返って「でもあの時期があるから今、ここにいてみんなに出会えているんだ」と思えるので、毎回ジーンときます。

shion:私は<あぁもう一度 あの日の後悔を したっていいと思える 「今」が来る>っていうところがすごく好きで。メンバーそれぞれの環境で様々な経験をした7人が集まったからこそ、今のEttoneがあって、この曲を歌えると思うんです。<「今」が来る>というのは私のパートなのですが、すごく感情がこもるし、何があっても絶対に歌い切りたいと思うパートです。

pia:私は歌詞よりも音で感動する派で。この曲にもいろいろな音が入っているので聴くたびに楽しいなと感じます。中でも、<あの寂しさを今も忘れない>の「今」と「も」のところのmiranoのハモリがすごく好きです。聴くたびに「すごく気持ちいい」と感じます。

mirano:私は<時計巻き戻し 君に会いに行く 1人にしないから 手を繋いだ>というパートが大好きです。「U+U」のテーマとして、過去の自分や未来の不安は今の自分にしか救えないというメッセージがあるんですね。その中でここは、今の自分が昔の自分に会いに行って「1人じゃないよ」って手を差し伸べる印象的なシーン。「1人にしないから」の部分は私が歌わせていただいているのですが、大切に歌い上げていきたいポイントですし、聴いていてもすごく温かい気持ちになれるお気に入りのパートです。

──ちなみにmiranoさんだったらいつのご自身に声かけにいきますか?

mirano:えー、いつだろう。でも高校時代はその夢を1番頑張って追いかけていた時期で。放課後みんなが遊びに行っている中で、私は1人でレッスンに向かっていた。今振り返ると青春を捨てて夢にかけていたなと思うので、「そのまま頑張ってほしい」という言葉で背中を押してあげたいですね。

koyuki:私は最後のラストサビの<どんな日もどんな今日も 時を超え走ってくよ>というところ。1サビと2サビは<歩いてく>なんですけど、最後だけ<走ってく>なので、ここは決意がすごく表れているところなのかなって。私含めて、Ettoneのメンバーはみんなここにくるまでにいろいろな経験をして、今ここにいる。つらいこともあったけど、でもそれがなかったら今はない。私、今すごく幸せなんです。過去の出来事、どれか1つでもなかったらこの今はないと思うと、miranoが言ったように私にも、頑張っていた自分にも、そして、今夢に向かっているけど思うようにいかない人にも、「諦めないで頑張ってほしい」と走って伝えにいきたいです。

chiharu:私は<もう一度 あの日の後悔を したっていいと思える 「今」が来る>が好きです。SIRUPさんに「いつに戻りたい?」と聞いていただいたときに、私は「後悔をもう一回したい」と言ったんですよ。というのも、「あのときこうしていれば、未来は違ったかもしれないな」って、ありもしないことにとらわれている自分がいて。でもそれがあったからこそ、今ここに立てている。その狭間で戦っているのがこの曲だと思うんです。だから、たとえばこの曲を数年後に歌ったとして、そのときも後悔はあると思う。だけど、そのときに聴いても「それでもいいんだよ」って自分は自分の味方でいてあげられるような存在でいたい。そのためにも、この曲を大切に歌いつないでいきたいなと思っています。

anri:私が一番心を込めて歌ったのは、<時計巻き戻し 君に会いに行く>という歌詞。何よりも“伝える”ということを一心に考えてパフォーマンスしている場所で、一番心をむき出しにして歌っています。“あの日の自分を救いに行くぞ”という気持ちで歌っているので、ぜひ体感してほしいです。

──コレオ制作にはmiranoさんが参加されていますが、コレオでこだわった点を教えてください。

mirano:この曲のメッセージ性やサウンドの深みを考えたときに、今まで私が見たことあるような、歌って踊るダンスではいけない気がして。歌って踊るということを全く想定せずに、「ダンサーの私が作り上げた」と言っても過言ではないくらいナチュラルに出た動きをそのままつないで作りました。いい意味で“歌って踊るダンス”ではないので、目新しいものになっているんじゃないかなと思います。

──つまり、歌いながら踊るのは難しいということですよね?

mirano:そうですね。だからみんなには「本当にごめん」って感じです(笑)。

koyuki:ガールグループだけどガールグループっぽくないというか、ユニセックスな振り付けで、今の時代に合っているコレオだなと思います。

mirano:コレオ制作自体は、これまでにも経験があるし、得意なんですけど、Ettoneとしての振り付け、しかも歌って踊るコレオを作るということで、自分の得意なものばかりを入れてはいけないわけで。「U+U」という曲をしっかり理解して作り上げなきゃいけない。そういうことも考えながらコレオを作る時間は、曲への理解度を深める時間にもなってすごく良い時間でした。

──それでいうと、2曲目「サイレント・ディスコ」は7人の皆さんが作詞とコレオを担当されたんですよね。

chiharu:はい。この曲もインストを聴いて、みんなでイメージから話し合っていきました。そのなかで「この曲は帰り道に聴きたい曲だね」という意見が出て。ヘッドフォンで音楽を聴いている姿って、一見孤独に見えるけど、実際は自分の世界に入って楽しんでいる時間かもしれないじゃないですか。ワイヤレスヘッドホンを装着して音楽を楽しむ、サイレントディスコという実際にあるイベントをモチーフにしているんですが、サイレントディスコでは、同じチャンネルを聴いている人が同じ色の光が点灯するようになっていて、同じ音楽を聴いている人がわかるんです。そこから“いつかは同じ音楽を聴いている人と出会えるかもしれない。だから今は一人でもいいんだよ”というメッセージを込めた歌詞にしました。

anri:コレオは、ソウルダンスを主軸にしていて、音の取り方も単調だけど技術がいるようなものになっています。「U+U」と同じように、ユニセックスでEttoneらしい振り付けになっていると思います。タイトルに「ディスコ」が入っているから、いわゆるディスコポーズと呼ばれる振りも入っていて、歌とダンスあわせて「サイレント・ディスコ」という曲の世界観が伝わるものになっていると思うので、ぜひパフォーマンスを見ていただきたいなと思います。

──デビューシングルが完成しましたが、いかがですか?

koyuki:とにかく早く皆さんに届けたいです。私たちのコンセプトは「LOOSE POPS」。これには“ありのままの自分”とか“何気ないこと”という意味があって、ありのままの自分が一番美しいとか何気ないことが幸せなんだという思いが込められています。私たちの存在を知ってもらって、「LOOSE POPS」という思いにも共感してくれる人が増えたらいいなという気持ちでいっぱいです。

──グループとしての今後の目標や夢を教えてください。

pia:今回の『U+U』では作詞とコレオをメンバーが担当しましたが、他にもビートを作っているメンバーや、ステージングの勉強をしているメンバーもいて。クリエイティブガールグループとして、将来的には、7人で1つの作品を完成させられるようになるのが目標です。

anri:それぞれが得意としているクリエイティブの場所が明確になってきていて。そんな7人の力が集結したら、絶対にいいものができると思います。

──楽しみにしています。最後に、楽曲制作などお仕事以外で7人でやりたいことがあれば教えてください。

koyuki:海外旅行!

全員:いいね!

pia:私、オーストラリア生まれ育ちなので、みんなにオーストラリアに来てほしくて。

mirano:いいね。みんなの地元を回りたい!

chiharu:「お世話になっております」って挨拶して回りたいね!(笑)

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Ettone 1stシングル『U+U』 ON SALE

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