東京を拠点として活動するBLAST JAMS!! CREW。彼らは”VINTAGE MUSIC FOR TEENAGERS”を掲げたユースDJクルーで、全国各地でパーティやDJ活動を行っている。ヴィンテージミュージックのカルチャーをユースの手で世間に伝えるべく活動しているレジスタンスたちだ。現在のメンバーは笹井トシオ、takuma、ヒラノツヨシ、ゴーゴージュリー 、Shinyah、MACHI、WOODCHUCK、7名のDJとクルーのフォトグラファーとしても活動しているYui Nogiwa。
今まではアンダーグラウンドで活動してきた彼らだが、10月11日に恵比寿のLIQUIDROOMでデカいパーティ”BLAST JAMS!! 2020″を開催する。本イベントに先立ち、ヴィンテージミュージックのカッコよさや魅力を教えてもらうBLAST JAMS!! CREWの連載”WORLD FAMOUS BLAST JAMS!! CREW”。
今だからこそフレッシュでカッコいい。そんなヴィンテージミュージックの世界をバンドとクルーの対談や写真でお伝えしたい。同時に各連載の最後に、BLAST JAMS!! CREWによるスペシャルプレイリストを掲載。音楽で具体的に魅力を届けてもらおう。
第4回目は、10月11日のパーティ”BLAST JAMS!! 2020″のメインステージに出演するDrop’s。2009年結成、札幌発の4人組ガールズロックバンドだ。BLAST JAMS!!との出会いや、10月11日のリキッドルームに向けた思いを語り合ってもらう。
Vol.04 Talk session with Drop’s
L to R_石川ミナ子(Dr)、中野ミホ(Vo&Gt)、小田満美子(Ba)、荒谷朋美(Gt)
“聴く側のことをしっかり考えているバンドと一緒にシーンを盛り上げていきたい”
−笹井トシオ
“歌や言葉がしっかりとした、心に残る日本の音楽をやりたくて”
−中野ミホ
−BLAST JAMS!!とDrop’sの最初の関わりを教えてください。
笹井トシオ(以下、トシオ):THE THROTTLEとTHE TOKYOが出た2016年のイベントにDrop’sが出たのが1番最初のコンタクト。オレが“ROCK’NROLL BIG 3”っていうタイトルのイベントをどうしてもやりたくて、その時に各バンドと誰を呼ぶかって話していたときに、Drop’sの名前があがったんだ。その時は下北沢BASEMENT BARで開催したんだけどパンパンになったんだよね。ほとんどがDrop’sのお客さんだったな(笑)。2016年だから4年前だね。
中野ミホ(以下、中野):Drop’sが北海道から東京に出てきたのが2017年の1月なので、まだその時は拠点は北海道で。トシオさんがDJをしながら踊っていたのがすごくカッコよくて印象的でした。
荒谷朋美(以下、荒谷):あの3マンは、THE TOKYOもTHE THROTTLEも1、2回対バンしたことある、くらいの状態で共演して。それこそ年齢が近い3マンで共演できたのがめっちゃ楽しかったです。いい対バンってずっと印象に残るよね。
小田満美子(以下、小田):北海道にはそういう同じルーツを持った集まりがあまりなかったからね。
トシオ:BLAST JAMS!!としては、ずっとDrop’sを誘いたかったんだよね。というのも、同世代でやっていきたいっていう気持ちが根底にあったから。年齢の近い友達を増やしたくって。バンドでの出演以外にも、ミホちゃんにはソロの弾き語りで出てもらったりもしたね。
−どんな音楽に影響を受けているかを教えてください。
石川ミナ子(以下、石川):キャロルキングとか、あの時代のティンパンアレイ系というか。60年代の音楽も大好きなんですけど、ビートルズとか、みんなが歌って作曲してというよりは、タイプ的にそっちですね。言葉や歌を大事にしているっていう、そういうところがDrop’sの強いルーツなんじゃないかなと思います。
小田:中野は昭和歌謡とかが好きなんです。昭和歌謡ってすごくメロディーが良くて耳に残るじゃないですか。今のサウンド感でその雰囲気を表現できたらいいなと思って。
中野:ユーミンとかも大好きですし。あとは松本隆の詩。彼はアイドルとかの詩も手掛けたりしているんですけど、その辺も研究していました(笑)。私たち4人全員に共通するものって実は少ないんですけど、古いものはみんな好きなんです。
−BLAST JAMS!!はルーツミュージックが好きなバンドと一緒にムーブメントを起こす意気込みでイベントを開催していますが、Drop’sの活動目標は?
中野:私はバンドであればThe Birthdayとかエレカシ(エレファントカシマシ)とか、日本のロックに影響を受けていて。最初は周りやシーンのことは何も考えずに、ただそういうバンドをやるっていう勢いでやっていたんです。でもCDをリリースして活動を続けていくにつれて、だんだん聴く人のことを考えるようになっていったんです。その中で辿り着いたのは、やっぱり良い歌や良い言葉はずっと残る、ということ。それはハッキリと感じていて。だから、どんな風に時代が変わっていこうとも、歌や言葉がしっかりとした、心に残る日本の音楽をやっていきたいと考えています。音のジャンルがロックンロールなのか、そうでないのかに対しては、そこまでのこだわりはないけど、やっぱり歌はちゃんと聴いてほしい。そこは1番大事にしていきたいですね。
トシオ:ミホちゃんが言うように、ジャンルは何にせよ、聴く人のことをしっかり考えているバンドと一緒にシーンを盛り上げていきたいよね。HIPHOPや打ち込みなど、ロック以外のジャンルが世界中で台頭してきて、今のバンドシーンは昔と比べて明らかに衰退してきていると思うんだよね。その辺りについて、今後どんな風に時代が変わっていくと思う?
石川:すごく難しいですね。でも何となく感じているのは、何か抜きん出たものがない人には居場所がなくなっていっちゃうのかなってことです。昔は誰でもバンドができたけど、そうでなくなった今は逆に、良い意味でも悪い意味でも、本当にカッコいい人しか残れない時代になっていく気がします。表現が難しいけど、本気じゃないと残れない場所。そういうところになっていくのかな。でも、それはそれでいいと思っています。中途半端じゃない、カッコいいバンドが残っていくから。そういう意味では切磋琢磨できるシーンになるし、そういう人たちこそオーバーグラウンドに行って欲しいですよね。ただ、技術だけで判断できないカッコよさがあるのがロックバンドなので、すごく難しいですね。
トシオ:先日、THE THROTTLEのRYO-CHANGと、「Drop’sは本当に音楽だけで勝負しているところがマジでカッコいいよね」って話していて(笑)。本当に男前なバンドだよね。
荒谷:高校の時、”ガールズバンドとして見られたくない”っていう反抗心みたいなものがずっとあったかもしれないです。なめられたくない、みたいな。最近では、そう思うことも減ってきたけど、最初はメンバー全員、革ジャンを着ていたし”キャピキャピしているバンドとは違うんだぞ!” みたいな(笑)。
石川:そういう意味では1番尖っているのかも(笑)。
荒谷:私はクラシックピアノ上がりでロックは全く聴いていなかったけど、漠然と”強くなりたい”って意識がずっとあったんです。中野がミッシェル(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)のCDを全部貸してくれたのがキッカケで私はロックにズルズルとハマっていったんです(笑)。
中野:ミッシェルとThe Birthdayと、JETとか。ブランキー(BLANKEY JET CITY)も貸したよね。
−音楽以外にもDrop’sのメンバーは趣味が幅広いですよね。小田さんはバイクに乗っていたり。
小田:そうですね、カブに乗っています。でも、車の免許で乗れちゃうやつですから(笑)。本格的に乗り始めたのは東京に来てからだから3年経ってないくらいですね。昔から仮面ライダーとかが好きだったせいかずっとバイクが好きで(笑)。兄も乗っていて、その影響もありますね。
−中野さんは映画をよく観られていますよね。それも音楽活動のルーツの1つなんでしょうか?
中野:世界感がある監督の作品が大好きで。好きな監督の映画は全部見ちゃうんです(笑)。ジム・ジャームッシュとか、ミシェル・ゴンドリー、ウェス・アンダーソンとか。彼らの作中に流れる音楽や、映像との組み合わせはめちゃくちゃグッと来ます。サントラを聴くのが特に好きで、トム・ウェイツはジム・ジャームッシュの映画を観て好きになりました。映画と音楽はすごく密接に関わっているから、影響が大きいですね。これは映画じゃないけど、ウィリアム・エグルストンっていう写真家がいるじゃないですか。彼の写真の世界観、アメリカの60〜70年代の色合いと風景が大好きなんです!
−BLAST JAMS!! 2020には、どのような思いがあって出演しようと思ったんですか?
中野:トシオさんは最初に会ったときから、これっていうのをずっと貫いていて変わらないんです。今の社会は情報が多いから”これが好きだ!”ってことを言い続けたり、同じことをやり通すのが難しいと思っていて。バンドをやっていてもそう。本当に色んなものに左右されちゃうから。
荒谷:BLAST JAMS!!は色んなジャンルの人たちが集まっていて、それが仲間として動いていてすごいと思います。THE THROTTLEとTHE TOKYOは何回も一緒にやったことがあるけど、他のバンドはあんまりないので楽しみです。特にJOHNNY PANDORA。この前の“水曜日のスロットル”(THE THROTTLE企画イベント)に遊びに行った時にJOHNNYさんがいて、見た目ですぐに分かりました!(笑)。
トシオ:個性強いもんね(笑)。
荒谷:BLAST JAMS!! 2020に出演する他のバンドもいたけど、全員揃ってキャラが濃くて(笑)。
石川:みんなパッと見でも本当にカッコいいよね。
中野:トシオさんみたいな意思を貫き通す力を持っている人はすごいと思うし、アンダーグラウンドのカルチャーをオーバーグラウンドに持ち上げたいっていうのは、なんとなくじゃできないことだと思います。だから、そこに携われるのは本当に嬉しい。私たちも”これだ”っていうものを持ち続けていきたいです。
Drop’sの魅力をより知るためにBLAST JAMS!!のクルーとバンドで共作したプレイリスト。10月11日のパーティ”BLAST JAMS!! 2020″に向けた予習として。またDrop’sの魅力をより深く知るためのミックスとなっている。
そして、本連載のためにBLAST JAMS!!クルーのメンバー、takumaが”今月のグッド・ヴィンテージミュージック・プレイリスト”を制作してくれた。今回のテーマはGARAGE PUNK!! 作業用、パーティのときにかけてくださいませ。
次回もバンドとの対談をお届け。公開は4月下旬を予定。
次回のWORLD FAMOUS BLAST JAMS!! CREWもお楽しみに!!
Archive
Vol.03 Talk session with THE THROTTLE
Vol.02 Talk session with Tokyo Rockin’ Crew&NIGHT FOX CLUB&Atsushi
Vol.01 About BLAST JAMS!! CREW Interview: Toshio Sasai
INFORMATION
BLAST JAMS!! 2020
2020年10月11日(日)
OPEN,START 13:00
¥3500(adv), ¥4000(door)
-LIVE ACTS-
THE TOKYO, THE THROTTLE, JOHNNY PANDORA, ALI, Drop’s, RESERVOIR, 999999999, THE NUGGETS, submarine dog
&
FADEAWAYS, STOMPIN’ RIFFAFFS, LOS RIZLAZ, PSYCLOCKS, the GENO LONDON, UPDOWNbeats, ザ・ハイマーツ, THE MILLION DOLLAR DOGS
-DJs-
BLAST JAMS!! Crew -笹井トシオ, takuma, ヒラノツヨシ, ゴーゴージュリー, Shinyah, MACHI, WOODCHUCK-
-GUEST DJs-
Tokyo Rockin’ Crew, NIGHT FOX CLUB, And Friends
BLAST JAMS!!
https://twitter.com/BlastJams
https://blastjams.com/
笹井 トシオ
https://www.instagram.com/toshio_sasai/
Yui Nogiwa
https://www.instagram.com/nogiwarian/
LIQUIDROOM
https://www.liquidroom.net/schedule/blastjams2020_20201011
INFORMATION
Drop’s
Drop’s:http://drops-official.com/
https://www.instagram.com/drops_photo/
https://twitter.com/Drops_official
LIVE INFORMATION
Drop’s “APRIL FIRST CLUB’20”
5月26日(火) 振替公演
東京 新宿レッドクロス
OPEN19:00/START19:30
SOLD OUT
5月27日(水) 振替公演
東京 新宿レッドクロス
OPEN19:00/START19:30
SOLD OUT
info_レッドクロス 03-3202-5320
6月12日(金) 振替公演
大阪 福島LIVE SQUARE 2nd LINE
OPEN18:30/START19:00
6月22日(月)
北海道 札幌SPiCE
OPEN18:30/START19:00
チケット 各¥3500 ※2020年5月11日(月)各プレイガイドにて一般発売開始
RELEASE INFORMATION
5th ALBUM「Tiny Ground」発売中
01:Tシャツと涙
02:EAST 70
03:毎日がラブソング
04:Lost in Construction
05:Cinderella
06:Blue
07:Little Sign
08:アイラブユー
09:天使とラストシーン
10:春の羊
11:マイハート